じわじわ改善してきているように見える労働時間~令和4年過労死白書#0216/1000

昨日公表された、令和4年度過労死等防止対策白書。

昨日、年間総実労働時間の推移を確認し、令和3年度は1,633時間と前年比で12時間増えていることを確認しました。

ですが、その水準はコロナ前の令和元年(2019年)の数値1,669と比べるとまだまだ低い値。

令和3年が2年より伸びたというよりは、令和2年(2020年)が、コロナの影響で顕著に労働時間が減少した、ということのようです。

withコロナがひろまり、昨年、労働時間はじわりと増えました。
ですが、これまでの流れを見ると、前年比で増えた年もありますが、蛇行しながらもだんだんと減ってきていることがわかります。

全体を見ると、おそらく今後も全体としては労働時間減少の方向にいくのでは、と言えそうです。

なぜなら、労働時間別に見た場合、長時間労働はwithコロナ関係なく、確実に減少しているからです。

以下の図は、月末1週間の就業時間別のグラフです。
赤色、週60時間以上という長時間勤務している雇用者の割合は、令和2年から令和3年にかけても、減少しています。

週60時間以上というのは、例えば、朝8時から21時まで働く(1日12時間)のを週5日やるようなスタイルです(ちょうど私が今週そうでした)。

週40時間が労基法の基準ですから、週で20時間オーバー、月で80時間オーバー。

この、月で80時間という数値、「発症前2〜6ヶ月の平均で月80時間を超える残業がある」ことは、労災保険では脳・心臓疾患が業務との関連性が強いと判断される基準となります。

また、失業保険をもらうための離職理由でも、解雇(会社都合)あつかいになる理由としてでてくる時間です。
(参考)「離職の直前 6 か月間のうちに 3 月連続して 45 時間、1 月で 100 時間又は 2~6 月平均で月 80 時間を超える時間外労働が行われたため、又は事業主が危険若しくは健康障害の生ずるおそれがある旨を行政機関から指摘されたにもかかわらず、事業所において当該危険若しくは健康障害を防止するために必要な措置を講じなかったため離職した者」

そのラインについてはコロナの影響があまり見られず、じわじわと堅調に減少しているのがわかります。

2017年から叫ばれてきている働き方改革は、こういう出る杭に効果が出ているのかもしれません。

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