所得金額調整控除という呪文のような控除、お給料高めの人は知っておこう
年末調整でおこなう計算のひとつに、所得金額調整控除という呪文のような控除があります。
これは、会社員でお給料高めの人で、お子様がいたり、または近い未来にそんなこともあるかも、という人は知っておいたほうがよい制度です。
なぜなら、マイナーな制度なので、自分がちゃんとしていないとしてもらい損ねるかもしれないから。
どんな制度かというと、国税庁のホームページには以下の通り案内されています。
対象となるのは、その年一年間の給与収入が850万円を超える、日本国内に住む人で、(1)のイ、ロ、ハにあたるひとですが、ロの23歳未満の扶養親族(子にかぎらない)がいる人がもっとも多いケースです。
この制度は、税金にしては珍しく、高収入の人にメリットがある制度となっています。
その理由はふたつ。
ひとつめは、このくらいの年収の人だと、児童手当がもらえないことがあるから。
ふたつめは、その児童手当ができたことにより、16歳未満の子については、国税である所得税での優遇が受けられなくなったから。
そのダブルパンチをやわらげるために、できた制度なのです。
そんなマイナーな制度なので、利用するためには、対象者だとわかるように「申告書」を出してね、ということになっています。
当てはまる人があまり多くない制度、もしかしたら、会社の年末調整担当者でも、そこまでチェックしていないよというところがあるかもしれません。
その場合は自分でしっかりチェックし、会社に提出して計算してもらいましょう。
通常、子を税金の扶養に入れる場合は、両親のどちらかが扶養にいれることになりますが、この制度は両親とも年収850万円を超えていれば、ふたりで使えるというのも、他の税金の制度と違うところです。
いわゆるパワーカップルと呼ばれたりする高収入夫婦の場合はふたりとも利用できるので、税金の常識にとらわれず、しっかりふたりで利用しましょう。
ただし、あてはまる子がふたり以上いたとしても、帰ってくる税金はひとり分と同じ、という点が、ちょっとさびしい要注意点です。
マイナーな制度につき、「こんな場合どうする?」ケーススタディもあまり豊富ではありませんが、のせておきます。
ちなみにこの所得金額調整控除、私は昨年は対象者となりました。
「所得金額調整控除の人はじめてみた!」ととある社労士先生に言われ、やはりマイナーなんだな、と実感しました。