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ぞぴに狂った女のFF14黄金のレガシー7.0メインストーリー感想

今までふせったーに感想を書いてたけど、画像も貼れるし長文を書くならnoteの方が見やすくて良いんじゃないか?ということでメインクエスト完走後の感想はこっちに投稿することにしたよ。
前回ふせったーで書いた99討滅後の感想文で、書きたいことは基本書いたからもうそんなに書くことはないと思っていたけど、クリアしてから出てきた感想とか疑問とかを色々書いてたらまた長くなっちゃったな……
自分用の備忘録でもあるから引用が多めで読みづらいかも。
あと、7.0までのメインクエストとサブクエスト、暗黒騎士ジョブクエストのネタバレがあるので注意してね。
なお7.0のロールクエとワチュメキはまだ未着手の状態で感想を書いているので、そっちの情報が足りずに何か抜けとかあったらごめんね。
そしてタイトルでお察しの通り、内容は基本的にぞぴの話だよ。


99討滅後感想 ゾラージャという孤独な男の話
前回の感想文がこれ ↓
投稿したのが8/15だからもう2ヶ月前だ……書くのが遅すぎるね……
こっちも長めなんだけど時間のあるときにでも読んでくれると嬉しいです。
一応は読まなくても大丈夫なようにここからの引用を多めにとってはいるけど、ここで書いた私の考えを発展させたものが今回の感想文なので、目を通してもらった方がより分かりやすいかと思います。


前回はゾラージャ戦の後、天深きセノーテに現地集合な!と言われたところまでの感想を書いたから、今回はリビングメモリー以降の感想だね。
リリースから随分経っていたから、このあたりは感想をつぶやきながら進めていたのもあって、結構Xと同じようなことを書いちゃうけど、許してね。


ぞぴに足りなかったもの

リビングメモリーでの物語は、ぞぴが得られなかったもの、ぞぴに必要だったもの、そんなお話でもあるんだなと思って進めていたよ。
99討滅で推しを殺したショックからガチでメインストーリーを進められずにいたところを、ようやく立ち直ってプレイ再開だ!と歩み始めた私への追い討ちの連続展開だったね……

隣を歩いてくれる仲間

大丈夫、あなたが進む路は間違ってない。
あなたが護りたいものを、私たちもここで護るから……
だから、いってらっしゃい!

アリゼー

これから黄金郷へ乗り込もう!と、リビングメモリーに突入すらしていない段階で、早速アリゼーに泣かされてしまったね……
迷い続け、進む路を誤り、追い詰められたぞぴの最期を見届けたあとだっていうのに、このセリフはずるい……
スフェーンの目的を止める……すなわち永久人たちの未来を奪うことになるかもしれないという路を選んだヒカセンたち。
でもアリゼーはそんなヒカセンの選択した路を「間違っていない」と背中を押して、扉の先へと送り出してくれたんだよ。
他の仲間たちも、みんなヒカセンを護るためにここでサポートに回ると言ってくれた。
この扉の先に何があるのか、みんなも知りたいはずなのにね。
仲間がいつも隣を歩いてくれるから、そんな仲間に頼ることが出来るから、ヒカセンはこれからも路の先へ進んでいける……
そう、たとえ宇宙の果てにだって冒険出来るんだ。
……でもぞぴは、仲間も、友も持たなかった。
誰一人として、頼ることの出来る人がいなかったんだ……

民への愛と、民からの愛

どうか、アレクサンドリア王の力になってやってほしい。
大戦後のスフェーン様は、殺しても殺しきれぬ悲しみに、
いつもお顔を曇らせていた……。
現在のアレクサンドリア王がどういった方かは存じ上げぬが、
今度こそ王が笑えるように……どうか……。

オーティス

スフェーンやラマチは心から民を愛し、民に愛されてきた。
こうして死後もなお、どうか笑っていて欲しいと心から願ってくれるような人が二人にはいたんだ。
そんな二人の王と違って、ぞぴは民に無関心で徹底的に交流を避けてきた。
そうやって他者を知ろうと、知ってもらおうともしなかったぞぴ……
だから、彼は知らなかったんだろうね。
自分のそばには、自分を信じてくれる人が、自分の身を案じてくれる人が、確かにいたってことを。

