「賃上げ」に本気をみせる厚労省の政策パッケージが濃い!
昨年、厚生労働省が「こうしたい!」をまとめた「賃上げ・人材活性化・労働市場強化」雇用・労働総合政策パッケージ。
その後税制調査会で検討され、12月に閣議決定された令和5年度政府予算案を踏まえた内容に更新されました。
実現は国会で通ってからですが、閣議決定されたということでだいぶブラッシュアップされ、実現に近づいた案になっています。
どんなことが示されているのか、見てみましょう。
まず掲げられているのが、全国の最低賃金の推移です。
去年の10月、上がるだろうと予想されていた、その上がり幅を大きく超えた結果となりました。
この全国都道府県の目安の金額は、新聞でも取り上げられ多くの人が目にした一覧です。
ですが、この資料で示されている、注目すべきポイントは、最高額にたいする最低額の比率。
この比率が大きければ大きいほど、時給の高い地域と、低い地域の目安の差がひろがっているということを示す数字です。
最高額も最低額もじわじわ右肩上がりのなか、実は、その差は縮まっていることがこの資料からわかります。
東京が1000円を超え、これ以上伸びるのはなかなか難しいという状況もあります。
ですが、いろいろな事情で時給の低い地域の時給の目安が、働き手を求める動きの大きい時給の高い地域の上がり幅を超えて伸び、実際それにがんばって追いついていっているというのは、もっと知られていいことのように思います。
毎年10月に最低賃金の目安が発表されるときは、「こんなに上がって大変」という文脈で語られることが多い印象があります。
これだけたくさんの会社が賃上げがんばってきている、ということも知っておきたいものです。
今回厚生労働省が公表したパッケージには、その賃上げ対策もたくさん。
ここでも少しずつ紐解いていきます。