祝 出産育児一時金が50万円に増額!それで出産は増えそう?#0260/1000

出産育児一時金が増額になるというニュースがかけめぐっています。

42万円から50万円へ、2割増の予定。

朝日新聞記事によれば、2021年度の全国平均は約46万3千円(室料差額や産科医療補償制度の掛け金を除く)ということなので、50万円になれば全国平均を上回ることになります。

https://www.asahi.com/articles/ASQD7433HQD7UTFL005.html

では、この増額により出産するひとは増えそうなのでしょうか?

直近の出産費用に関する研究を見ると、増えそうな予感がします。
(令和3年度厚生労働科学研究費補助金(成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業)「医学的適応による生殖機能維持の支援と普及に向けた総合的研究」「出産育児一時金(出産費用)に関する研究」
https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/report_pdf/202107004A-buntan5.pdf

理由は、正常分娩の金額を高いを感じている人が多いため、増額によりそこに好影響があるのではと思われるためです。

出産は、自由診療で実施されている範囲もあり、支給額検討の土台となる出産費用について実態を把握できていないという課題があるそう。

たしかに、帝王切開にならざるを得ないひともいれば(娘が逆子だった私です)、あえて選ぶひともいたり、無痛分娩を選ぶひともいたり、病院ではなく産婆さんにお願いして自宅分娩するひともいます。

このように選択が多種多様にわたるため、「実際はいくらくらい必要なのか?」がわかりにくいのが出産費用。

ですが、年々値上がりしていることは以下のグラフで確かです。

田倉 智之「出産育児一時金(出産費用)に関する研究」より

病院の料金の内訳をみても、材料費と人件費のしめる割合が多いことがわかります。

このふたつは、今まさに値上がりしている部分です。

田倉 智之「出産育児一時金(出産費用)に関する研究」より

また、そのようななかで、出産費用のなかでも「正常分娩にかかる費用が高い」と思っているひとが多いのが、以下の調査からわかります。

無痛分娩や室料差額、特別食など、オプション的な選択肢についてはそれほどの高額感はないことから、選択するひとがいちばん多い「正常分娩」の費用が課題だということです。

田倉 智之「出産育児一時金(出産費用)に関する研究」より

実際、分娩タイプ別の出産費用をみると、正常分娩は、異常分娩に比べて出産費用が高い傾向にあるのがわかります。

帝王切開などの異常分娩は、医療上必要な措置のため、健康保険が使えます。

その分もこの差に影響しているのでしょう。

田倉 智之「出産育児一時金(出産費用)に関する研究」より

正常分娩の出産費用は、都道府県によって20万円以上の差があると調査結果にもありますが、公的病院の全国平均はジャスト50万円(赤線部分)です。

田倉 智之「出産育児一時金(出産費用)に関する研究」より

このことにより、50万円への増額は金額としても妥当で、出産を後押しするはず。

と思うのですが、どうなるでしょうか?

とはいえ、この制度ひとつだけではなく、もっと子育て全般をサポートする必要がありますね。

私は昨日、ふるさと納税をして、その使用目的を「子育て」に指定しました。

ふるさと納税でも、そういった形でのサポートができるのです。

これについてはまた次回。

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