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大企業と中小企業の大きな違いのひとつは貯蓄制度〜令和6年就労条件総合調査

国は、定期的にいろいろな形で民間企業の働き方の調査をしています。

労働時間の長さや年次有給休暇の取得率などがわかるのが、毎年行なわれている就労条件総合調査です。

その最新令和6年版の結果が公表されました。

この調査には、毎年行なわれている調査と、何年かに一度行なわれる調査とがあります。

今年は、企業の貯蓄制度について、平成31年から5年ぶりに調査がなされました。

毎年だと大きくは変わらない数字も、5年間あくと変化が大きくわかります。

今回の結果はこちら。
貯蓄制度がある企業は、全体の3割強。
1,000人以上の大企業が74.8%貯蓄制度があるのに対して、30〜99人の企業では74.3%に貯蓄制度がないと、真逆の数字になっています。

この差は、平成31年調査ではこうなっています。

1,000人以上の大企業が79.7%貯蓄制度があるのに対して、30〜99人の企業では66.2%に貯蓄制度がない。

大企業のほうが制度があり、小規模になるほど制度がない傾向は同じですが、制度の減少傾向が大企業はゆるやかなのに比べると、小規模は急激に減少しています。

財形貯蓄制度も社内預金も法律で決まっている公の制度ですが、運用に非常に手間がかかります。

私自身、所属していた大規模な会社では、財形貯蓄が会社からの給付金ありのもの含め2種類あり、社内預金制度があり、ほかに、保険会社と提携している貯蓄制度があったので、フルコースでした。

ですが、これらの制度は長期雇用を前提にしているものです。

なかには、長期的には利率がよいものの、貯めはじめて3年未満だと、元本割れする可能性のある貯蓄制度もありました。

毎年入会キャンペーンもやっており、その制度専属の社員さんもいるため、会社側もなかなか大変です。

とはいえ、大企業は比較的辞める人が少ないため、まだ制度として成り立っているのかもしれません。

ですが入れ替わりが激しくなりつつある中小企業だと、制度を導入するだけ運用コストがかさみ、現実的ではないという判断になってきているのでしょう。

ですが、確定拠出年金や、職場つみたてNISAなど、うまく導入すれば会社にあまり負荷のかからない、社員の資産作りをサポートする方法はあります。

中小規模の企業はそのあたりにシフトしているところもあるかもしれません。

調査で拾いきれない部分も多くなってきているのを感じました。

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