有給取得率はうなぎのぼり、えっそんなに皆とってるの?有給取得率ってなに?〜令和5年「就労条件総合調査」結果より
厚生労働省が、令和5年「就労条件総合調査」の結果を公表しました。
この「就労条件総合調査」は、日本企業での労働時間や年次有給休暇取得の状況はじめ、何年かごとに、定年制度、退職金制度、貯蓄制度などの状況がわかる大事な国の資料です。
常用労働者 30 人以上の民営企業対象6,421 社のうち3,768 社に有効回答を得たものが、今回の数字となっています。
退職金制度については平成30年以来5年ぶりの調査となります。
今回取り上げたいのは、報道でも取り上げられている有給休暇の取得率です。
と、伸びが強調されている「有給取得率」、厚労省資料のグラフでみると、8年連続のすごさがわかります。
このうなぎのぼりっぷり!
一時期上向いていた取得率は、平成9年、消費税が5%に引き上げられたり、山一證券日産生命保険等の破たんが相次ぎ、金融システム不安が頂点に達した年から、ぐぐっと下がりました。
そのあと平成27年から安定して上向くようになり、あれよあれよと平成30年には50%越え、令和4年は60%を越えるという勢いです。
ですが、ここで、すごい!と感嘆しつつも、「有給取得率」って何を示してるの?ということを確認しておきましょう。
有給取得率は、労働者のうち有給をとった人の割合ではありません。
「有給を取得した日数の合計を、与えられた有給日数の合計で割ったもの」です。
もらえる有給休暇の日数は、以下の図のように、その人がどのくらい長い期間その会社で働いているかと、週にどのくらいの日数働いているかで変わります。
つまり、年に1回の有給付与が5日の人が、5日すべて利用したら有給取得率100%、ということです。
今回同じく公表された、有給の付与日数の平均は17.6日。
なので、有給取得日の平均が10.9日で、取得率62.1%となっているわけです。
週5日フルタイムで働いている人、しかも6.5年以上働いて、年に20日の有給をもらっている人の有給取得率は、おそらく62.1%より低いです。
私は週5日6.5年以上で有給休暇20日いただいてますが、年末年始も利用して、なんとか半分の10日取得している感じです。
私と同じく「えっ、皆そんなに有給とってるの?!」と驚いた皆様、そんな事情ですので焦らず騒がず、1日でも多く有給がとれるようにしていきましょう。