
ソーシャルスタイル理論を取り入れるとよい本当の理由
「ソーシャルスタイル理論」をご存じですか?
ソーシャルスタイル理論とは、ひとりひとりの行動を観察して見えてくる一定の傾向を4つに類型化し、その違いを認識することにより、コミュニケーションの向上を図っていこうという考え方です。
こういった個性を見るタイプの診断は、他にもいろいろあります。
最近はやりのアルファベット4文字で表現する16タイプ性格診断テスト(MBTI)や、アメリカギャラップ社の強み発見ストレングス・ファインダー、アナライザー・サポーターなど同じく4タイプに分ける「タイプ分け™」などなど。
ですが、このソーシャルスタイル理論は、それらとは少し違う特徴があります。
それは、対象者が質問に答えていった結果でタイプが判定されるものではなく、「周りから観察してわかる特徴」が判定ベースになることです。
周りから観察してわかる特徴とは、たとえば、
話す速さはどうか、ゆっくりか速いか。
声の大きさは大きいか小さいか。
話すときに手を使うか。
視線を合わせるか合わせないか。
話すときに事実やデータをつかうか、それとも人の意見やエピソードか。
などです。
それらのポイントをもとに、
・感情を抑えるか抑えないか
・意見を主張するか主張しないか
という二軸で分類し、
1【アナリティカル】控え目で形式や論理を重視
2【ドライビング】行動が早く独立心が強い
3【エミアブル】控え目で協調的
4【エクスプレッシブ】行動が早く表現が豊かで話好き
の4タイプに分けるわけです。
こうしてタイプ分けをして、お互いのタイプを知り、相手に合わせた伝え方にするなどコミュニケーションに活かしていく、という点は、ほかの診断と同じです。
ですが、ソーシャルスタイル理論は、先ほども述べた通り「周りから観察してわかる特徴」を、判断基準にします。
「Aさんは、話すスピードはどうだろう。手ぶり身振りをつかうだろうか。声は大きいだろうか…」
などなど。
ということは、相手を観察し、相手のことを考えないとわからないわけです。
そこが、ソーシャルスタイル理論が他と違うところです。
相手を見る。相手を知ろうとする。
それこそが、関係性がよくなるための最初の一歩ではないでしょうか?
相手を理解するツールとしてのソーシャルスタイル理論には、4タイプに分かれた結果を見ることだけではなく、その判断する過程にもポイントがあるというわけです。
言うまでもなく、人はいろいろなタイプがいるため、4タイプでは分類しきれません。
それは、ほかの性格診断についても同様です。
よって、相手のタイプを知ることは諸刃の剣で、相手を理解するためのツールになるというメリットもあれば、相手をその型にあてはめてしまい見落とす部分がうまれるというデメリットもあります。
ですが、「相手を観察する」きっかけを与えるソーシャルスタイル理論は、それとはまた違う意味をもつのではないかと思います。
タイパが重視されがちな現在、「じっくり相手を見る、観察する」ことはますます難しくなってきています。
ソーシャルスタイル理論は、これからそういう意味でますます必要とされる気がします。
ソーシャルスタイル理論については、より詳しくは、以下のページをご参照ください。