新たな連王の誕生をめでたく思ってはいるが、
我ら、トラル勇連隊の隊長はゾラージャ様なのだ……。
このままお戻りにならないのではと、心配でならんよ。

まさか、ゾラージャ様が……。
信じたくはない……信じたくはないが……。
いや、今はそんなことを言っている場合ではないな。
トラル勇連隊の副隊長として、そして勇連隊士のひとりとして、
為すべきことを為さねば……。

ラファージャ(勇連隊副隊長)

でもぞぴはそんな彼らを捨てて、黄金郷へと去ってしまった。
ヴァンガード3ボス「蟒蛇のザンダー」をはじめ、兵士たちの様子からぞぴは部下の信頼は得ていたようだけれど、それは国や上官に対する忠誠心だ。
果たして彼らは真にぞぴの身を案じ、無事でいて欲しいと願ってくれるような心を持っていたのだろうか。
……いや、きっとそんなものはなかっただろうね。
そしてあの勇連隊副隊長でさえ、オーティスほどの想いを持つに至ることはなかっただろう。
そんな未来の可能性を、ぞぴは自ら捨ててしまったんだから。
民を愛さない王が、民に愛されるわけがないんだ。
ぞぴは王の器として、パパチはもちろん……スフェーンやラマチにさえ遠く及ばないんだよ……

家族の絆

ああ、そうか。
弟と分かれたあのときから幾ばくも経っていないのだとしたら……
ここで探したところで、見つかるはずもなかったんですね。
弟がここにいない理由がそういうことであれば……
今この瞬間も、あの子が生を謳歌しているのなら、
兄として、これ以上嬉しいことはありません。

よかった、本当に……。
たとえもう会えなくても、思い残すことはもう……。

聡明そうな老人

黄金の中で一番泣いた大好きなサブクエスト「別たれた兄の希望」。
弟と一緒にいた時間が人生で一番の幸せで、あの頃に戻りたいと子供時代の姿でシャットダウン後も弟を探し続けていたトライヨラ人の男性……
外の現状を聞かされ、弟は無事に生きているんだと安心して老人の姿に変化したのが、ナミーカの姿と被って胸が苦しくなった。
彼らは記憶の残滓とはいえ、それでも最期に思い残すことはないと満足した様子を見届けられたのは良かった……
……ぞぴは最期まで満たされることなく死んだけどね。
そうやって満たされることもなく、誰にも愛されず孤独なまま死ぬことが、ぞぴの犯した罪に対する罰でもあるんだよ……
きっとコナチやラマチが彼らと同じ立場だったら、コナチは彼と同じく、シャットダウン後も妹を探し続けていたんだろうね。
そしてもちろん、ぞぴにそんな相手はいないんだ。
「味がしなくたって、あなたがいれば」というクエストで、たとえ味がしなくても、心の底から「美味しい」とクルルは言っていたよね。
家族がそろうとこんなにも味が違うんだと……
きっと……一緒に食卓を囲んでいても、味はしても、ぞぴが心の底から「美味しい」と感じたことはなかったんだろうね。
ぞぴには大切に想える人が、心が繋がっている人が……
”家族”がいなかったんだから。

仮に、ぞぴが永久人としてリビングメモリーにやってきたらどんな姿だったんだろう……
英語版だと「なぜ自分は生まれてきた?」と言ってるから、そもそも永久人として姿を現すことすらないのかもしれないね……

父親からの愛情

それにしても、ウクラマト様。
本当にご立派になられましたね。
きっとここまで来るのに、多くの苦労があったのでしょう。
よくがんばりましたね。

ナミーカ

ナミーカのこのセリフで大の大人が深夜にPCの前で1人、声を出して泣いてしまったと同時に、どうしようもなく心が沈んだ。
血は繋がってなくても、ラマチはこんなにも親から無償の愛を注がれ、大切に育てられたんだと分かる描写が、これほどまでに描かれているのに……
……ぞぴには、ない。
前のふせったーにも書いた通り、ラマチやコナチはパパチの実子であるぞぴが羨ましかったはずなんだ。
青いフビゴ族、奇跡の子、それは養子たちがどんなに願っても手に入れられなかった、パパチとの血の繋がりの証、命を受け継いだ証……
でも、ぞぴもまた、ラマチのことが羨ましかったんだと思うよ。
ナミーカとパパチ、血の繋がりはなくとも両親から愛情を注がれ、それを素直に受け取ることの出来るラマチが羨ましかっただろうね……
ずっと父親に認められたかったぞぴ。
ぞぴもパパチに「よくがんばった」と褒めて貰いたかったんだよ。
ぞぴの欲しかったものはラマチが持っていて、ラマチの欲しかったものはぞぴが持っていた……
まさかぞぴが死んだ後にも、こんなにも2人の違いを見せつけられるなんて思わなかったよ……
ぞぴ……愛することも、愛されることも不器用で、孤独で哀れな男……

