リゼンティーズムという新しい働くスタイル

ハフポストで、「リゼンティーズム」という新しい働き方のスタイルを示す言葉がとりあげられました。

リゼンティーズムは、従業員管理ソフトウェア会社のRotaCloudによる造語で、
「仕事の現状に不満を感じているのに、それに対して何も行動を起こさず、働き続けている状況」
を指す言葉。

もととなっているのは、プレゼンティーズムという、体調が悪くても出勤し、そのため生産性が低い状態を指す、健康経営関係でよくとりあげられる考えかたです。

presentは「存在している、そこにある」の意味。

つまり、働いていることよりも、「いる」こと、出勤していることに重きをおくことを刺します。

一方、

不良の原因が自分側にあるのがプレゼンティーズム、原因が会社側にあるのがリゼンティーズム、といったイメージかもしれません。

このリゼンティーズムは、昨年暮れに流行った「静かなる退職」(Quiet Quitting)、組織に在籍しながらも最低限の仕事のみを淡々と行い退職したかのように精神的な余裕を持って働くスタイルを指す、や、中国で流行っているという「諦め」(摆烂、バイラン・放置して腐らせる)とも似た匂いをもつ言葉です。

そういった流行りがあるからこそ出てきた造語と言えるかもしれません。

こちらもハフポストである「諦め」の記事では、静かなる退職と、諦めの違いを以下のように記しています。

「静かな退職」は、最低限の仕事はこなすがそれ以上は頑張らない、という働き方だった。「諦め」はもう一歩踏み込んで、放置すれば悪い方向に進むことを分かっていながら争うことをやめ、出世や収入向上などの上昇志向を放棄し生きていくことだ。

仕事に働きがいを感じるということを目盛りの一番左に置けば、
仕事に働きがいを感じる>静かなる退職>諦め
と言えそうです、

ではリゼンティーズムはどの位置を占めるでしょうか?

私はこう思います。

仕事に働きがいを感じる>リゼンティーズム>静かなる退職>諦め

なぜなら、リゼンティーズムには、「課題」があるから。

静かなる退職や諦めは、そうなるに至る個々人の事情が多様で、そこからの脱却ルートは、そもそも脱却が必要なのかもふくめて多種多様です。

それに対してリゼンティーズムは、会社にたいする不満がある、「こうだったらいいのに」かあります。

問題点がぼんやりとでもあれば、それを解消できれば前に一歩すすめるわけです。

その解消を諦めているのがリゼンティーズムなわけですが、問題点の解消であれば、会社のほうが聞く耳をもって動くことも可能です。

ある意味会社にとってはチャンス。

人的資本経営がピックアップされるいま、会社としてはおさえどころかもしれません。

では従業員側は?

この「リゼンティーズム」、聞いたとき、私はめちゃめちゃわかると思ってしまいました。

では、会社のどんな部分が不満なのか?
どうだったら不満ではないのか?

と言われると、はっきり言語化して説明できるまではいたってません。

そこを深掘りして言語化していくと、じつは小さくてもできることが見えるかもしれません。

まずはぼんやりしている不満をかたちにしてみるところから、はじめてみませんか?

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