"平等"に接してほしいと願う気持ち(「silent 」第5話, TVer +「『silent』恋と青いハンドバッグ、奈々の叶わない夢に涙が止まらない」)*37

ドラマ「silent 」第5話も考えさせられることばかりでした。頭の中で、収集がつかなくなってきているので、この投稿でまとめさせてもらいました。



まずは、「聴覚障がい(者)について知らなかったこと」
・自転車に乗っていると(警察から)補聴器をイヤホンと間違えられて注意されることもあること
・補聴器をつけていても聞こえないこともあること
・ハンドバッグを持つと手話ができないから、持たないという選択をしている人がいること



奈々が想に友達ができるようにと、友達のろう者を呼んでカフェで一緒に話そうとするが、そこから去った想と追いかけた奈々が話す場面。

きっと想は、「まだ聞こえる聴者だから、ろう者とは違う」って思ったのもあるけど、"聞こえない"で結束している、ろう者の中に「まだかすかに聞こえる」自分が居てはいけないと周りに引け目を感じた部分があったのではないかなと思いました。聴者の友達とも、ろう者とも距離を置く想の気持ちに胸が締め付けられました。


奈々が紬とカフェに行く場面。

聞こえない奈々の注文もした紬。紬にとっては、特別な意味はなかったと思う。その時、奈々は想の好きな人である紬が"いい子"なんだと身に染みて感じた。同時に、奈々はざわざわする。

聴者といると、自動的に自分はケアされる側になる。注文なんてメニュー表があれば自分でもできるのに、どうして自分をできない扱いするんだろう、と。そして、そんなただの親切心にさえ引け目を感じる自分が嫌で嫌でたまらなくなる。

TVer +「『silent』恋と青いハンドバッグ、奈々の叶わない夢に涙が止まらない」

聴者からすると「代わりに注文する」のは配慮だと思ってするのですが、ろう者の奈々は、その配慮を気持ちのよく受け取れない。奈々を演じる夏帆さんの表情から、むしろ、「平等」に接して欲しいと願っているようにも感じられました。自分は優しさだと思ってすることが、相手にとっては優しさにはならないこともある。どちらが正しいとか間違っているとかではないからこそ、複雑で難しくて、いろんな人の気持ちが痛いほど伝わってきました。

第4話では、聴者の手話講師の春野正輝(風間俊介)が

特別扱いはもちろん違うし
ただ平等に接することが正解だとも思わないんです

「silent」第4話

と話していたことを思い出しました。まさに、想像力が大切で、いろんな受け取り方をする人がいるということを教えてくれるこのドラマに出会えてよかったと思います。

TVer +「『silent』恋と青いハンドバッグ、奈々の叶わない夢に涙が止まらない」[https://plus.tver.jp/news/127798/detail/?mode=deeplink](最終閲覧日: 2022年11月13日)


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