あらすじ 大知と杏月は大学生ながら籍を入れるほどの恋仲であったが幸福の絶頂だった筈の大知が凄惨な自殺をする。 親友の楓我は大知の死が信じられず杏月に話を聞く。だが杏月は今にも消えてしまいそうなほどに憔悴しきっていた。 杏月は好きな人が居るなら恋を実らせてと願いその後死亡する。楓我にはマリーと言う意中の相手がいた。 とまどう楓我の前に突然、大知の死について聞いてくる進歩が現れ風我もマリーも死ぬと言う。楓我は激昂し、進歩を殴りつけてしまう。 進歩は手を出したのだからある噂の真相
2024年10月31日にほとんど前情報無く配信された『Nintendo Music』。 任天堂ゲームの曲をスマホで聴けるサービスということでとりあえず入れてみたところ、このアプリがとても素晴らしい。 控えめに言って超気に入りました。 ◆曲がイイ 曲を聞くアプリなので曲が良くなければ話になりません。 ですが任天堂ゲームの曲が名曲揃いなのは既知であり、その心配は皆無です。 任天堂のゲームBGMはファミコン時代のPSG音源の頃から耳障りが良く頭に残る曲揃いです。いわゆ
このたび法事でですが帰省する運びとなり空いた時間で行ける範囲を巡りました。 クラゲに癒やされる加茂水族館、五百羅漢とかつての人面魚で賑わった善寳寺とかの極小旅行記です。 加茂水族館 言わずと知れた、クラゲで超有名な水族館です。 かつては経営危機すら迎えていましたが今は常時80種類以上のクラゲを飼育し、更に種類を増やすべくリニューアルを計画中。 今でさえ展示種類数は世界一なのに更に増やそうとするという、クラゲに捧げる情熱は色々な意味でホンモノです。 クラゲの魅力
清里の思い出 南アルプスの北側に並ぶ壮大な峰々、八ヶ岳の麓にある清里は様々な意味で有名な観光地です。 80年代に観光地として脚光を浴びタレントショップが軒を連ね、メディアが特集を組むことで更に人を呼び、一時期は原宿に並ぶほどのにぎわいで栄えました。 しかしメディアが手を引き始めた事やバブル崩壊により観光地としての清里は衰退。 解体されることもなく廃墟となったメルヘンチックで奇妙な建物は盛者必衰の理とばかりに墓標のように遺され、その侘しさが一部のマニアに受けてその筋で
◆ラプロス投薬開始から四ヶ月経過2024/09/14 前回、三ヶ月分のラプロスを処方してもらいそれがそろそろ切れる頃になりました。 なので検査と処方薬のおかわりをいただきにミドナを連れて病院へ。 この日も朝から日差しは強く、秋霖はどこへ行った? と嘆きたくなる暑さでした。 数値増なれどおおよそ安定 結果から言うと尿素窒素、クレアチニン共に数値的には上がっていました。ただ、先生が言うには体重が減っているのは気になるが数値自体は微増の範囲なので療養食とかにする程で
ラプロス投薬開始から三ヶ月経過2024/08/11 今のところ変わりなく元気に飛び回っています。 残ったクスリがおよそ一ヶ月分となったので、9月中旬くらいに経過観察のため病院に行こうと計画しています。 で、他には特に記載することが……無い。 まぁ、忘備録だから無いに越したことはないのでヨシ。 投薬について 錠剤のままで飲ませるようとすると相変わらずどこにあったんだというくらいの力で爪を立てます。 なので今は乳鉢で錠剤をすり潰して、少しの水で溶き、シリンジで
あらすじ 恋人の美菜を通り魔によって失った蓮は美菜の死に不審な点があること知る。そして蓮自身にも危害が及び、不思議な声に呼ばれて神社の社に飛び込んだその時、蓮は江戸時代に行っていた。そこでも蓮は襲われ、自分が死ねば愛するものが生き返ると聞く。間一髪で現代に戻った蓮は美菜の双子の妹である優菜にも美菜と同じ現象が現れていることを知り、優菜にまで何かがあったらと自ら時を超えた社に向かい、再び江戸時代に行く。そこで蓮は蘇生教という他人の命を得て愛する者を生き返らせる教えを知る。
第2話 「まったく……。いくら美菜さんの事があったからって、二日も家出なんて何を考えているの?」 過去で丸一日を過ごした時間の流れは今の時間と全く同じだった。 普通帰ったら数分しか過ぎていなかったとか気を利かせるものじゃないのかと思ったが、美菜のこともあって深く詮索されずに済む。 「でも、なんで着物なんか着ていたの?」 「それは……」 「着ていた洋服はどうしたの? あれってお母さんが買ってあげたシャツじゃなかった?」 「ごめん、なんか色々あって覚えてないんだ」 「散々
