出会いは必ずつながる(青山美智子『月曜日の抹茶カフェ』(宝島社、2021)* 70

このことばは、著者の青山美智子さんが描く物語の本質を表しているような気がして…

「人でも物でも、一度でも出会ったらご縁があったってことだ。縁っていうのはさ、種みたいなもんなんだよ。 小さくても地味でも、育っていくとあでやかな花が咲いたりうまい実がなったりするんだ。種のときは想像もつかないような」
私は手に入らなかったジャケットを思い出し、切り返した。
「でも、せっかく出会っても一回きりで、育たないで終わっちゃうことだってあるじゃないですか」
「それは縁がなかったんじゃなくて、一回会えたっていう縁なんだ。ひまわりの種を食べるみたいにね。それはちゃんと身になってるし、食べたっていう経験が何かしらの形で次に繋がるかもしれないだろ」

青山美智子『月曜日の抹茶カフェ』

ほんとかなって思うかもしれないけど、青山さんの紡ぎだす物語を読んでいると、どんどん確信に変わってきます。自分の周りにもきっとあるはずって思えるようになります。一回きりかもしれないから、まあいいやっていう考えはやめることにしました。

ちなみに、私は、『木曜日にはココアを』(2019) →『いつもの木曜日』(2022) →『月曜日の抹茶カフェ』(2021) の順で読みました。

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