令和5年厚生労働白書でみる日本の1日
令和5年版の厚生労働白書が公表されました。
今年度は「つながり・支え合いのある地域共生社会」をテーマに、社会保険などの社会保障、子育てや介護、医療など、厚生労働省がカバーしている分野についての現状報告がまとめられています。
白書ってなに?
そもそも「白書」とは、一体どういうもので、何のために作成されているものなのでし ょうか?
参議院のホームページには、こんな説明があります。
・白書は中央官庁の編集する政府刊行物で、政治、経済、社会の実態及び政府の施策の現状について国民に周知させることを主眼とするもの
・「白書」という言葉の由来は、英国において政府が作成する外交報 告書の表紙が白(white paper)であったことにあると言われている
白書は、政府から国民へのメッセージです。
国民は、この白書を通じて現実の政治あるいは行政の動きを知り、問題があると思うようなら意見を投じたり、選挙での投票行動を変えたりすることができます。
批判するには、まずは知ること。
予測や願望ではなく、数字で示された日本の姿がここにはあります。
ニュースも大事ではありますが、ニュースで切り取られ解釈が加えられた情報だけではなく、一次情報の全体をおさえることが、今後自分で考える力をつけていくためには、ますます大事です。
とはいえ、白書は本文で460ページ、概要でもパワーポイントで13ページあります。
なかなかそこまでは、と思う方におすすめなのが、コンパクトに日本の状況が数字でまとめられた「100人で見た日本」と「日本の1日」です。
これから、それぞれ2ページで全体像がつかめます。
今日は「日本の1日」をみてみましょう。
令和5年の「日本の1日」はどうなってる?
「日本の1日」とは、平成28年からの数字を1日単位に直したもので、日本で1日に起こっているできごとをまとめたものです。
野菜摂取量や歩数、育児時間、介護時間など、自分のケースと比較できる項目もあります。
令和5年はこんな内容です。
これをさらに、過去の「日本の1日」と比べるのが、醍醐味です。
令和4年版と比べた令和5年版は
令和4年は以下の通りでした。
「生まれる数は減り、亡くなる数は増えている」という、報道通りのあまり明るくない数字もあれば、「結婚するカップルは増え、離婚するカップルは減っている」という明るい兆しもあります。
このまとめの集計対象となっている最初の年は、平成28年です。
ではいまから7年前、平成28年、2016年はどんなだったのでしょうか?
平成28年はこんなだった
生まれる数、結婚する数とも、かなりの差があります。
一方で、離婚の数はあきらかに減っています。
そして注目すべきなのが、男性の育児・家事の時間の増加です。
女性の育児・家事時間が減っている以上に増えています。
ということは、おそらく、トータルで子どもにかけている時間が増えているということ。
ニュースなどでは「まだまだ短い」と言われることもありますが、数字でみると、マイナスばかりではないことがわかります。
一次情報として気楽にわかりやすくつかめる、国から私たちへのメッセージ、ぜひキャッチしてください。