第3話 「夜ってこんなに明るいのか……」 街路灯一つ無い世界で想像していた夜道は漆黒の闇だ。 だが、空を見上げれば星ぼしが砂糖をぶちまけたみたいに光るし、大きな月は影ができるくらいに明るく輝いている。 「蘇生……生きかえりって意味だよな」 この前美津代って女に襲われた時の事を思い出す。あの女は俺を殺すことで夫が生き返るとか言っていた。 もしも、もしも本当に人を生き返らせる事が出来るのなら……。 そこまで考え、俺は頭を振った。 「……確かめる必要はあるよな。俺は寺
鳥巫女 それからの四日間はあっという間に過ぎ、あと30分で私たちの演目、『鳥巫女』が上演される。今、壇上の上では別のクラスのトマトの糖度別による料理の使い分けという微妙に興味深い発表会が行われている。 「かなえ、動かないで」 茉莉が私に最後のメイク中。なんちゃってな巫女服を羽織り、空気清浄機みたいに深呼吸を繰り返していると、女子たちが集まってきた。 「安芸さん、緊張してる?」 「してるよぉ。20分後には観客に笑われに登壇しなくちゃいけないんだ……」 「ええとね、私たち
主役決定 「おい、泣くなよ」 「伊勢くん!」 伊勢くんが目を覚ましていた。 「あー、なんかすげぇスッキリした気分だ。やっぱ疲れてたんだな」 「ごめん、ごめんなさい……!」 私は伊勢くんの手を取り頭をこすりつけるようにして謝る。でも伊勢くんはよせよ、と手を離してしまう。 「謝るなよ。なんだか知らないけど、お前は悪くない」 「悪いんだよ! わたしのせいで怪我したんだよ!」 「いーや、悪くない。俺がお前に頼んで、俺が自分で決めて走ったんだ。なんか操るとか言ってたけどそれこそ
友だち 「で、どうだったの?」 夕方。私と美菜はアプリさんのお店に集まっていた。 アプリさんは美菜が買ってきた色とりどりなドーナツをもぐもぐと美味しそうに、幸せそうに食べている。 私たちの前にもドーナツはあるけど、美菜は全然手を付けない。なので私も手を付けてない。 正直食べたい。 「ええと、伊勢くんはまあ、それなりに自制してくれるようになったっぽいです。目に見える目印があると違いますね」 ミサンガは一定の効果はあった。 まだ、ちょっとペースが乱れて気がそがれる
風 「あの、なんて?」 「俺、やっぱ俺より早いやつの言うことじゃないと聞けないんだ。先生だって俺より遅いからさ」 「……成長してないぃ」 私は陸上部にいた頃の伊勢くんを思い出す。 ホント、誰の言うことも聞かずにただイノシシみたいに走るだけだったけど、それは残念ながら変わってないようだ。 「しょーがねぇじゃん。でも、お前の言う事ならきっとそれなりに聞くし守れると思うんだ! お前だけなんだよ、俺より早いのはさ!」 「いや、今は……」 「あの時は早かった! だからいいんだ!
待ち合わせ 「ホントだった」 夜。 お風呂に入る前にふとアプリさんの言葉を思い出した私はスマホでまぶたを撮って驚く。 アイラインにおまじないの文字を書いた。 それくらい気持ちを込めたっていう程度の意味だと思っていた。 だけどアイラインには本当に細かい文字がみっちり書かれ、それが遠目で見ると淡いグラデーションに見えていた。 「一つ一つの文字に意味が込められた文字かぁ」 スマホのカメラじゃ文字はぼんやりとしか映らなくて、一文字一文字はよく分からない。 お父さんの
弟子ポイント 「大丈夫?」 「えっ?」 意識が飛んだみたいに見とれていた。 若狭さんが少し心配そうに私の顔を覗き込む。 「だ、大丈夫。うん」 「見惚れるのはいいけど気を失ったりしないでよ」 「しないから」 改めてアプリさんを見ると、さっきまでの神秘的な光景はどこへやら。 鳥と戯れているのか襲われているのか良く分からない鳥まみれっぷりで奇声をあげている。 「あきゃきゃきゃ! ぷぷ……。はいはい、オウムくんじゃないよ。探しているのはセキセイインコのぴーちゃんだよ。こら
ソノキスタンプ 「そこまで言われちゃしょうがない。まずはさわりを教えてしんぜよう」 化粧道具たちは顔もないのじーっと私を見ている。 眼のない視線を熱いくらいに感じ、悲鳴のようなあくびのような、とにかく変な声が漏れた。 「あ、あの、け、化粧道具がこっち見てるんですけど?」 「んー? 魔法魔法。魔女の弟子が何を驚いているのさ」 「魔女? 弟子ぃ?!」 その言葉に化粧道具が一斉にうんうん、と頷いた。 ──……ああ、これは多分、きっとおそらく、いわゆる占い魔女としての商売