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乗り越えるために何かのせいにしてみる~早生まれだから遠慮がちになる?

昨年から新しい環境で仕事をしていて、
「ああ、自分、変に遠慮しているなあ」
と思うことがあります。

例えば、仕事で聞きたいことができても、聞く相手が忙しそうにしていて、急ぎの仕事ではないと、声をかけるのをためらってしまう。

相手が強い意見をもっていて、その強さと比べて自分の意見が弱いなと思うと、意見は言わずにまずはその通りにやってみようと思う。

その、まとわりつく迷いみたいなのを、少しでも払拭できたらいいなと思っています。
「ちょっといいですか?」と声をかけ、だめだったらあとにするとか。
「私もこんなのを考えてみたんですけど参考まで」と、言ってみるとか。

そもそも、このまとわりつく迷いは、どこから生まれるんだろう?と自分のなかを探った時、ふと、幼少期のことを思い出しました。

私は1月生まれ、早生まれです。
そういえば、遊ぶ時は「おまめ」のことが多かった子どもだったのです。
「おまめ」というのは、言葉に地域差があるかもしれないのですが、ようするに、鬼ごっこをやっても、鬼にする対象からは除外してくれる、弱い子保護の仕組みです。

背も体も小さく、足も遅かった私は、気がつけば「おまめ」でした。
その「おまめ」の延長で、何して遊ぶかとか、どこに行くかとかも、頭の上で決まっていて、ついていくことが多かったように思います。

その感覚と、いまのこの遠慮してしまう感じとは、何か相通じる気がするのです。

早生まれであることは、人格にそういう影響があるのだろうか?
たとえば、早生まれの人は、リーダーシップが取りにくいなんて傾向があるのだろうか?

そう思って調べてみたら、名古屋大学経済学研究科名誉教授の、加藤英明先生が、こんな論文を書かれていました。

「早生まれの損得」https://www.jstage.jst.go.jp/article/oukan/2011/0/2011_0_95/_pdf

この論文のここの部分に、「おおっ」と思いました。

これまでの多くの研究結果と異なり、企業内における昇進においては、早生まれの方が有利という結果を得た。
スポーツや青年期までの学業成績では早生まれはハンディだが、年齢を重ねると幼少期の負の体験がプラスの効果を持つのかもしれない。

早生まれには、社長も多いそうです。

「2009年の東証一部上場企業では、早生まれ社長(417人)が遅生まれ社長(347人)よりも明らかに多い。興味深いことに、最も有利なはずの遅生まれが最も少なく、7~9 月、10~12 月生まれ社長の数はそれぞれ385人、392人と、早生まれ、遅生まれの中間に位置している」
という記述もあります。

ここで、この調査から、「早生まれか遅生まれは、その人の人格形成に関係ない、偶然だ」という結論を出すことも可能だとは思います。

ですが、私はそれよりも、「年齢を重ねると幼少期の負の体験がプラスの効果を持つ」というフレーズに惹かれました。

この「負の体験」は、言ってしまえば、幼少期でなくても、早生まれ遅生まれ問題でなくても、いい。

自分がいま、「こうしたいのにこうできない」という状況にある時に、いったんそれを、その負の体験のせいにしてみたらよいのでは?と思ったのです。

「ああ、自分は小さいころおまめだったから、今、こんなふうに遠慮してしまうのかもしれない」
そう思ってみたら、どうか。
「そうだと理由がわかっているなら、もう大きいのだし(笑)、変えていこう」
と思えたのです。

正体がわからないものは、倒そうと思っても倒せません。

ですが、いったん、形を与えてみたら、それが正しいか正しくないかはさておき、気持ちとしては落ち着いて、「じゃあどうするか?」に気持ちを向けられました。

そうして、忙しそうな人に、声をかけられました!

いま、もやもやしている自分を乗り越えるために、そのもやもやをいったん何かのせいにしてみる。

終わりよければすべてよし。
ひとつの自分調整ツールとして使ってみようと思います。

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