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「過労死」は減少?過労死ゼロに取り組む日本が世界でできること〜令和6年度過労死白書より
厚生労働省より、「過労死等防止対策白書」が公表されました。
厚生労働省では、「過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会」の実現を掲げ、過労死等防止対策に取り組んでいます。
ここでいう「過労死等」の定義は、以下の通りです。
(1)業務における過重な負荷による脳血管疾患・心臓疾患を原因とする死亡
(2)業務における強い心理的負荷による精神障害を原因とする自殺による死亡
(3)死亡には至らないが、これらの脳血管疾患・心臓疾患、精神障害
過労死「等」とあるのは、この3番を含むからです。
3番までを含む「過労死等」はトータルでは増加の流れですが、(1)(2)のみの「過労死」であれば、ここしばらくは全体的に減少しています。
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これが、過労死等への対策が功を奏しているからであれば、とてもよいことです。
ですが、私は、そのおかげよりも、人手不足になりつつある世の中の構造のほうに原因かあるのではと思っています。
その理由は、インド人の同僚がいる友人から、インドでは過労死が社会問題になっていると聞いたからです。
このように、日本でも大きく取り上げられています。
7月下旬、大手会計事務所アーンスト・アンド・ヤングで勤務していた公認会計士の女性(26歳)が入社約4カ月後に急死した。この事件をきっかけにネット上では「インドの企業のほとんどが『ブラック』だ」とするコメントがあふれ、「買い手市場の下で就業環境の改善がおぼつかない」との嘆き節が聞こえてくる(10月10日付クーリエ・ジャポン)
過労死は、「karoshi」と日本語がそのまま英語圏でも使われるほど、一般的に日本人に特有であるイメージが強かったのではと思います。
ですが、インドの様子を見ると、「過労死」を生む大きな要因のひとつは、国民性というよりも、「買い手市場」なのではないか、と思います。
過労死という事態を招いてしまうほど、辞めさせられることを恐れて仕事の負荷を避けられない状況こそが、問題なのではないでしょうか。
とはいえ、日本が、働き口より人口のほうが多い時代をくぐりぬけてきた経験のある先達であることは確かです。
日本が行なってきたような対策が他の環境で有効かはわかりませんが、何かできることがあるかもしれないと思います。
過労死対策ではなくても、人口減少に歯止めがかからずこの先の挽回も見えない日本は、当面は働き口が多い状況が続きそうです。
国の壁を超えてお互いの困り事の凸凹をあわせる機会が増えればと思いますし、私もできることがあれば協力していきたいと思っています。