診療報酬点数の豆知識。1点=10円は健康保険、労災保険はどうなる?note707日目
一般的なサービスでは、この内容ならばお値段はいくら、と決まっているものですよね。
たとえば、エアコンを掃除してもらう場合は、一台◯◯円とあらかじめ金額を確認してから、申し込むものです。
お掃除の当日に、「もしよかったら、水周りの掃除も追加でできますけど」と言われたら、「いくらですか?」と確認してから決めるものだと思います。
それが当然。
ですが、そういった当然のことが、実は医療では行われておらず、それを私たちも当然と思っている…。
それはやばくないですか?
そんなことを、木下斉さんがVoicyの「ヤバいよ病院」のシリーズで明らかにしてくださっています。
今回はそこからまた一歩進んだお話を。
私も今日学んだことを、この場を借りて復習させてください。
日本の医療機関での診療は、ひとつひとつの医療行為ごとにその「点数」を厚生労働大臣が細かく決めています。
日本医師会の説明には、こうあります。
ここでは「1点=10円」と当たり前のように書かれていますが、実はこの「1点=10円」というのは、健康保険証を出して医療機関を受診した場合の計算です。
それ以外の場合は、1点あたり12円だったり、20円や30円にもなることを、ご存じですか?
実は、労災保険、会社でお仕事中にお仕事が原因のけがや病気をして医療機関にかかる時は、1点あたり12円と定められています。
つまり、健康保険で医療機関にかかるよりも、もっと高い医療費になるわけです。
これが、自動車による対人事故で、自賠責(自動車賠償責任保険)による場合は、さらに高くなります。
1点あたりいくらにするか、自賠責の場合は自由診療となり、医療機関が決めていいことになっています。
なので、1点あたり20円、30円という場合もあるのです。
つまり、同じ診療報酬100点の診療を受けても以下のように違うことになります。
健康保険 1000円
労災保険 1200円
自賠責 2000円 (1点20円の場合)
ふつうに病気やけがをして受けたときよりも、会社に責任があるものだったり、自動車事故だったりすると、より高い医療費になるわけですね。
私たち自身が支払うものはほとんどが健康保険なので、つい1点10円と計算してしまいますが、制度によって変えることで医療機関への報酬も変わるのだということは、知っておくとよいことと思い、紹介しました。