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仕事をしている理由、健康や社会とのつながり維持とポジティブ化?~第19回中高年者縦断調査より

2005年10月末時点で50~59歳だった全国の男女のうち、同一対象者を追跡して、毎年定点的な調査を行なっている「中高年者縦断調査」。
その最新19回の結果が公表されました。

対象者は、2022年・2023年に回答があった18,634人で、今回の調査では、68~77歳になっている人です。

調査の内容は、以下のとおりです。
1.世帯の状況
2.健康の状況
3.就業の状況

「就業の状況」に興味深い結果がありましたので、ざっと見ていきましょう。

1.世帯の状況

この18年間で、「夫婦のみの世帯」の割合は増加、「三世代世帯」、「親なし子ありの世帯」の割合は減少していることが明らかになっています。

2.健康の状況

では、第1回調査と比べ、健康状態が「よい」と思っている人は、「わるい」と思っている人よりも、男は「適度な運動をする」、女は「バランスを考え多様な食品をとる」人が多いことがわかりました。
それぞれの対策について「効果を感じている」ということがわかります。

また、社会参加活動については、健康状態が「よい」と思っている人は「わるい」と思っている人と比べ、男は「スポーツ・健康」、女は「趣味・教養」に関わっている人が多いということです。

3.就業の状況

お仕事は、18年前は「仕事をしている」人が8割を超えていたのが、年齢を重ねて減っていき、4割を切る結果となっています。

減少の程度はそれぞれ、「正規の職員・従業員」は38.7%→2.4%、「パート・アルバイト」が17.0%→13.2%、「自営業主、家族従業者」は15.2%→11.5%。

「正規の職員・従業員」の激減ぶりに比べると、パート・アルバイトや個人事業主の減少は小さいことがわかります。

また、以前と比べると、全体的に、働いている人は増えていると言えそうです。

興味深いのが、今回の調査で、68~77歳で働いている人の、働いている理由は、「健康を維持するため」が最も高いということ。

前回この質問があった第6回調査では、「現在の生活費のため」が男性9割近く、女性も6割超えと圧倒的でした。

それが今回は、「現在の生活費のため」を超えて、「健康を維持するため」が5割を超えるという結果になっています。

こちらは複数回答なので、「生活費」かつ「健康維持」が最優先という方もなかにはいるでしょう。

ですが、ほかにも、
「自分のお小遣いのため」
「社会とのつながりを維持したいから」
「家にずっといるのは嫌だから」
「時間に余裕があるから」
という理由が前回よりも大きく増えているのを見ると、
全体的に、働くことに対してポジティブになっていると言えるのではと思います。

この調査の対象になっている、いわゆる「団塊の世代」だけではなく、その下の世代も、こんなポジティブさで働き続けることができる世の中であれば、素敵ですね。

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