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77.0%の組織で欠員補充なし、日頃からの業務の見える化が必須!

人手不足が続いています。
2024年10月の労働力調査では、完全失業者数は170万人で、前年同月に比べ  5万人の減少となっており、3か月連続減少しているという結果になっています。

そんな状況ですと、人がひとり辞めてしまうと、その後任を採用するのは大変です。

その大変さが、「欠員発生後、77.0%の組織で補充がなされていない」というパーソル総合研究所の調査結果で表現されました。

担当者の離職前に欠員補充ができたのは10%

欠員補充なしの77%のうち、そもそも欠員補充していないのが5割弱、募集しているができていないのが30%弱。

また、欠員補充できた2割強のうちでも、離職前に新たに人員を採用できたのは半数で、離職後にようやく補充できた半数といった結果になっています。

欠員補充ができていない結果、後任や上長の労働時間を見てみると、半年以内に欠員があった場合は、ない場合に比べ、労働時間が延びていたり、幸せ感が減っていたりすることがわかります。

上司の業務割り振り方法でチームに影響が

また、引き継ぎについて「上司による業務の割り振り指示の有無」を確認すると、指示がなかったのが5人に1人となっています。

個人的には、経験上、これは多いのではと思いました。
引き継ぎしているかは気にしても、実際にきちんと不足なくされているかまで、気に留める上長は多くないからです。
「指示あり」でも、「割り振っておいてよ」と言っただけの場合も含まれているかもしれません。

この調査で面白いのは、その割振り指示の内容により、引き継ぎ結果が違うことも示されていることです。

上長としていちばん簡単なのは、似たような業務をしている人への横滑りです。
この調査でも、「横滑り」がもっと多く行われていることがわかります。

ですが、横滑りだと、問題は発生しにくいものの、チームの雰囲気は悪くなるという傾向にあるようです。
「育成志向」であれば、上司による業務の巻取りは発生する可能性があるものの、チームには良い効果があるようです。
ここは、一時期は手間暇がかかって大変であっても、かけるべき箇所といえるかもしれません。

引き継ぎによりバーンアウトが起こる仕組み

引き継ぎを行なう時間が十分にとれない場合は、業務理解度が下がり、下がったことによって、バーンアウトが起こりやすい流れについても調査結果が示されています。

バーンアウトとは、過度なストレスや負荷が原因で心身のエネルギーが尽き果てた状態のこと。

バーンアウトになってしまうと、十分な休養が必要なため、休職せざるを得ないこともあります。

結果、ひとりの欠員が、複数の不在をまねくことになってしまいます。

最初から欠員補充をしないという判断でのことであれば、それは管理職の判断ミスです。
ですが、欠員補充をかけているができなかったための事態であれば、複数の欠員が出てしまうことはさらに避けるべきです。
残る社員にも危機がおよんでしまいます。

本調査では、その対策についても示してくれています。

欠員補充にかかわらず、ふだんから引き継ぎしやすい環境を作ることが大事とのこと。

具体的には、暗黙のルールが重視される「ハイコンテクスト文化」や、決定事項が上から下に降りてくるなど「トップダウン志向」の強さ、日常的な休みのとりにくさを解消すべき、ということです。

各組織の平均年齢は、だんだんあがってきているといいます。

昨年、私の属する組織でも、平均年齢が年々あがってきていることについて、課題として会議で取り上げられていました。

年齢があがるということは、退職のみならず、体調不良などによるお休みが増える可能性があるということです。

欠員が出ても、人手不足や、賃上げによるひとりあたりの給与額があがっているため、補充がなかなか難しいのは現実です。

余力のあるうちに、業務を見える化して、風通しをよくして備えていただくことが必須となってきています。

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