父親からの肯定

この路でいい、進みなさい。

ロボル

さあ、行っといで。
あんたはあたしの、自慢の息子さ!

カフキワ

これこそが、ぞぴの欲しかったもの。
ぞぴはずっと父親に認められたくて頑張ってきたんだ……
でもそれを、ぞぴは自らの手で終わらせてしまったんだよ。
あなたは自分の手で、父親を、己の目的の全てを……葬ってしまった。
ゾラージャ戦BGMの英語タイトルが「Seeking Purpose(目的を求めて)」である意味……
そう、ぞぴは自分のことでさえ、分からない知らないんだね。
自分が本当に求めていたものは何だったんだろうね……?
「奇跡の子」の証明、その先にある本当の目的。
そう……父親に愛されたい、認められたいという願いは……もう叶わない。
ぞぴが満たされることは、金輪際、どんなに願ったって、なくなってしまったんだよ……

背中を押してくれるもの(暗黒クエの話)

© SQUARE ENIX

そうして生を全うした者の想いは、願いは、希望は、次代を生きる者たちへと継承されていく。冒険者は、旅路の途中で出会った人々の記憶を抱えて、この先も歩み続ける。ときには誰かと路を違えることもあるかもしれない。立ち止まりたくなることもあるかもしれない。それでもこの世界は美しく……まだまだ、未知で溢れているのだから。

黄金のレガシー メインクエスト「黄金のレガシー」

私は黄金のことをトラル大陸版暗黒70クエだと思っているところがある。
このクエスト概要文なんてまさにそうだよ。
ヒカセンは新生、蒼天、紅蓮、漆黒、暁月の冒険を経て、出会った人々から受け継いだ想いや記憶を連れて旅をしているんだ。
メインライターさんは石川さんとは別の方らしいけど、私は黄金のストーリーは暗黒クエの思想や精神を受け継いでいると強く感じたんだ。
もちろんメインストーリーの中で暗黒クエのテイストを感じたのは、漆黒や暁月でもあったことなんだけど……
それでも「ああ……これって暗黒クエでリエルやフレイが言っていたことだ……」と思うほど強い繋がりを感じたのは、黄金が一番だと思うな。

いや、腹は決まってるさ。
ただやっぱ、誰かを好きになればなるほど……
別れってのは寂しいもんだ。

ウクラマト

まずはこのラマチのセリフで、これ……暗黒70クエだ!と思った。
そうだよ……別れは痛くて悲しいものだよ……
でもね、ヒカセンは……痛みも苦しみもつれて旅をするって誓ったんだ。

ミスト:
ああ……。
別れはやっぱり、さみしい、なぁ……。

フレイ:
……そうですよ。
とても、痛くて悲しいんです。
その重みや苦しみに耐えかねて、足が止まることさえある。
ですが、いつしかまた、性懲りもなく……
足取りは、軽やかになっていくんだ。

ミスト:
別れを……いなくなったひとを、忘れる、から?

リエル:
……違うんじゃないかな。
つらい別れを、私はきっと何度でも思い出すよ。
だけど、別れのたびに傷ついても、

人はまた、誰かのことを好きになれる。
その人たちと手をとって、立ちあがって、歩いていくの。
いなくなった人との記憶、受けとった想いを、
私の先にある未来へ届けるために……!

