見出し画像

女性の役員比率、まずは社外取締役から社内へ〜経団連企業調査結果

経団連から、上場企業と経団連会員企業にみる女性役員比率についての調査結果が公表されました。

政府は「第5次男女共同参画基本計画における成果目標」として、2025年の数字をこう掲げています。

期限が来年にせまった2024年現在は、どのようになっているのでしょうか?

結果は現在のところ、女性役員の割合が、プライム市場上場企業で、増えてはいるものの16.1%と、来年達成ぎりぎりなラインです。

スタンダード市場を加えるとさらに数字は低下。
プライム市場上場企業が健闘していることがみえるようです。

また、もうひとつの目標である、プライム市場の上場企業女性登用なし0%も、2024年は1.5%と、あとちょっとといったところ。

来年期限の目標に向けて、不可能な数字ではありませんが、余裕はなさそうです。

女性役員のなかでも、社外役員と、社内役員では、また大きく違いがあります。

社外役員圧倒的に多いのです。

いわゆる「生え抜き」の役員は、2%強とごく少数になっています。

社外役員はどういう人かというと、次のような人々です。

経営者、弁護士、公認会計士、金融機関、公務員、学者、税理士、その他士業。

プライム市場上場企業は、経団連会員企業と比べ、「その他士業資格」(弁護士、公認会計士、税理士をのぞく)の人数が多くなっています。

ここにどのような人が入るかというと、社会保険労務士もその一員です。

社会保険労務士は、以下の調査でもわかるとおり、女性が他士業に比べて多いのが特徴です。

社会保険労務士は人の専門家ですから、採用が厳しかったり、社員定着に課題をもつ会社にとって、社会保険労務士を経営陣に加えることは、ひとつの良い選択肢ではと思います。

それが女性であれば、国の方針に沿ったかたちにもなります。

また、開業している社会保険労務士であれば、「経営者」にも該当します。

現に、私の知り合いの先生にも、社外取締役をつとめる社労士先生がいらっしゃいます。

本当の意味での「役員比率向上」は、その内部をよく知り、覚悟をもって提言し改革できる社内役員が女性も増えていってこそ、ではないかと思います。

とはいえ、現状、入社の時点で女性が男性と肩を並べるようになったのは、まだまだ最近の話です。

入社で同数くらいが同じスタートラインに立ったとはいえ、その後の出産や育児で出世コースから外れてしまうマミートラックという現状もあります。

社内役員が、生え抜きでなくてもなれる世の中になれば別ですが、それもまだ先の話です。

社内役員となる女性は、社内への影響度合いも大きく、無理やりには増やせないという事情もあるでしょう。

それであれば、まずは「女性がいる取締役会」が当たり前になり、社内役員が肩肘はらずに参加できるようになるよう、社会保険労務士も社外役員として、できる地ならしができる機会が増えたらよいのにと思います。


いいなと思ったら応援しよう!