見出し画像

【本】西村博之著『ひろゆき流 ずるい問題解決の技術』#0081/1000

この本は、非常に優れた構成になっていると思います。

なぜなら、聞く耳をもち最後まできちんと読んだ人が、ひろゆきさんからの人生へのエールをしっかり受け止められるから。

「ずるい」はひとの感情が言わせる言葉。

ルールは破らず(守る、とはいえない…)に出したい結果が出せれば、ずるくてもいいのではないか。

最初に紹介されるひろゆき氏の実践例は、真実ですが、非常に誤解されやすいものだと思います。

なぜなら、結果が出せない皆の感情を逆なでしてしまうから。

私も、「出したい結果を出す」ためにがむしゃらに実行していく覚悟がなかなかもてず、つい「できない言い訳」を使ってしまいます。

「忙しいからしかたない」
「こういうルールがあるからしかたない」
「ひどい人と思われたくないからしかたない」
私たちはできない言い訳を探す天才です。

そうやって自分の自尊心を守っているので、そんな言い訳をせず、グレーなやり方でも結果を出していく人には、つい「ずるい」と眉を吊り上げてしまうのでしょう。

実際、目次にある「丸投げする」「成功例をパクる」「面倒くさいキャラになる」などは、真面目な人ほど飲み込めない内容だと思います。

でも、ひろゆきさんの一番の主張は、「ずるくてもいい」と言っていることではない、と私は思います。

「物事の受け止め方が問題解決で一番大事」というのが、隠された一番のメッセージなのではないでしょうか。

最後の「エピローグ」で、ひろゆきさんはこう言っています。

・負けた事実をどう受け止めるか
・そのマイナスを利用して自分がどうやってプラスにするか
・GOODLOSERになる

プロジェクトは失敗しても「あいつとはまた仕事したいよね」と言われたらいいじゃないか、というのは、「面倒くさいキャラになる」すすめとは一見相容れない方向性のように思います。

でも、「面倒くさいキャラになる」のは、別に目的なわけではなく、たどり着きたいゴールにいくための手段。

そこまでが相手に伝わり、ちゃんと仕事の目的が達成できれば、「面倒くさいキャラ」と「また仕事したい」は両立すると思います。

ある意味この本は、真面目で、手段が目的化しがちな日本人にむけて、ひとゆきさんが放ったその厄介な殻をやぶる小さな爆弾。

その爆弾をまともに受けて、眼からウロコが吹き飛んだ人には、「物事の受け止め方が問題解決で一番大事」というひろゆきさんの言葉がしみます。

「パワハラを受けたら、ボーナスがもらえるチャンス」だと思う。

こんな考え方、なかなかできないですよね。

でも、問題が起きたり嫌なことがあった時、受け止め方を変えて、それを自分にとってプラスにするにはどう対処すればよいか、を考える。

思いついた「自分にとってプラスにするための対処法」が、少しずるいことでも、それで悩んで悩んで苦しむよりは、ずっといい。

そう考えることができれば、生きていく楽しみが増える気がしませんか?

私はこの本をAudibleで耳読しましたが、家事しながら非常に有意義な2時間強(2倍速の場合)でした。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?