暗黒騎士 ジョブクエスト「あと一度、君に会えたら」

このセリフ、まさに黄金のレガシー……ファイナルファンタジーXIV……
そもそも暗黒70クエで敵対するミストが、スフェーンそのものなんだよね。

ミスト:
ねえ、◯◯……。
ぼくは、あなたがもつ暗黒騎士のソウルクリスタルから、
エーテルを……いのちを、もらったんだ。
そのクリスタルには、なにが、こめられてる?
……そう、数百年にわたる、歴代暗黒騎士の、
記憶と、想い、だね。
クリスタル自体のおおきなエーテルと、つよい想い……。
そのふたつから生じるものを、あなたは、知ってる、はず。
安心、して……。
何かの名を戴くほど、ぼくは、たしかな事象じゃない、から。
ちゅうとはんぱな、なりそこない……。
けど、ちゃんと、想いをうけてうまれたの。
ひとをかなしみから護りたい、失いたくない……って、
暗黒騎士の「みんな」の想いを……。
だから、叶えなきゃ……。
ひとが、なにもなくさない世界をつくるの。
そのために、たりないちから……おぎなって、みたよ……?

シドゥルグ:
ほかの命を奪って……か?
ハッ、護ると決めた者だけを顧みる、
その身勝手さは、なるほど俺たち暗黒騎士の化身だ……。
だが、なにもなくさない世界だと?
人のすべてに、優しい幻でもあてがってやる気か?
……そんなものが、暗黒騎士の願いであるわけがないッ!
世界はいつまでも理不尽で、狂気も悪もはてはせんだろう……
俺たちは確かにそれを嘆き、確かにそれは憎んでいる。
だが、お前の破綻した理想にすがるほど、諦めてはいないッ!
だからみんな、大剣を取ってきた……!
大人しく、◯◯のソウルクリスタルに還れ!

暗黒騎士 ジョブクエスト「あと一度、君に会えたら」

ミストはソウルクリスタルに込められた、歴代暗黒騎士たちの想いとエーテルによって顕現した存在。
そしてスフェーンはカフキワが言っていたように、スフェーンの民を愛する純粋な想いと、記憶と魂(エーテル)を利用して「永遠に変わらない理想の王様」を求めたプリザベーションが開発した存在。
どちらも、まるで蛮神のような存在。
彼らは愛する人たちの幸せを願い、死の悲しみを取り除こうとした。
そして愛する人たちを護るために、力を求め、他者の命を奪った……

ぼくに、もっとたくさんのエーテル……
つよい「ちから」があったなら、うまく、できたのかな……。

ぼくがつよくなれば、そんな嘆きはもうなくなる……。
なくしたものは、全部、ぼくがつくってあげる。
もう、だれもかなしませたり、しないの……!

想いには触れられない……記憶は薄れていく……。
ずっと一緒がいい……終わらないままがいい……。
生きていて、死なないで! ぼくが護るから……ッ!

ミスト

それとも、力も命もあるキミたちなら、
犠牲を出さずに、護りたいものを護れるの……?

私は、旧アレクサンドリア王の記憶を受け継ぎし者。
愛する家族である民を護りたいという願いは、
どんな願いにも勝る!
家族を護るためなら……どんな犠牲も厭わない!

もう誰も、失いたくない……!!

諦めない……最後まで……!!
私が、みんなの笑顔を護るんだ!!!

スフェーン

ミストもスフェーンも永遠を望み、愛する人たちとの別れを拒んだ。
でもね、永遠の命なんてものはないんだよ……

これがスフェーンが抱えていた、
いつまでも残したかったものなんだな。
でもよ、スフェーン……
命は受け継がれていくもの。
すべてを永遠にそのままなんて……できやしねぇんだ……。

ウクラマト

そう、ラマチが言う通りすべてを永遠にすることなんてできない。
だからこそ、私たちは知らなくちゃいけない。
相手の想いを知って、その心を受け継いでいくために……
そうやって命を繋いで……明日へと歩いていくんだ。
もちろん時には足が止まることだってあるよ……
でもね、隣に立って助けてくれる仲間がいるから……
そして自分を信じてくれた人、自分の幸せを願ってくれた人……
自分を愛してくれた人……そんな人たちとの記憶と、受け継いだ想いが力をくれるから、私たちは迷わず路を進むことが出来るんだ。
……私は暗黒クエと黄金のレガシーで、そう学んだよ。

記憶と、受け継いだ想い

両親の記憶は消えても、受け取った愛情は忘れない。
きっとこの思い出が、私の背中を押してくれるから……!

