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ポジティブ・メンタルヘルスと人的資本 #0047/1000
「健康」とは?
いま職場にこころが弱っている子がいる関係で、引き続き、メンタルヘルスについて、情報収集をし、考えています。
メンタルヘルスは、直訳すれば「心の健康」。
「精神保健」という言い方もあるそうです。
では、「健康」とはなんでしょう?
1947年に採択されたWHO憲章(WHOは世界保健機関、World Health Organization)の定義を知ったとき、目からウロコが落ちた気がしました。
健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)
健康とは、病気の有無ではなく、肉体的、精神的、社会的に満たされた状態にあることを言うのです。
メンタルヘルスでも、病気の原因となるストレス解消等へアプローチしていくのではなく、そもそも「健康であること」を維持しようという試みがあります。
それがポジティブ・メンタルヘルスです。
従来型のメンタルヘルスは、病気にならないようにすることや、病気になったときにどうすればよいか、と病気に焦点をあてるものでした。
それに対して、個人の成長や自己肯定感などを重視している点が、ポジティブ・メンタルヘルスの特徴です。
では、ポジティブ・メンタルヘルスとは具体的に何をすることかというと、「日本の人事部」では、「資源」に注目すること、といっています。
「個人の資源」と「仕事の資源」とがあり、自己効力感や楽観性、レジリエンスなどは個人の資源で、経営者や上司との信頼関係や成長の機会が仕事の資源です。これらの要素が豊富であるほど、ワーク・エンゲイジメントは高まります。
個人の資源と仕事の資源を充実させることが、個人の生産性や組織の成果へとつながります。やらされ感ではなく、活力を感じながら働いてもらうためにはどうすればいいのか。自社や自分に誇りを持ってもらうためにはどうすればいいのか。それらを考えて積み重ねていった先に、ポジティブ・メンタルヘルスのある組織が実現されるのです。
ただ、この「資源」という言葉には違和感を感じました。
「資源」と「資本」は見た目は似ていますが別の意味で、どちらかというと「資本」のほうがしっくりくると思ったからです。
人的資本と人的資源の違い
人的資本と人的資源については、同じ「日本の人事部」の人的資本にわかりやすい記事があります。
「資源」は企業を経営していく上で欠かせない要素のことであり、「消費」の対象で、人をコストとして考えます。
資本は、「投資」の対象となり、将来価値を増幅させるべきものです。
こう考えると、皆で心が健康でありつづけるためのポジティブ・メンタルヘルスには「人的資本」のほうがしっくりきそうです。
「人的資本」とは、日本では「伊藤レポート」等で経営戦略として有名ですが、、そもそもは、ノーベル賞を受賞した経済学者・社会学者ゲーリー・ベッカー教授が提唱した理論です。
人を資本とみなし、投資すれば必ず見返りがあるという合理的な前提に立っています。自分に投資し、生産性を高めれば、より高いベネフィットを得られるという考え方です。
と、人材のマネジメントや組織論、人的資本理論、幸福度を専門とされている小野 浩先生は解説されています。
経営理論とともに、「幸福論」とも深い関係にある考え方なのです。
「人を資本として考えて扱う」とは、具体的にどういうことなのか。
心の健康を維持していく職場づくりのひとつのヒントとして、これから深く学んでいこうと思います。