物件名に♭のある国〜データ処理から考える
毎年1月はおおわらわ、な、人事経理担当者は多いはず。
なぜなら、市区町村へ給与支払報告書や、税務署へ法定調書を提出する期間だからです。
提出方法は、紙かデータ(DVDなどの光ディスクかWeb送信のeLTAX)から選ぶことができますが、市区町村や国としては、紙よりデータで欲しいところですよね。
その気持ちを表すかのように、大規模な企業から、だんだんデータでの提出が義務となってきています。
令和3年(2021年)1月以後は、令和2年に100枚以上の給与所得等の源泉徴収票を税務署に出した企業についてはデータ提出が義務です。
いまどき、給与計算や年末調整を紙で行なっている会社はほぼないはず。
従業員情報があるのであれば、国から義務付けられていなくても、印刷したり紙を郵送したりするよりデータのほうが楽だなと思う企業も多いと思います。
そこでひとつハードルになるのが、特殊な漢字や記号です。
給与計算ソフトなどは、給与明細など従業員の目にふれる書類を作成する都合上、氏名や住所についてゆるめの設定をしている、つまり、なるべくいろいろな漢字や記号に対応しようとしているところが多い傾向です。
ですが、市区町村や税務署に送るデータは、そのあたりが厳しめです。
eLTAXで使用可能な文字
https://www.eltax.lta.go.jp/eltax/chuuijikou/moji/
現在、eLTAXで利用可能な文字符号化形式は「SJIS」および「UTF-8」とされています。
また、"♂", "♀", "℃", "☆", "★", "⌒", "Å", "♯", "♭", "♪"は使えません、と明記がされています。
私の知っている範囲では、№(ひとつの文字になっているもの)もそうです。
そんな記号は名前や住所にないでしょ、と思うかもしれませんが、実は、物件名に、あるのです。
マンション名の間に入ってる☆や、末尾についてる♭が。
こういった記号をeLTAXで送信しようとすると、エラーになります。
税申告ソフトを利用している場合は、そのソフトの変換表で設定し、変換することもできますが、そうでなければ自分の手で直さなければなりません。
♭はどう直す?フラット?など、余計な頭も使います。
実務担当者からすると、正直、物件名に☆や♭なんて、つけるなや!と思います。
ですが、本当にそうでしょうか?
世の中、☆や♭が大好きで、それが家の名前についてるだけで気分がアガるというひとも、いるかもしれません。
☆や♭が物件名につけられる国と、そうでない国。
話を大きくしてしまいましたが、どちらが好きかと言われれば、私は、断然つけられる国です。
ということで、国税庁や総務省の皆様には、ぜひ、スマホで表示できる文字の範囲はゆくゆくはカバーしていただければ嬉しいと思います。
物件名に♭のある国のほうが、なんとなく楽しそうですよね。