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【旅雑記】ぶれない原則が、本殿工事中に今しかない光景を生む〜太宰府天満宮
九州は太宰府天満宮の本殿が、いま改修工事中なのを知ってますか?
改修工事中というと、「なんだせっかくきたのにがっかり」ということになりそうですが、太宰府天満宮のそれは、それを逆転させ、いまだけしか見られない、特別な体験にしていて驚きました。
なんと、本殿のかわりにご祈祷を行なう「仮殿」の屋根のうえで、白梅が咲いていたのです。
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この「仮殿」については、公式ホームページでこう説明されています。
3年間しか表出しない仮殿だからこそ、天神さまにもご参拝の皆様にも喜んでいただける場所にとの思いで、仮殿のデザイン・設計は、国内外で活躍する建築家であり、大阪・関西万博の会場デザインプロデューサーも務める藤本壮介氏率いる藤本壮介建築設計事務所に依頼いたしました。
道真公を慕う梅の木が一夜のうちに大宰府まで飛んできた飛梅伝説から着想を得て、鎮守の杜の豊かな自然が御本殿前に飛翔し、仮殿としての佇まいをつくり上げることがコンセプトとなっております。
通常ですと、参道をすすんでいくと本殿が立派なたたずまいで待ち受けていて、その威厳を感じるものですが、これは逆の経験でした。
本殿に向かって足を踏み入れた瞬間、見上げた先に飛び込んでくるのは木々の緑と、咲く白梅。
なぜそれらの緑が自分の目線より上にひろがっているのか、一瞬、異次元にきたような感覚にとらわれます。
そうして目を下に向けてはじめて、そこに社殿があることがわかります。
社殿そのものは黒で、飾り気のないシンプルなつくり。
社殿よりも緑が主役だということがそのたたずまいから伝わり、梅の咲くこの時期は、まさに白梅が主役となっていました。
仮殿の後ろには覆いに囲われた本殿がひっそりとありました。
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今回太宰府天満宮に行きたい!と思ったのは、コテンラジオで、宮司の西高辻さんのお話をきき、そのお話をふまえて、実際に見てみたくなったから。
「変わる時代と変わらぬ信仰」とあるように、西高辻さんはこの番組で、千年続く歴史を背負った立場として、この変化の激しい時代にどう変わってどう変わらないかを語ってくださっています。
その判断の源となるのは、菅原道真公ならどうお考えになるか、と考えること。
このぶれない軸を、今回の「伝統を引き継ぎながら未来へと繋がる仮殿デザイン」にも感じます。
本殿の改修工事中、参詣する人々をがっかりさせないどころか、新しい気づきを与え、時の流れを感じてもらうか。
あたらめて、本物の伝統のすごみを感じました。
立春の今日はちょうど飛梅も見頃。
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とてもよい参詣になりました。