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年金の将来予測のパターンをつかんでおこう〜2024年は年金の財政検証の年

厚生労働省が発表した、将来もらえる年金の金額の試算がニュースになっています。

この試算は、厚生労働省の「社会保障審議会(年金部会)」での資料がもとになっています。

Webの記事は、やはり注目度が高い「年金の額がどうなるのか」にスポットをあてたものがほとんど。

ですが、少子化がますます深刻になっていきそうな未来、国がどうやって将来の年金の帳尻を合わせようとしているか、オプションを含め全体像を把握しておくことは、とくに現役世代は知っておくべきだと思います。

それにより、会社員として働いていくことも、ビジネスを広げていくことも、かならず何がしかの影響を受けるからです。

では、どのような未来が想定されているのか、みてみましょう。

1.計算の前提となる、人口、労働力、景気の状態

まずは、将来の年金額を計算するための基礎情報のなるのは、以下のみっつ。

人口、労働力、景気です。

人口は、出生率、平均寿命、入国超過数をもとに考えます。

労働力は、就業者数、就業率から。

景気の状態は、物価上昇率、賃金上昇率などから、高成長実現からゼロ成長までの4パターンで。

これらの数字の予測の組み合わせから、将来の年金額が算出されています。

そのパターンにより、もっとも良いケースの所得代替率(もらえる年金額を現役世代の給与と比べた割合)が56.9パーセント、もっとも良くないケースが50.4パーセントと、かなりの開きがあるという結果がでています。

人口も、労働力も、景気も、そうそう国がコントロールできるものではありません。

できればいまの少子化はないわけですから。

では、国がコントロール出来ることはなにか、というと、制度を変えることです。

制度を変えた場合の試算について、この報告ではオプションとして提示しています。

2.対策となりうるオプションにはどんなものがある?

紹介されている制度変更案は、この5つです。

1.被用者保険の拡大、年金制度に加入する人を増やす案

2.基礎年金の拠出額延長、保険料を払う期間を長くする案

3.マクロ経済スライド関係、支払う年金の金額を景気により調整する案

4.在職老齢年金制度の変更、支払う年金の金額をその人の収入により調整する案

5.標準報酬月額の上限変更、高所得者の保険料を上げる案

収入について、とる頭数を増やす、とる期間を長くする、とる単価を高くする。

支出について、払う額を減らす。

あらゆるパターンが考えられていることがわかります。

それらの制度を変更すると、試算額はこのようにかなり変わりそうです。

案のうち、1の年金制度に加入する人を増やす案がどうなるかは、人を雇う上で、必ずおさえて置くべきポイントです。

5の標準報酬月額の上限の案も、会社が支払う保険料も上がることにつながるので、注意が必要です。

2は、個人として、保険料を支払う期間が長くなるため、負担が大きくなりますし、3、4は、貰う年金額に関係します。

制度は、ある日突然変わるわけではありません。

ここにあるように、案としてはかなり前からかり、そこからじわじわ検討されて、決まっていきます。

今のうちに、この先年金についてはどんな未来のオプションがあるのか、確認しておきましょう。


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