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STILL ALIVE 国際芸術祭 「あいち2022」

10月10日まで、愛知県の4ヶ所のエリアで開催中の「あいち2022」。世界32の国と地域、五大陸から100のアーティストが参加する国際芸術祭です。

場所とアーティスト数の内訳はこちら

①60アーティストの参加する 
愛知芸術文化センター
②10展示場所 19アーティストの参加する
一宮市
③6展示場所 12アーティストの参加する
常滑市
④12展示場所 9アーティストの参加する
有松地区

私は①と②の2展示場所を巡ったので、62アーティストの作品を鑑賞してきました。

名古屋駅から出発して、約4時間ほどで回った流れと印象に残った作品をお届けします。

1.一宮市

最初に向かったのは②の一宮市。
塩田千春さんの作品が展示されている「のこぎりニ」という場所を目掛けました。名鉄名古屋駅から名鉄一宮駅にて、特急で16分です。

一宮駅を降りると、国際芸術祭用のバス停の案内があり、スムーズに到着。

篭屋で降ります。
目の前に案内板が
のこぎり屋根の工場の中で展示が行われています
いざ、お見えの瞬間、!

早速入ると、チケットを買っていないことに気付きました。(笑)ですが、各会場でもチケットが売られていたので、セーフ….。総合窓口的なところしか買えなかった場合は、もう終了のところでした….(^^;;

1DAYパス(¥1,800)を一度購入すればどの会場も自由に出入りできます

入った瞬間、目の前には写真でたくさん観た赤い糸が!!
あまりに素敵な方が目の前で鑑賞されていたのでパシャリ

入口と出口にトンネルの穴が二つあり、ドーナッツの一部をぐるっと回るイメージです。

上を見上げると赤い糸にいろんなものが絡まっています

毛織物産業を象徴する一宮市の「のこぎり屋根工場」の風景。現在は使われていないとのことで、スタジオやギャラリーとして生まれ変わった施設「のこぎりニ」として親しまれています。その空間を塩田千春さんの新作で埋め尽くし、「糸をたどって」(2022)が生まれました。

赤は人と人を繋ぐ運命の糸、血縁、あるいは毛細血管などを連想させます。われわれはどこから来て、どこへ行くのか、生と死の境界はどこにあるのか。といった根本的な問いに初期から取り組み、そこには見えない「不在の中の存在」を表現されています。

毛織物機から勢いよく広がる赤い蜘蛛の糸のような世界
工場裏にも作品の数々が
廃材を活用した恐竜の作品もありました

見応えたっぷりですので、塩田千春さんの作品と工場全体がアート空間に生まれ変わった「のこぎりニ」はぜひご覧いただきたいです。

帰りも、篭屋からバスへ乗り一宮市へ戻ります。

続いて向かった先は、奈良美智さんの作品が鑑賞できる「オリナス一宮」へ。一宮駅から徒歩9分の場所にありました。

旧名古屋銀行 一宮支店を改装した場所です。
入口を入ると、こちらの作品が小さな窓から鑑賞できます

奈良美智さんの作品といえば、少女が力強い大人の目をしていること。今回メイン作品の二つは共通して目を閉じていましたが、祈りや平和を願うものとして描かれていました。

そのまま進むと、メインの作品が並ぶ空間へ

《Miss moonlight》(2020)
画像では伝わらない、幻想的で引き込まれる作品です

慈愛と祈りを捧げているように見える「月光の少女」。髪の毛の色にも注目です。実際に見るとじんわりとした柔らかい光が見えます。

そして、同じ空間にはMiss moonlightを囲むように作品の数々が並んでいました。

WP1(2022)
封筒の裏に描かれた作品の数々
段ボールの裏にかかれた近作シリーズは、反核や反戦への
メッセージが込められていました。


最終地では、一番初めに入り口で見た作品の全体像が見られます。

《Fountain of life》(2021/2022)
よく見ると涙を流しています

世界の平和を願う奈良さんの作品が、さまざまな表現で見られますので、オリナス一宮の会場もぜひご覧いただけたらと思います。

2.愛知芸術文化センター

名鉄一宮駅から名鉄名古屋駅に戻り、愛知芸術文化センターへ向かいます。

栄駅が最寄りでしたので、名古屋駅から地下鉄東山線に乗って5分。

オアシス21のところにあると初めて知りました!
左手には、テレビ塔が見えます。
早速入ります、!

