ヘアドネーションのおはなし【巻之五 他者の視点でモノ・コトを見ること】
こんばんは!COLOURFUL WORKER(とはなんぞや?は追々…)の滝澤摩耶(たきざわまや)です(*>_<)
先週はゴールデンウィーク、とはいっても、昨年に引き続き静かなGWを過ごしました。出かけたといえば、下鴨神社へ朝9時に出かけていき、青紅葉に目を癒してもらったくらいでしょうか(^-^;)
先週は更新をお休みして1週とんでしまいましたが、4月の出来事でもう1つ伝えたいことがあって、そのお話をしようと思います。
ヘアドネーションを知っていますか?
皆さん、”ヘアドネーション”という言葉は最近芸能人の方々がちょくちょく話題にしていたりするので、耳にしたことはあるのではないでしょうか。
私が初めてその単語を知ったのは、凡そ10年前、テレビの特集で見かけたときでした。Hair(髪の毛)Donation(寄付)、言葉の通り”髪の毛を寄付する”ー髪の毛(人毛)を、先天性の脱毛症や小児がんなどで失った子どものために集めて、その髪の毛でウィッグを作って提供するという取り組みのことです。
当時、その主旨に感銘を受け、バッサリいくぞ!と決意し、10年以上通っていた美容院にやる気満々で行ったのですが「ぁ~聞いたことありますね」みたいな認知度であったため趣旨を説明して対応していただいた。
私よりも髪の毛に近い所にいる美容院の方々が、概要や方法をご存知ないのか…と当時は驚いたけど、今回この記事を書くのに調べたところ、この活動がもともとはアメリカの団体が行っていたもので、日本では2009年にNPO法人ができて周知が始まったそうです。私が知った頃がちょうど過渡期、美容院でもこの取り組みを取り上げているところが全然ない頃だったよう。どうりで、、納得。
とまぁそんな時代だったので、髪の毛を切ったはよいもののインターネットで調べてもいまいち、どの団体がいいのか?寄付できる髪の毛の基準もなんだかまちまち…?と、判断がつけられず(20㎝以上というところもあれば、25㎝、30㎝でないと…などなど)結局、せっかくドネーションを目的に切ったのにどこにも送ることができず、かといって捨てるという思い切りもできず、ただ持ち続けることに…。
そんな私に再びヘアドネーションの波が来たきっかけは、京都での美容院探し。
正直私は、京都に引っ越してからも、バッサリいくことなんてそうそうないし東京行くついでにいつもの美容院に行けばいいや、と考えてました。
だがしかしここにきてコロナ。その影響で私の計画が崩れてしまったのです(´・ω・`;)ぐむむ
いつ当たり前に行き来できるかも定かではない中、毛先もいい加減傷んでるし仕方ない、諦めて京都で美容院探すか・・・と思っていた2021年1月。
パンケーキを食べに行った二条にある町家カフェのおとなり、同じ並びに雰囲気のいい美容院があることに気づきました。
「千凛」という名前の美容院。お店の名前も雰囲気も好みだったので、何となく気になってウェブサイトで検索してみたところ、まさかの”ヘアドネーション”という文字。。
ナヌ、と思ってみていくと、そこには”30㎝以上カットする人限定プラン”。
髪はまだしばらくバッサリの予定はなかったのに、これを見た瞬間、私の髪の毛は今30㎝以上あるのか?毛先傷んでるけど寄付できる髪なのか?と、みるみるうちにドネーションモード発動!その勢いで美容室まで行って相談。
そこでわかったことは下記の通り。
<寄付できる髪の毛の条件>
・31㎝以上(30cm以下だとウィッグ加工が難しくウィッグにはなれない。染料や整髪剤などの研究用に利用される。)←知らなかった…。
・40㎝以上の長さがあるものは希少
・髪の毛のコンディションは、引っ張って切れてしまう髪の毛の傷み具合でなければ大概OK(送るときに、染めてるか、パーマ掛けてるか、等申告をする)←毛先に枝毛があって…くらいは何ら問題なかった
ギリギリ結べる長さまで切ったとして35㎝くらい提供できることがわかった。むむっ、@5㎝で希少とされる40㎝か…
1か月にだいたい1㎝伸びると仮定して…悩んだ末、私は誕生日である4月に髪を切ることに決めました。
いつも”長いですね!どのくらい伸ばしてるんですか?”と聞かれて覚えられない自分のためにも、頭皮の負担を考えても、割り切るタイミングは4月だ!
そんなわけで、4月…BEFORE&AFTERご覧あれ。バッサリ、いきました!!
結果40㎝超、無事に目標の長さを取っていただくことができました!(((o((>▽<))o)))ヤッター!しかも、ダメもとで持参した以前切った髪も一緒に送れることになり、長年気になっていたこと件も解決。
自分にとって新しい1年の始まりの日、ささやかでも良いことをするところから始められて嬉しい。
私にとって”不要なもの”が他者にとって”必要なもの”に変わる
これが、10年前に私がヘアドネーションを知ったことで気づかせて貰ったポイントです。
今でもよく「綺麗な髪だね!」と褒めていただく(遺伝子に感謝)ので自分の髪、好きです!笑 そして長い髪が好きだからなかなか切る機会がないわけですが。
そんな髪が、他人様の役に立つなどという発想はそれまでなく、髪を切ることは、ただ切るという”行為”に過ぎませんでした。
ハサミでチョキチョキ切られて地面に落ちて、ほうきで集められて捨てられていた髪の毛。それがこんな形で誰かの喜びや希望に繋がるなんて思いもしなかった。
”私”という個の主観ではなんでもないモノやコトが、他者という客観視点に変わるととても大切で必要なモノだったりコトになったりするんだ、と気づかされた貴重な瞬間。これって、髪の毛に限らず、世の中に溢れているあらゆることに当てはまるなと。
視点を変えるとこんな風にプラスに変換されたり新しいものが生まれたり…この視点を、仕事に活かすことはとても大切だなとまだ社会人になってそんなに経っていない私にとって、とても良い発見だったと今でも思います。
おわりに ー 今後何とかできたらいいのにな…と思った点 ー
美容院がヘアドネーションへの取り組みをしていることに対して、何かフィードバックがあるのかなと思ってお聞きしたらまさかの「何もない」という回答。
髪の毛の送付は、美容院が用意した送付先への書類と封筒を用いて行いました。ですが、すべて本人の情報で、本人がポストに投函しなければいけないということだそうで、そこには”美容院がどう関わったか、どう貢献したか”が可視化されないことを知りました。
美容院をしっかり巻き込んで構築したら、絶対もっと貢献できるだろうに…もったいなさすぎる。
なぜ個人で送らなければいけないのかお聞きしたら、近年、有名人の髪の毛を手に入れたりした美容院がドネーションではない目的で悪用するようなことがあったそうで、そのせいで美容院発のドネーション行為がNGになっているようです。。けしからん!(+`へ´)=3
ヘアドネーションの主旨を美容院で髪を切る前に知ることで、ただ切りに来ただけの人が寄付しよう!という気持ちになるかもしれないのに、その機会を喪失しているのは誠に勿体ない、と私は思ってます。だって、髪の毛30㎝とか40㎝まで伸ばすの、時間かかるんよ…?切るのは一瞬なのに!(;>□<)
今の私に何ができるかはまだ模索中(せいぜいここで声をあげているくらい)ですが、wayslinksのネットワークとか活かして何かもっと普及するような取り組みに繋げられないものかな、、とか考えながら…
巻之五【完】 巻之六へ続く