ただ嬉しかった


借りていた物を返すべく男友達に久しぶりに会った。
会ったと言っても
私はまだ不特定多数の人と長話は出来ないので
その旨を事前に伝え、車でその場所まで行き
借りていた物を渡して直ぐ帰るという段取りでお願いしていた。

彼は私に起こった出来事は知っている。

私を見て放った言葉は
ただ
「身体は大丈夫っすか?」のみ。

私は
「ありがとう、何とかね」と応えた。

そして
借りていた事のお礼を言って
「じゃあ、またね」と

たったそれだけの会話をして帰ろうとした時

無言で私の肩をポンポンと叩いてくれた。 

そこに言葉はない。

彼の真意はわからないけど
その思いがけないポンポンは優しく心身に響き渡った。


じーーーん‥

そのまま車に乗り込んだ。

帰り道、その優しい感触が全身を包んでくれていた。
私が望んでいたものはこれだったんだと実感した。

寡黙な30過ぎの彼のとった行動には
寡黙ながらの優しさしかなかった泣。
ありがとう。


実はこれと似た事が告別式の時にもあった。
今もそれも私の心身に刻まれている。

式中に一旦退場する場面があり
次男が手を握ってくれて涙に暮れながら薄暗がりの通路を俯き歩いている時、私の右の手を握ってくれた人、そして左肩をその時もポンポンと叩いてくれた人がいた。
その時も何とも言えない優しさを感じた。
その印象はとても深く刻まれていたから誰やったんやろうとずっと思っていた。

後日、右手を握ってくれたのは女友達だとわかった。
肩を叩いてくれた人はわからないけど
たぶん男性だろうなと思う。

友達は「もうどうしてあげたらいいかわからなくて咄嗟に握ったんや」と言ってくれた。


良かれと思った言葉は時には刃となる。
これは今回身を持って知った事。
私もきっと同じような事をしていた事があっただろう。
それゆえに
言葉じゃない優しさというものも知り得た。

私もそんな風にそっと労われる人になりたい。



昨夜、本当に久しぶりに主人の夢に見た。
クローゼットに閉まってあった私のサロペットパンツを着て片手にダイソン、片手にビニール袋を持って掃除をしながら主人の部屋から出てきた。
もう 笑わす気満々な姿。
前の時も水着姿で浮き輪をしておちょけていて
私がなんでそんな格好してるのよ!とこっちは悲壮感でいっぱいの日々を送っているから怒って聞いたら
お前が泣いてばかりいるからなお前を笑かすためやん!と言っていた。
今回はそんな言葉は無かったけど、
そうなんやろうなと思っている。


そうなんやろうけど‥


私的にはもうちょっと違う方法で
慰めてほしいんやけど‥

そっと抱きしめるとか‥さ‥

最近の私は副鼻腔炎が再発して
薬を飲まなくては右顔面が痛くなる。
今日は再発の原因を知るためにCT検査を受けに行く。
今までみたいに
大丈夫かーって言ってほしい‥

私の感情数値は
相変わらず2だ。






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