東京都の令和3年度労働災害発生状況 #0092/1000
今朝の日経の記事から、労働災害の現状をみてみます。
死亡者数は増加?
死亡者数は「3年連続で減少していたが、増加に転じ、13年以降では最多となった」というあまりよくない傾向にあります。
跳ね上がった理由は、新型コロナウイルス感染症へのり患による労働災害による死亡が増えたことです。
実際、全国版で、コロナ感染症り患による死亡者数をマイナスすると778 人。
全産業の令和2年は802人ですから、右肩下がりのグラフになるはずでした。
現在の国のプラン「第 13 次労働災害防止計画」では、死亡者数を平成 29 年と比較して、令和4年までに 15%以上減少させる(831人にする)ことが目標となっています。
どんな優れた労働災害防止計画をたてても、コロナ対策は難しかったことを考えると、一般の対策は功を奏しているといえるのではないでしょうか。
高年齢の労災事故
記事では、高齢の労働者の労災対策についても述べています。
記事の元になっているのはこの表です。
これを見るとたしかに!と思いますが、そもそも、以下のようなデータもあります。
そもそも、労働者全体で60歳以上の占める割合が多いのです。
母体が多いのですから、そこからの労災事故件数は多くなる傾向になり、それだけでは決して若い世代と比べ高年齢が労災事故を起こしやすいというわけではないと思います。
とはいえ、墜落や転倒等、高年齢になると起こるリスクが高い事故が、もっとも起きやすい労災事故となっているので(以下円グラフ参照)、体力や体調に応じた労災事故予防は必要といえそうです。