新しい目標にスキなし?男女共同参画社会実現にむけて政府計画見直し
内閣府より、現在とりくまれている第5次男女共同参画基本計画が、よりスキがないように変更され、公表されました。
男女共同参画基本計画とは、男女共同参画社会基本法という法律が目標とすることを成し遂げるために、施策の基本的方向や具体的な取り組みを決めて実行していく計画のことです。
第5次、とあるとおり、平成12年の第1次から、5年ごとに次なる計画を決めて進められてきています。
第5次は令和2年に定められたので、本来は、令和7年に達成できたことを振り返って、また次の令和12年までの計画をたてるスケジュールです。
ですが今回、その実行中に変更が加えられました。
5年に1度見直しのスピード感では遅いということを、この事実が明らかにしているのではないでしょうか。
そもそも、男女共同参画社会とは、誰もが対等に扱われ、社会に参画できる社会のことです。
具体的には、企業や官公庁の意思決定層に女性が増えたり、男性が子育てに参画しやすくなったりした環境が整備された状態を指します。
これはまさに、待ったなしの少子化対策と連動するもの。
先日、育児と仕事の両立にテレワークを選択的措置義務とする予定であることが公表されましたが、今回変更のあった内容をみると、それと連動していることからもわかります。
今回の変更点はこちら。
ひとつめは、東証一部(プライム市場)上場企業役員にしめる女性の割合。
計画当初は東証一部上場、となっていたため、市場再編後の目標を設定予定とありますが、その再設定により、2022年に12%から、2025年に19%と設定されなおしました。
実績をみると、2022年7月末時点で9.1%。
数字は達成できていません。
ですが、伸び率としては無理な数字ではないかもしれません。
今回もうひとつ示されているのが、東証プライム市場企業のうち、女性の役員が登用されていない企業の割合、なんと0%!
この目標数値があわせてあることで、一部会社ががんばって人数を増やしてもだめだということがわかります。
こちらは現状どうかというと、なんと2022年7月段階で、2割の会社に女性役員がいません。
それを、再来年には0%にする!
なんともチャレンジングですが、応援したい目標です。
もうひとつの変更は、テレワーク関係の数値。
テレワーク導入企業の割合は、令和2年当時はまだコロナ禍の影響があったこともあり、設定なしでした。
それが、2025年には、2022年度の51.7%のテレワーク導入企業率を、55.2%まであげることと、地域別に数値が定められています。
また、こちらも面白いのは、セットになった目標があること。
テレワーク導入企業の割合がいくら増えても、実際にテレワークができていなければ意味がありません。
したがって、テレワーカーの割合を、2022年の22.7%から、2025年には25%、4人に1人に引き上げようというものです。
一部だけがなんとかしようと思ったり、「テレワーク導入してます!」といいながら利用させなかったり。
そんなことの起こらないよう、何としてもすすめるという気概がある数値設定ではないでしょうか。
また、5年ごとに見直しとなっているものが、年金や介護関係はじめ多いですが、それではいまの時代のスピードについていけない、ということも今回感じて人が多いのではと思います。
もっとスピードアップして、数値をこまめに確認しながら進んでいくことを楽しみに、私もできることをしていこうと思います。