10階・8階・地下2階が展示会場でしたので、上から順にまわりました。

大泉和文さんの作品
受付前のこのスケルトンな橋を渡るところから
始まりました。


中に入ると、インスタで見かけていた、ローマン・オーダックの作品が登場。

切り株が途中までしかかかっていないことと、年輪を黒枠で囲んだ位置が違うことと、それぞれ英語で書かれたメッセージ。

これがどんな意味をもたらすのか…

先に説明を読まずにまずは鑑賞するのがマイルール。

英語で書かれた文字は、出来事を表していました。読んで行くと歴史的出来事の数々。年輪の輪を眺めると上の段は小さくて、下の段ほど大きくなっています。

もうすぐでわかりそう..!

年輪を横に見ていくと、時系列で円が少しずつ大きくなっていくのと歴史の流れも左から右の流れだったので、出来事のカレンダーのように見えました。最後にわからなかったのは、なぜ途中で展示が終わっているのか。

ここでようやく、解説を読みます。

なんと、毎日一つずつ床に設置された切り株のピースを追加しているらしいです。10/10の最終日に全部並ぶんだとか。

行った日によって見られる作品の状態が違うこの展示方法は、そういえば、六本木のYKG galleryで学んだばかりでした。

一つずつ読み解けていくとアートを鑑賞する楽しさが生まれますよね。

この会場は、全60アーティストさんの作品が並ぶので全てをじっくりは観ていないですが、気になった数々を載せていきます。

画像をみながら、こんなことがいいたいのかな…?

と、考えていただけたりしたら面白いかもしれません。

和合亮一
パブロ・ダヴィラ《転移の調和》
《フェーズ・ペインティング》
ようやく、10階の展示のラストでした!


立ち止まって考えて、また観ての繰り返しはかなり頭を使い、観てるだけでも疲弊します。
同時にかなり会場が広くて展示も大きいので、もはやアート鑑賞はスポーツに近いです。

10階の入り口で一番初めに観た橋の作品が、
ちょうど動いていました。

続いて、8階へ

小寺良和《バクダン》
バイロン・キム《サンデー・ペインティング》
アブドゥライ・コナテ《祖国の子供たちのための凧》


8階のラストは、月のゾーン。
こちらの会場で一番楽しみにしていた作品の数々が並びます。

ローリーアンダーソン&黄心健
To The Moon
ここから先はVR体験ができます(予約必須)

こちら口コミではかなり精度が高いみたいで、体感したかったのですが、予約制で既に埋まっていました。気になる方はぜひ予約して体験してきてくださいね。当日空いていれば、予約なしでも体験できるらしいです。

続いて、もう一つの月の作品。

渡辺篤《ここに居ない人の灯り》(2021)

渡辺篤さんの作品は「アイムヒアプロジェクト」という社会の中で生きづらさを抱える人々、孤独や孤立のある人々との協働制作を行うプラットフォームの中で生まれた作品です。

《Your moon》(2021)

緊急事態宣言の直後に「孤立感を感じていること」という条件で集まった人々が、渡辺さんから送付されたスマホ用の小型望遠鏡を使って撮影した作品も素敵でした。

アートを通して、人々のつながりや生きがいを生み出す作品の数々は、とてつもないエネルギーを感じました。

最後に、地下2階へ。

縄(愛知県芸チーム initiated by 奈良美智)

最後に見た作品は、周りの映像では名古屋に関わりのある歴史上の人物についてのお話が繰り広げられており、箱の中に埋め込まれた写真や映像でもそれぞれ何かを伝えられていたのですが…

この時はもう体力の限界で読み解くまでに退散しました..(完全に力尽きてますw)

行かれた方はぜひ、私の代わりに鑑賞してきていただけるとありがたいです..!

12時からスタートして、17時前。この間は休憩ゼロ。何も食べずに移動と鑑賞を続けてなんとか観たかった作品を全て回ることができました。

社会とのつながりや平和の祈りを込めた作品が多くとても学びの多い時間になりました。

気になる方は、10/10までに是非愛知県へ足を運んでみてください。


艸谷真由

▶︎全国散歩達成まで残り15都道府県。本物に出会う旅の様子はインスタグラム @may_ugram にて


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