働く人は増えている、失業者も増えている、でも辞める理由は自己都合〜総務省「労働力調査」
今回は、総務省の「労働力調査」4月集計結果をみてみます。
「労働力調査」は、いまの日本の労働人口を把握するうえで、重要な月次の調査です。
ポイントは、タイトルに記したとおり、働く人は増えている一方で失業者も増えていること、ただし、その失業者は自己都合退社が多いというところです。
まずは就業者数をチェック。
6750万人は、前年同月に比べ9万人の増加。
増加は21か月連続となります。
つぎに、失業者数。
193万人と、前年同月に比べ3万人増加しており、2か月ぶりの増加です。
これをグラフ化すると、こうなります。
棒グラフが、前年の同じ月との人数の差です。
ゼロより上の場合はその数だけ増えている、下の場合はその数だけ減っていることになります。
就業者は前年と比べ、2022年8月から21ヶ月連続ずっと増え続けていることがひと目でわかります。
また、失業者も、前年より減少で推移していたのが、2023年3月あたりから、ゼロ付近をうろつくグラフになっています。
転機となっている2023年3月の資料にはこのように記されています。
・「勤め先や事業の都合による離職」は27万人、前年同月に比べ1万人の減少
・「自発的な離職(自己都合)」は80万人と、前年同月に比べ12万人の増加
つまり、失業者が増えたのは、解雇や倒産などの会社都合ではなく、自己都合が増えたからだというわけです。
自己都合退社が増えている一方で、就業者、働く人の数は増え続けている。
転職市場が活発になっていることが、ここからも読み取れます。
会社としては、社員が辞めない工夫も大事な一方で、仮に辞めたとしても業務がまわるようにする工夫もますます重要になってきました。
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