クルル

だったら……
おふくろの夢は俺が継いでやる!
こいつらと出会って、ここまで来れた。
悔しいけど、あんたの言うとおり世界が広がったんだ。
だから、あんたが行けなかった場所まで旅をする……
あんたの……おふくろの夢は、俺が叶える……必ず!

エレンヴィル

4つのエリアでのシャットダウンを担当した人物はラマチ、クルル、エレンヴィルの三人。
ラマチとクルルの二人はもちろん、ずっとシャットダウンに納得出来なかったエレンヴィルも最後は、迷わなかった。
だって彼らは大切な人から愛されていた記憶……例えひとときであろうとも、共に過ごしたあの幸せで優しい記憶と、そんな人たちから受け継いだ想いを胸に抱えていたから。
オヤジから受け継いだ想いがラマチに力をくれたように、受け取った愛情が、記憶が、受け継いだ想いが……二人にも力をくれるんだ。
……誰にも愛されず、満たされることもなく、自分は何も受け継いだものがなかったと”信じ込んでいた”ぞぴとは違ってね。

いなくなったひとたちとの記憶と、受け継いだ想い……
それこそが何ものにも代え難い宝物……黄金の遺産レガシーなんだ。

全部、全部、ぞぴには手に入れられなかったものだね……

最初の一歩を踏み出す勇気

これからもきっと、あんたはいろんな経験を積んで、
たくさん失敗も、後悔もするだろうさ。
それでも、前に進み続けてごらん。
いつかあんたが自分の路に迷ったとき、
その記憶が、標になってくれるから。

カフキワ

カフキワは息子に、渡り鳥のように世界へと羽ばたいて欲しいと願った。
未知のあふれるこの世界中を冒険し、たくさんの経験をして欲しい……と。
「多くの土地を歩き、そこに生きる人々や文化を知り、愛し、愛されてきた。」
ヒカセンを評したパパチのこの言葉のように、パパチもカフキワも……自分の子供たちに、本当の世界の広さを知って欲しかったんだ。
そしてヴェーネスが旅する理由を語ったこの言葉のように……「この世界を、見て、聞いて、感じて、もっともっと知りたい」と考えて欲しかったんだね。

黄金のレガシーでは、知ることの大切さを幾度となく教えられたよね。
「無知ゆえに争い、知りて絆を結ぶ」
でも、絆を結ぶってどうしたらいいの?
それはハイゾディ編ですっかりパパになったサンクレッドとウリエンジェが教えてくれたよね。

まずは、相手にお前のことを知ってもらうんだ。
何を見て笑い、何を見て悲しみ、何に対して怒りを覚えるのか。
心の内を知れば、自然と距離も縮まるもんさ。

サンクレッド

覚束ない言葉であろうと、伝えてこそ始まるものもあるのです。

ウリエンジェ

絆を結ぶということは、相手を認め、相手に認められること。
だから相手を知ることも大切だけど、自分を知ってもらうこともまた、大切なことなんだよ。
……相手を知ろうと、自分を知ってもらおうともしなかったぞぴはまさしく黄金のレガシーという物語における、主人公たちと相対する立場の者だよ。

◯◯さん。
私ね……実を言うと、この旅が少し不安だったの。
真実を知ることが怖かったから。
もしかして……両親から愛されてなかったのかなって。
でも…………挑戦してよかった!
一生懸命ピクトマンサーの技を習得して……
勇気を出して「行きたい」って、言ってみてよかった……!

クルル

クルルは真実を知ることを恐れていたけど、勇気を出して知ろうとした。
知りたいと思って一歩を踏み出せたから、クルルは前に向かって進むことが出来たんだよ……
ぐるちゃだってそうだ、ラマチたちが自分をヘリテージファウンドまで追いかけてきて、お前を知りたい、話をしたいと踏み込んできたあの時……
ぐるちゃもまた「僕も知りたい」とそれを受け入れたからこそ、ラマチたちと絆を結べた、家族になれた……
だから、ぐるちゃは独りぼっちなんかじゃないんだ。

