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パン売り少女、五月。


 親から経済的に完全独立して、1ヶ月が経過した。独立とはいえ、まだまだ自立はできていない。というか、彼氏や親代わり的存在のお客様がいないと、私の生活は1日も成り立たない状態である。

 「さつきならできる、俺が手伝う。」


 という彼の一言でなんとか生きていける勇気を得て、日本に残って、様々な夢を追いかけることを決意したものの、実際の生活は上手くはいかない。息をしているだけで、お金は無くなっていくし、これからどう動いていけばいいのか、正直自分でも分かっていない。ストレスで免疫力が日々落ちていくことが、自分でも感じられるくらい、身体も弱っている。実家に帰っていたら、こんな苦労することもなかったのに、、。とか、私のために、お金を費やしてくれる彼氏を見ていると、皆んなのために、就職した方がよかったのかな、、。と思うことだってある。

 しかし、一度きりの人生だし、苦労するなら今しかない!今チャレンジしなかったら、将来絶対後悔する!と自己洗脳しながら、毎日を生きている。うん、きっと大丈夫。(この文章を書いている今この瞬間も、リアルタイムで自己洗脳している)

 今の目標は、月収20万。20万あったら、家賃も出せて、貯金だってできる。来年の3月まで50万円貯めたい。その第一歩として、近所のパン屋でアルバイトを始めたのだ。時給は大して高くないし、20万とか絶対無理に決まっているけど、まず収入を得ることが大事だと思っている。(今月中には新しい仕事をもう一つ始めたい。)

 私は先月から「パン売り少女」になったのだ。

 「パン売り少女、五月の1日」

 出勤は11時。パン屋にしては、オープン時間が遅い。徒歩3分の距離にあるので、10時45分までは家にいることができる。最近は眠りが浅いので、8時頃には目が覚めてしまう。大体家を出る10分前から、支度をしている。

 店に出勤して、一番最初にやるのはパンの詰め作業。本店から毎朝送られてくるパンに、チーズや餡子、ツナなどを詰める(サンドイッチやホットドッグを作ったりもする)。詰め作業をする際は、絞り袋を使うのだが、私は人生で一度も絞り袋というものを使ったことがなかったし、手先が不器用すぎるので、仕上がりが汚すぎるのだ。

 昔の自分だったら、「やっぱり私と合わない仕事なんだなー」と思い、早い段階から諦めていたかもしれない。しかし、今の私は切実だ。1日でも早く仕事に慣れて、時給の低い研修期間を1日でも早く終わらせたいと必死になっている。家に帰ったあとも、寝る前に指摘されたことを思い出して、忘れないようにしている。23年もメモする習慣無しで生きてきた私が、家に帰ってメモをしている。そう考えると、私そこそこ頑張って生きてるのかも(ドヤ)。

 キッチンの作業は、新入りの私にはできない作業が沢山あるので、今はレジを任せられることが多い。ここは水商売じゃないから、あまり馴れ馴れしく接しないようにしよう。と心がけてはいるのだが、バルでの習慣が抜けず、お会計中についくだらない冗談を言ってしまうこともある。

 仕事が終わるのは、大体16時頃。売れ残りのパンを持ち、家に帰る。朝は元々食べる習慣がないし、昼休憩もないので、気づいたら平日は夕方に食べる売れ残りのパン一食のみになっていた。節約にはなるけど、健康は急速に悪化していた。

 しかし、私は「食」だけに関しては、超強運の持ち主。そろそろパンは飽きたなーと思っていたところ、新米10kgをアルバイト先のお客様に頂いたのだ。これで今年の冬はなんとか生き延びれそう。

 今週の目標は、健康を取り戻すこと。健康なものを作って、食べよう。

 あー雑な終わり方だな。

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