社会のダッシュボード、人口動態統計月報年計は皆で目を通そう
はじめに
合計特殊出生率が1.20、と各メディアが大きく報じています。
ニュースソースはこちら、厚生労働省が公表した、令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況です。
ニュースで採り上げられている出生率、死亡率については、このようなグラフで表示されています。
明らかに出生数が下がり、死亡数が増えているのもわかります。
この山を見ると、団塊ジュニア世代がバブル後に苦しまなければいけない世代となったがためにあまり出生数が増えなかったこと、また、そこで出生数が増えなかったため、その後増加の山がなくずっと右肩下がりになっていることがよくわかると思います。
今回は、この人口動態統計について取りあげます。
1.人口動態統計を見る意味
最新の人口動態統計は、いわばいまの社会のダッシュボード。
目を通すことは、いまの日本で暮らしている私たちにとって、世の中がどのような状況なのかを知るために必要なことだと私は思っています。
会社であれば、自分の会社の株価や財務三表、経営側であれば、人員動態にも目を通すのではないでしょうか?
たとえ自分が会社員であっても、会社員としてだけではなく、自分自身を株式会社と考え経営していくことが必要なのが、この時代です。
自分株式会社を経営していくうえで、いまの社会がどのようになっているのを自分の目で確かめておくことは、マストだといえるのではないでしょうか。
ここでは、今のところあまり報道に採り上げられていない点をいくつかピックアップします。
ぜひ、結果の概要は直接目を通していただくことをおすすめします。
2.第1子出生時の母の平均年齢、31歳
第1子出生時の母の平均年齢の年次推移をしめす表があります。
これは、これから子育てをする人達に大いに参考となる資料です。
なぜなら、子どもを保育園に預けたり小学校に通わせたりする時、子どもの友達の親には年上が多いか年下が多いかの目安になるからです。
今はあまり年齢関係なく付き合えるという人も増えているかもしれませんが、気になる人は気になるもの。
私自身は、平成12年に第1子を産んだ時は27歳、周りには年上が多かったので、この表を見るとなるほど、でした。
当時知っていたら参考になったと思います。
3.婚姻は減っているけど離婚も減っている
報道では、出生の前提となる数値として、婚姻数が減っていることを問題視しています。
そういう意味では確かに婚姻数は重要なのですが、一方、離婚数は減っているという情報もあります。
離婚する人が増えている、と記事で読むこともありますが、実際は、2003年以降は減少しており、いまは1985年前後の水準であることがわかります。
3.年齢階層別に見た死因は10代から30代前半まで自殺が多い
以下のグラフは、年齢階層別の死因のグラフですが、年齢の低い層で目立つ赤の斜線は自殺です。
若者の死因は自殺が多い、と聞くことがありますが、グラフで見るとそれがかなりのインパクトだということがわかります。
悩める若者たちに何ができるのか。
その域を脱した年齢層のものは、考えていく必要があると思います。