同じ大陸で生まれても、同じ村で育っても、
同じ毛の色をしていたって、アタシらはそれぞれ別の人間だ。
だから、違うところがあって当たり前なのさ。
その違いにびびって、相手を遠ざけちまうのはもったいねぇ。
まずは、そいつのことを知ることだ。
そうして深く知っていくうちに、
気づけばそいつのことを気に入っちまうことがある。
好きになった奴となら、真正面から向き合える。
知らずに嫌って憎み合うより、よっぽどいいだろ?
最初の一歩は怖ぇかもしれねぇけど、
踏み出してこそ、前に向かって進むことができるのさ。

ウクラマト

最初の一歩を踏み出す勇気がぞぴにもあれば何か変わっていたのかな……
そもそも知りたいとすら思っていなかったのだから、それ以前の問題なのかもしれない……

80年以上も他部族を拒み続けてきた人たちだって、
きっかけさえあれば、歩み寄ろうと変わることができる。
そのことを確かめられただけでも、ついてきて良かったわ。

アリゼー

マムークの人々が「双血の教え」に従わずに生きる路へと進み始めることが出来たのは、「双血の教え」に対する不満があったからだ。
もちろんきっかけも重要なポイントだったけれど、人々が教えに生きるのをやめたい、変わりたいという想いを持っていなければ、こうはならなかっただろうね。
だから、ぞぴの問題は……外野であるヒカセンたちが介入したところで、どうにもならなかったんだろう。
例えばコナチの場合、最初は外つ国の技術でトライヨラを発展させることに夢中で、そこに生きる人々のことを見ようとしていなかったよね。
でも、そのことにコナチは旅を通して気付き、今後は民と絆を結べるようにと……想いを言葉に乗せられるように、努力しようと決意した。
そうして、コナチは継承の儀をきっかけに成長することが出来たんだ。
それは未熟さを認めてくれる助っ人……暁のメンバーたちの助言が、大いに影響を与えたんだろうね。
それならば、ぞぴにこそ……暁のサポートが必要だったんじゃないか?
そうすればぞぴだって、考えを改めることが出来たんじゃないのか?
……なんて考えたりもしたけど、きっとそんな可能性はなかったんだよ。
ラマチとコナチの王を目指す理由は、民のためだった。
対してぞぴの理由は、自分の目的のためでしかなかった。
どんなに助言やきっかけが与えられても、ぞぴが継承の儀の中で変わることはなかっただろう。
そもそも他者を拒絶するぞぴが外つ国の者を助っ人に採用するわけがない。
ヒカセンたちがぞぴに深く関わる運命なんて、なかったんだよ。
だからぞぴは、この物語が始まった時点で既に……詰んでいたんだ。

……でもね、私はぞぴが本当に全てを拒絶していたわけじゃないと思っているんだ。
家族の中でただ一人ウクラマトを愛称で呼ばなかったぞぴが、最期の最期にラマチと呼んだのは、本当はずっと……
妹を愛称で呼べるくらい、心を繋げたかったから。
絆を結んで、みんなと家族になりたかったから。
あの広い王宮の中で、ずっと独りぼっちだったぞぴはきっと、そんなふうに思っていたんじゃないかな。
ぞぴも、もっと早く一歩を踏み出せてさえいればとは思うけど……
それでも最期の最期に、「ラマチ」と呼べたのは……良かったね。


ぞぴは本当に愛されていなかったのか?

英語版から見るぞぴの心

ぞぴの心の内に関しては、英語版の方が直接的に表現しているからわかりやすいかもしれない。

お前の兄……グルージャジャの息子……奇跡の子……
俺はなんだ……どこに向かう路を進んでいる……?
Brother... Blood heir... Resilient Son... Who am l? What is my path? Why was I born?
(長兄……血を継いだ者……勇ましい子……俺は何者だ?俺の歩む道は何だ?なぜ俺は生まれた?)

そして連王の座を継承したお前を殺し、証明してやる。
この俺こそが、真の後継者に相応しい存在であると!!
I will kill you and prove the miracle! I will prove that I am Father's true successor!
(俺はお前を殺し、奇跡を証明する!俺こそが父上の真の後継者であるということを!)

父親に選ばれなかった俺に、父親など務まるものか……。
How could I be a father...when my own spurned me?
(父親に見捨てられた俺が、どうして父親になれるというのだ?)

