定額減税の負担感、中小企業ほど小さく〜帝国データバンク調べ
帝国データバンクが、定額減税による事務処理負担についての緊急アンケートを行ない、998社からの回答をもとに結果を公表しました。
事務処理負担は、大企業ほど大きく、小規模ほど小さくとらえていることがわかりました。
1.アンケートの結果は
2024/6/7から6/11までのアンケートなので、まだ給与計算をしておらず、あくまで「負担感」という回答も含まれていると思われます。
よって、小規模企業の負担感がある割合が少ない理由には、まだしっかり実施することに向き合えていないからだということも含まれるでしょう。
私自身、17万人弱の定額減税対象者がいる会社と、10人もいない会社とを今回両方行ない、やはり小規模のほうが負担感は少ないと感じました。
その理由は以下の通りです。
2.大企業で負担の大きいこと
①自社システムの場合は、情報のキャッチアップから設計までが必要
②母数が多いので、扶養情報の確認などの件数が多い
③いろいろな社員がおり、比較的保守的な社員も多いため、問い合わせが多く、クレームも多い
④法令遵守の観点から法令通りの対応が求められる
⑤高収入の社員がいるので、イレギュラーな対応が求められる
3.中小企業で負担の大きいこと
①扶養控除申告書などの提出書類が紙で、運用が徹底されていないケースがある
②よく制度をわからない人が給与計算や残高管理をしなければならない
ですがこのふたつは、給与計算ソフトを導入したり、外部に委託すれば解消できます。
私が利用したのはマネーフォワード給与でしたが、あらかじめ1月に確認した扶養控除申告書の情報がセットされていれば、扶養確認をボタンひとつで行うだけで、給与計算での定額減税反映まで行えるものでした。
大企業は、その規模から、定額減税対応で外部のシステムに切り替えようと思っても、導入にかなりのパワーがかかってしまいます。
4.まとめ
毎年1月給与までに行なうことになっている扶養控除申告書の回収をちゃんとやり、給与計算ソフトに反映していること。
定額減税に対応し。給与明細がウェブで見られるところまでできる給与計算ソフトを導入していること。
このふたつをクリアしていれば、定額減税による中小企業の事務負担感はあまりないのではと思われます。