見出し画像

経理担当者はつらいよ、どこがつらい?の中身〜MJS税経システム研究所調査

今年6月、定額減税対応真っ最中の時期に、経理担当者362名にむけて、「中小企業の経理担当者の働き方&実務の困りごと実態調査」のWEBアンケートが実施されました。

実施者は財務・会計システムおよび経営情報サービスを開発・販売する株式会社ミロク情報サービスのシンクタンク、「MJS税経システム研究所」です。

https://www.mjs.co.jp/outline/zeikei/activities/works/assets/pdf/monthlyreport25.pdf

回答者のお勤め先は製造業、卸売業・小売業、建設業の準に多く、従業員数は200人以下が約75%、4社に1社となっています。

やはり、なのか、びっくり、なのか、人により分かれると思いますが、経理担当者の従事年数は長く、最多層が6年~10年。
30年超も約10%、10人に1人で、長年の経理担当者が多いことがわかります。

以上の資料からわかるとおり、長年従事している人が多い経理担当者は、9人以下の会社ではひとり、49人以下の会社で2~3人程度で、さらに、総務・人事業務をかけもちしている人が多いという実態があるようです。

そのうち、給与計算を実施している担当者は43.4%、ほぼ半数です。

では、その経理・人事総務兼務の担当者は、どんな実務に困っているのでしょうか?
こんな業務です。
1位:伝票の作成・帳簿の記入・仕訳入力
2位:法制度改正への対応
3位:従業員の経費精算
4位:給与計算

このうち、「法制度改正への対応」は、昨年10月にインボイスが、アンケートの6月に定額減税があったことを考えると、高いのも頷けます。

このうち、給与計算のお困りごとを会社規模で比べると、いちばん困っているのが年商20億円未満かつ経理2~3人の会社。
次に、年商20億円以上かつ経理4人以上の会社です。

これは、伝票の作成・帳簿の記入・仕訳入力も同じであることを考えると、やはり対象件数が多いのだろうことがうかがえます。

ただし、給与計算に寄せられた意見には、件数だけではない事情も垣間見えます。

・残業時間の計算ミス
・給与形態が煩雑
・税金の計算が面倒
・勤怠入力が煩雑、不十分、紙集計
このお悩みはどれも、高い専門性が求められるものです。

マルチタスクは脳に悪影響があることや、シングルタスクのほうが生産性が上がることも、こうした記事にまとめられるようになってきています。

月末に、支払いと給与計算に追われるという担当者の声は、悲鳴のようにも思います。

給与計算は、税金も複雑ですが、基本的には所得税は給与ソフトや源泉徴収税額表で計算ができ、個人住民税も市区町村からの通知をもとに設定ができます。

残業代がいくらになるか、複雑な勤怠の集計方法、社会保険料が変わるタイミング、などなどは、まだまだソフトに任せきりにできず、専門家、社会保険労務士のチェックが有効です。

皆の「働くがわくわくに」なるよう、社会保険労務士がサポ―トできる場面はまだまだありそうです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?