俺は、父上から何ひとつ受け継ぐことができなかった。
だから、お前に遺すものなど何もない。
He left me nothing. No throne. No legacy. Nothing. And so I had nothing to leave you.
(父上は俺に何も残さなかった。王位もない。遺産もない。何も。だから、お前に残していくものは何もない。)

()内は英文を翻訳したもの

自分こそが父親の後継者になりたかったのに、自分はその父親に見捨てられ、王位も遺産も、何も残してもらえなかった……と言っている。
日本語だと「自分は父親に選ばれなかった」と言っているけど、英語版だと「自分は父親に捨てられた」と言っているのが特に良い。
ぞぴ、そんな風に思っていたんだね……
だからぐるちゃを産んでおきながら捨てたのかもね……真似っ子すな!
「奇跡の子」も英語版の Resilient Son の場合、本来子を成せない双頭から生まれてきた奇跡……つまり困難に立ち向かう力を持った子という意味が含まれていそうだけど、そのまま訳すとなると、たくましい子とか益荒男になるのかな?
日本語版の「奇跡の子」に対して、ずいぶんと強そうな肩書だよね。
だからこそ、わかりやすいよ……
きっとぞぴはその肩書の通り、トライヨラの第一王子として決して弱さを見せず、強くあろうと振る舞っていたんだろうね。
そうして父親コンプ、双頭コンプも相まって、余計に誰かに頼るということが出来なくなってしまっていたんだろう。
そして物議を醸したあのラマチのセリフも、英語版の方がわかりやすいかもしれない。

……オヤジから何も受け継いでないなんて、そんなことあるか。
青いフビゴ族は、アンタとグルージャしかいねぇだろ!バカ野郎が!!
You think Papa left you nothing?
You godsdamned fool! You have the one thing he couldn't leave anyone else!
You and Gulool Ja!

(オヤジが何も残してくれなかったと思ってるのか?)
(この馬鹿野郎!オヤジが他の誰にも残せなかったものをお前は持っているじゃねぇか!)
(お前とグルージャだ!)

()内は英文を翻訳したもの

このあたりの表現の違いはもう感性……個人の好みの問題だろうけど……
私はここに関しては、パパチとの血の繋がりを「青いフビゴ族」と表現した日本語版の言い回しの方が好きだな。
この言葉には連王の血縁という意味だけではなく、きっとラマチの持つ実子への羨望も含まれていると思うんだ。
王の息子として生まれ、その肩書きに苦しんだぞぴに対して投げかける言葉だからこそ、ぞぴの代名詞である「奇跡の子双頭の子」ではなく「青いフビゴ族双頭の子」という言葉を選んだこと、そしてこれを語ったのが、ぞぴが完全に息を引き取ったあとということが、本当によかった……

あと、これはぐるちゃのセリフなんだけど、私はこれの英語版も好き。

何も遺さなくたって……あなたが父さんじゃだめだったの……?
Couldn't you have just...been there?
(ただ……そこにいるだけではダメだったの?)

()内は英文を翻訳したもの

血が繋がっている、それだけじゃだめだったの?
そこにいてくれる、それだけじゃだめだったの?
……だめだったんだよ。
ぞぴにとっては……ね……

子を成せないと言われた双頭から産まれてきた子……
だから「奇跡の子」なんだよ。
あなたは生まれてきてくれただけで、奇跡の証明なんだ……
何が No legacy だ……
たったひとり、あなただけが、あなたの存在そのものが、
あなただけに父親が遺した……特別な遺産レガシーだったんだよ。

届かなかった愛情

育児系の記事を読んでいると、子どもの自己肯定感を高めるためには親からの愛情が必要不可欠であると書いてあることが多い。
ぞぴのあの自己肯定感の低さは、父親からの愛情不足が原因なのだろうか?
……ぞぴは長子として、「奇跡の子」として強くあろうとした。
きっと子供時代のぞぴも、優秀で手のかからない子だったんだろう。
一方、末っ子で臆病で、森で迷子になったり、太鼓を壊して怒られるような手のかかる子供だったラマチ……
更に素直で愛され上手ときたら、そりゃ大人は可愛がるよね。
それでもパパチとしては、実子も養子も別け隔てなく愛情を注いでいたはずだよ。
だって実子であるぞぴを「奇跡の子」として贔屓したりなんかしなかった。
そう、パパチは「奇跡の子」という言葉を作中で一度も使わなかった。
周りの人間はみんな、自分のことを「奇跡の子」として褒めそやしてくるのに、父親だけは自分を特別扱いしなかった……してくれなかったんだ。
外野から見たら、パパチの子供達に対する公平性は正しく見えるけど、当事者であるぞぴにとって、その公平さは苦しかったんだろう。
子供の頃なんかは、養子たちに父親を横取りされたと感じたりして、実子であるぞぴは寂しい思いをしていたんじゃないかな。
前回の感想で既に、なぜパパチが養子をとったのか?という私なりの考えを書いてあるのでそのまま引用します。

