無意識に使ってる言葉へのツッコミを厚労省議事録でみる
現在、厚生労働省の労働施策審議会、雇用環境・均等分科会では、男女雇用機会均等対策基本方針の第4次案が検討されています。
男女の給料の差や、働き方の差など、いまのリアルな資料も紹介されていて、なかなかに見応えがあります。
ただ、資料だけだと読み解く力が必要です。
ですが、こういった会議はあとで議事録が公開されます。
議事録に出てくる用語は難しいものもありますが、話しことばなのでわかりやすく、かつ、資料以外にも情報があってなかなか面白いものです。
今日はふたつほどピックアップしてみます。
1.男性労働者の育児休業取得について
【議事録より】
その次の○は、男性労働者の育児休業です。「3割以上」と書いておりますが、3割を超える男性が育児休業の取得を望んでいまして、これは現状の重要な事実だと思います。
他方で、育児休業を取得しにくい雰囲気があることから取得が進んでいない、実際には、14%程度の男性しか育児休業を利用していないという状況です。
こんなふうに資料から読みとるべきポイントが議事録ではわかります。
2.資料へのツッコミも!
掲示されてる資料へのツッコミまであります。
審議会で掲示されてるのは案です。
なので、無意識ぽろりの表現もあり、それも含めてなかなか興味深いところがあります。
たとえばこちら。
骨子案のまとめです。
これを読んで、何かひっかかったところはありますでしょうか?
日本経済団体連合会(経団連)の布山祐子さんは、ひっかかるところがあるようで、こんな発言をされていました。
【議事録より】
これは第3次基本方針の議論のときにも申し上げたのですが、なぜ男性だけ育児参加と言うのかというのはすごく不思議に思っていて、女性に対しても育児参加というのであればいいのですが。
これは、昔、女性活用といって、女性だけが活用というのはおかしいのではないかということと同じ議論になると思います。
第3次基本方針を見たら、「育児参加」の「参加」は抜けているので、意見は取り入れられて、当時、「参加」と書いてあるのは全部抜かしていただいたと思うのですね。
ここは多分入力ミスだと思うのですが、「男性の育児等への意識」ということでお願いしたいと思います。
たまに「参加」ではなく「参画」というふうに書かれている公式の文書もあるのですが、第三者が誰かの育児にかかわるのであれば、参画という言い方もあるのかもしれませんけれど、親御さんに対しては参加も参画もなくて、ただ「育児」ということでよろしいのではないかと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上です。
男性の育児参加、つい流してしまう言葉ですが、言われれば確かに!と思います。
これまで携わっていなかったことだから「参加」というのかもしれません。
ですが、いまや当たり前に育児をしている男性もいるなかで、その人自身も耳にしたら、ん??と思う言葉だと思います。
「参画」も、きちんと見られたいあまりに、固そうな言葉を、その意味をきちんと確認せずに使うことはあるあるだと思うのですが、その危うさを教えてくれます。
気をつけたいものです。