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同額を一律に支給する通勤手当は課税(所得税がかかる)の根拠~国税庁通達の読みかた
お給料の一部として、通勤手当をもらっているひとは多いと思います。
その通勤手当は、一定の基準をみたせば(公共交通機関のみで15万円未満など)、所得税の計算対象にはなりません。
※あれ?10万円では?と思ったかた、実は平成28年に引き上げになってます。
通勤手当が非課税なのは、いってみれば仕事をするための経費だからです。
ですが、所得税の計算対象とならない通勤手当でも、社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険等)の対象にはなりますので注意ですが、これは余談。
この、所得税の計算対象ではないと、非課税とされるためには条件がいくつかありますが、そのうちのひとつが
「通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路および方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額」
であること。
これにあてはまれば、新幹線通勤でももちろん非課税です。
ですが、この「経済的かつ合理的な経路および方法」とは、当たり前のことのようで、実は厄介です。
この2023年3月からはじまったJR等の一斉値上げで、
「だれが値上げでだれが変わらないのか確認がたいへんだから、皆一律にあげられたら」
という考えが頭をよぎったひともいるのではないでしょうか。
または、在宅勤務とオフィス出社のミックスの場合、毎月出社日をもとに通勤手当の計算をするよりも、交通費の実費に過不足ないよう一律で多めに支給したほうがラク、と思うひともいるかもしれません。
ですがこの場合は、非課税にはならず、所得税の計算の対象、課税にしなければなりません。
なぜならそれは、「経済的かつ合理的な経路および方法」ではないから。
「経済的かつ合理的な経路および方法」と決めている根拠は、所得税の基本通達9-6-3です。
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「経済的かつ合理的な経路および方法」には、新幹線の運賃は含むけれど、特別車両料金はふくまない、なぜなら、特別車両料金は「経済的かつ合理的な経路および方法」ではないから、という理屈です。
一律支給は、この基準にあてはまらないから課税になります。
「従業員の交通費の実費にかかわらず、一律に支給する交通費は課税」等と書いてくれればわかりやすいのですが、「経済的かつ合理的な経路および方法」にあてはまらないから課税、というのが、通達の考えかた。
ワンクッションあるようでむずむずですが、あまり具体的にしぼりすぎると、数え切れないほどたくさんのルールを決めなければいけないので、しかたないのかもしれません。
基本的にそのひとがプラスで得たものは課税になりますので、気をつけてチェックしていきましょう。