週刊めいろま Vol.169 イギリスの寄付の仕組み /Gift Aidで税金が控除/寄付は節税対策/非営利団体の寄付集めは強引/スコットランドヤードの語源/ニュースクリップ/オススメ本 (2017年4月6日号)
Vol 169
目次
1.イギリスの寄付の仕組み
2. 今週の気になるニュース
3. オススメ本
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1. イギリスの寄付の仕組み
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先週のメルマガでは、メトロポリタン警察連合(The Metropolitan Police Federation)が、今回のテロで亡くなった警察官であるキース・パーマー(Keith Palmer)さんの家族へのお見舞金をクラウドファンディングで募集したというトピックをご紹介しましたが、寄付はまだ募集しています。
これまでに3万人あまりから約1億300万円が集まりました。
しかし、使用された寄付用クラウドファンディングサイトのJustGivingが手数料として5%にあたる£30,000(420万円)を徴収することが大変な批判にさらされています
こういう事件があると、すぐに被害者やその家族にお金を集めましょうという運動が始まり、かなりの金額が集まる所がイギリスらしいところです。アメリカやカナダでも同じように寄付金を集めることが多いです。
また会社や近所で何か事件があると、寄付をしましょうと活動を始める人が大勢います。職場でも何々のために寄付を集めているので協力して下さい、というメールが回ってくることがあります。寄付をする機会もしたいという人も多いので、JustGivingのようなサイトが大盛況です。
JustGivingの創業者は、元弁護士で金融業界にいたZarine氏と、医師のAnne-Marie Huby氏で、元々国境なき医師団で働いていました。
このサイトの面白いところは、お葬式の費用から誰かの誕生会の費用まで、様々なお金を集める機会に活用されていることです。
最近はお葬式の費用のクラウドファンディングも盛んで、2016年は一年で2000件の利用がありました。イギリスはお香典という習慣がないので、お葬式の費用は自費です。しかし平均で50万円ぐらいかかるので、互助会やお葬式保険に入っている人もいますし、費用を前払いする人もいます。
しかし自治体が費用を負担してくれるのは、身寄りがない場合や、亡くなった人が不動産を持っていない場合、亡くなった人が障害者手当など各種福祉を受けている場合に限られるので、多くの人は費用を自費で負担する必要があります。
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