見出し画像

フリーランスの人数、どう把握するか? #0179/1000

フリーランスの人が増えていると言われています。

そう聞くと、周りからの話や報道から「納得!」な感じですが、では、どうすればリアルな数字でそれを確認できるのでしょうか?

そもそも、フリーランスの方がどのくらいいるかはどうやって把握できるのでしょう。

そのためには「フリーランス」の定義もしっかり定める必要がありそうです。

いろいろ課題は多いですが、民間の調査は使用せず、あくまで国の資料からわかる範囲で確認してみたいと思います。

1.まずは労働力調査をみよう

国が行なっている会社員以外もふくめた働き方についての調査といえば「労働力調査」。

労働力調査では、雇用者以外、自営業や家族従業者の人数の推移がわかります。
2021年の調査では以下の通り。
2011年から比べると、あれれ?な結果に。減少しています。

労働力調査(基本集計)2021年(令和3年)平均結果

今年7月の調査では、
「自営業主・家族従業者数は670万人。前年同月に比べ16万人(2.3%)の減少」
となっており、横ばいの状況。https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

「労働力調査」は、全国の世帯の中から一部を統計的な方法によって無作為に抽出する標本調査です。

全国から約2,900箇所が調査地域として選ばれて、そのうち調査対象となる世帯は約40,000世帯。

各世帯には、調査員が訪問して調査票を配布・回収するしくみです。

統計のプロ中のプロ、総務省統計局が実施する調査なので、サンプルであっても実数とそれほどかけ離れているとは思えません。

ですが、増えているという実感と違うのは事実。

では、他に何か把握する手段はないのでしょうか?

2、税申告でみてみよう

ここのところ、「副業は収入300万円を越えないと事業所得として申告できない」というような切口で、話題になっている「事業所得」。

副業でも事業所得で申告する人はいるので、事業所得の申告を行なっている人数=フリーランス、とは必ずしもいえませんが、ある程度の目安にはなるはず。

国税庁では、申告されている税金の種類がわかる資料を公開しています。

その結果をみてみると、「事業所得」のうち、農業所得をのぞく「営業等所得」で「主たるもの」のみの数は・・・確かに、2020年、コロナで世界が一変してからは増えています。

2016年 約343万人
2017年 約341万人
2018年 約341万人
2019年 約338万人
2020年 約364万人

3.国としての動き

ちょうどその2020年に、経済産業省では民間が作成した「個人事業主・フリーランスの実態に関する調査 報告書」を公表しています。

https://www.meti.go.jp/meti_lib/report/2019FY/000636.pdf

また、その2020年11月25日からは「フリーランス・トラブル110番」もはじまりました。

このような動きを見ると、国も「2020年からはフリーランスが増えている」と認識しているとみて間違いなさそうです。

この110番についても、取り組みの結果をふまえ、あらたな動きが検討されています。

明日の厚生労働省「労働政策審議会雇用環境・均等分科会」でも
「フリーランスに係る取引適正化のための法制度の方向性」について」
が議題のひとつになっています。

どんなことが話し合われるのか、確認したいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?