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労災事故さまがわり~労働災害発生状況速報! #0035/1000

どんな労災事故が多いか?

昨日に続いて労災保険のお話。

素材は、今日発表されたばかりの「労働災害発生状況(速報)」です。

この情報は、労災保険についての手続きを行なう労働基準監督署が確認した事故にもとづいています。

説明には「対象年の1月1日から、発表前月末までに発生した災害のうち、各表の右上に記載の日付までに報告があったものを集計したもの」とあります。

つまりは、発表される数字は累計で、2月より3月、2月より4月が増えていく計算になります。

前年同月比で比べると、昨年のその時点までの発生件数と、累積で比べることができます。

なぜその月のピンポイントで見るのではなく、累積で比べるのが大事かというと、数多くの軽い事故が発生している、ということから、大事故が防げる可能性があるからではと思います。

いわゆる「ヒヤリハット」です。

ハインリッヒの法則(1:29:300、分析により導かれた労働災害の発生比率)では、1 件の重大事故のウラに、29 件の軽傷事故、300 件の無傷事故(ヒヤリハット)がある

兵庫労働局はまさにこんな資料をつくって注意を呼びかけています。

ヒヤリハット活動でリスクアセスメント

累積で比べることにより、どんな事故が増えているかの傾向がわかりやすくなります。

では、どんな事故が増えているのか?

社会保険労務士試験の勉強をされている方だったら、「労働一般常識」で、「転倒」の事故が一番多い、と学んだと思います。

確かに平成31年の4月速報値は、1位が「転倒」で、5,187人の事故が報告されています。

では、令和4年の1月~3月の数字がわかる4月速報値は、どうなっているでしょうか?

「転倒」も7,159人とやはり多いのですが、1位は「その他」10,725人です。

「その他」とは?と思い説明書きを読むと、「その他は、主として感染症による労働災害を示す分類」とあります。

感染症、つまり、コロナウイルス感染症です。

実は前月、3月速報値では、まだ転倒のほうが人数が多かったのです。

転倒 4,472 人 (前年同期比 +390 人、9.6%増加)
その他 3,961 人 ( 同 +2,450 人、262.1%増加)

3月の1ヶ月で、6,000人を超える人が「その他」の業務災害になった計算になります。

オミクロン型がどれだけ猛威を振るったかが、分かる内容ですね。


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