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[見た映画2021-008]クーリエ

東西冷戦下の実話をもとにした映画。
"I'm just a salesman"と言う一般のビジネスマンなのにイギリスのスパイとなった、電気技師のグレヴィル・ウィンと、ソ連側の協力者との交流と運命を描く。
スパイ・スリラー、という分類が言い得て妙。

▽公式URL
https://www.courier-movie.jp/

▽関連記事
『クーリエ:最高機密の運び屋』監督に訊く、歴史のウラ解説【インタビュー】
ネタバレに配慮して終盤シーンのインタビューは別ページに掲載。
観終わったらぜひ読んでいただきたい!
https://news.yahoo.co.jp/articles/3bc8d8dfff8cf6661790503ef38ea688c0c94167?page=1

原題「The Courier」、2020年
製作国:イギリス
ジャンル:スパイ・スリラー
上映時間:112分

[こんな人におすすめ]
・近現代の世界史が好きな人
・どんな時代でもどんな状況でも、人の想いこそ大切だと思う人
・国境やしがらみを超えた人と人とのつながりが好きな人
・ひたひたと迫るようなスリルな好きな人
・ビジネスライクなファッションが好きな人
・1960年代の時代の雰囲気や建物、ファッションに興味がある人
・タバコを吸うシーンをたくさん見たい人(ほんとにタバコのシーンが多くてうまく利用されている)

[感想]
淡々と事の進むはじまりから、だんだんとせり上がっていく緊迫度の加減のコントロールがすごい。途中、飛行機のトイレで吐くウィンがリアル。
この世界に、絶対的な正義はない。ヒーローはいないし、スパイはビジネスマンのアマチュア。
そんなひとりひとりの人間が等身大に描かれる。それぞれが最大限できることをつなげて、最悪の事態をなんとか回避しようとする彼らは、国を超えた「チーム」だと思う。

ベネディクト・カンバーバッチが圧巻。表情の真摯さが胸に刺さり、怒りはスクリーンを焼くよう。
ソ連側のペンコフスキーを演じるメラーブ・ニニッゼも国を思いながら国を裏切る複雑さが伝わってきた。
CIAのエミリーを演じるレイチェル・ブロズナハン、とってもキュート。

[好きなシーン](ネタバラシあり、注意)
・「彼をよく知ってる。彼ならぼくを助ける」と行ったウィンの言葉が確かめられるところ
・それを知ったウィンは"You did it!"と繰り返しさけぶ所
・2回めのバレエ鑑賞で、それぞれに相手が感動して心を奪われているのを観察し、心が通うところ
・緊迫した状況でのソ連入り。部屋でふたりになるや否や、ラジオをかけて盗聴対策しながらとっくみあうように耳元に口を寄せて話し合うシーン、よかった。互いの絆が伝わる。
・収監されたウィン。取り調べに耐えもどれば、それまでぼろくてもクッションのあったベッドが鉄骨むき出しになっており、汚物入れの蓋もなくなっていて、怒ってそれを投げつけるシーン。怒りが発火したようだった。
・ウィンがシャワーを浴びながら両手をあげるシーンは聖人のようだった。ショーシャンクの空にを思い出す。
・最後、走馬灯のようにペンコフスキーとの交流を思い出すシーンは目頭が…

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