ソーダ水の香り
わたしたちをとりまく宇宙風の中に
ソーダ水の香りがするひとすじがあり
わたしたちは鼻をひくひくさせて
そのすがすがしいにおいをかいだ
わたしたちの匂いはこれね
この宇宙で
あたしとおまえの魂が
化学反応したにおいがこれね
ー雪舟えま『うさぎちゃん夜のしめしめ」ー
いつからか、夏が嫌いになった。
毎年猛暑は更新され、寝苦しい日々が続く。
思考がとまる。ダルい。出掛けることを躊躇う。ダラダラかく汗に肌がやられる。紫外線にもやられる。蚊に刺されやすいのも問題だ。
昔は、細胞が活性化するような夏が好きだったが、今は冬のキーンとした冷たい空気が恋しい。背筋が伸びるような空気感。
夏は嫌いだが、唯一匂いは好きだ。
どの季節も、その季節特有の匂いが好きなのである。
春の、生あたたかい、むせかえるような匂い
初夏の、瑞々しい緑の香り
夏は、ソーダ水の香りがする♪
晩夏の、終わりの始まりの匂い
冬は松果体がクリアになるキーンとした匂い
秋の夕暮れ時の匂いが、とてつもなくスキだ
切なくて美しい
ロックステディーの音とカレーの匂い
毎日暑すぎて、嗅覚は麻痺していたけれど、
ブルーハワイ色のクリームソーダを飲んだら、
かつて好きだった夏を思い出した。