■養子を迎えた理由
そもそもなぜパパチは養子をとったのか?
私はね、それがパパチの愛情だったからだと思っているよ
ぞぴが独りぼっちだったから、ぞぴが既に壁を作って生きていたから
そして何よりも、パパチもぞぴのことが分からなかったから……
孤独な息子を心配して、兄弟としてコナチを連れてきたんだと思う
双頭であるパパチにこれ以上の子供は、もはや望めないだろうからね
そして養子を迎えるという選択は、パパチが双頭であるがゆえの発想だったんだと思う
自分たちにはいつも隣に一心同体の兄弟がいたからね……
双頭であるパパチは独りぼっちの孤独というものを
ヒトツアタマの孤独がどんなものかを、理王が死ぬまで真には分からなかったんじゃないかな

なぜコナチだったのか?
それはぞぴが武の素質を持っていて、コナチは理の素質を持っていたからだと思う
パパチは双頭だから自分たち武と理の兄弟のように
ぞぴにはコナチが良い兄弟になると考えたんじゃないかな
理王候補として連れてきた可能性もあるけど、パパチは世襲させる意識は薄かったと思う
そもそも、王の素質として武も理もそこまで重要視していなかったと思う
このあたりの話はまた後で語ります ※この話もあとで引用します

ではラマチは?
族長の娘だからといって、犯人側に娘の生存がバレていないなら
わざわざ王の養子にする必要はないし、森の外で暮らす一般人にでも預けて良かったと思う
じゃあなんでパパチは引き取ったのかと考えると
ぞぴとコナチの関係が良くなかったからなんじゃないかと思う
ラマチは女の子だから、兄として妹を可愛がってくれるんじゃないか
そんな妹の存在が家族に変化を促してくれるんじゃないか、と期待したのかもね
パパチ自身も、ぞぴにどう接すればいいのか分からなかったんじゃないかな

その結果、コナチは立派なシスコンに育ってくれたけど、ぞぴには効果なしどころか逆効果だった
ぞぴはコナチが王宮に来た時点で、こいつは理王候補だと幼いながらも考えていたんじゃないかな
そして自分は、将来の武王候補であることも……
だから武王の座に固執していたし、ラマチにばかり黒い感情を向けていたのでは?
ラマチが来たらもう世襲の線も厳しくなってくるし
理王はコナチと、武王はラマチと馬が合い、団らんする様を毎日食卓で見せつけられてきたと思うと
ぞぴはより一層孤独を感じただろうし、養子たちのことを
そして何より自分を蔑ろにする父親のことを恨んだのではないかなと思うよ

99討滅後感想 ゾラージャという孤独な男の話

過去の自分の感想をそのまま引用するの便利だな!
自分の言いたいこと全部文章化されてるじゃないか……

自分を肯定できない、自分の生きる理由がわからないと感じるのは
親からの愛情が足りず、自己肯定感が十分に育まれなかったから……
いや、パパチからの愛情は確かにあったはずだよ
愛情が足りないというより、愛情を実感することが出来なかったんだろうね
養子の二人は実子と同じように別け隔てなく育てられることで、十分に愛情を感じただろう
でもそんなパパチの公平な育児は、実子のぞぴからしてみれば
自分は愛されていないと感じてもおかしくない行為だったんだろうね
パパチは自分の愛情を、ちゃんと言葉で伝えてあげていたのかな……
ぞぴはきっと、父親からの「愛している」の一言が欲しかったんだよ……
初めての育児なんだ、パパチにだって分からないことはある、全てが完璧な訳じゃない
グルージャジャという偉大な王も、また我々と同じ不完全なヒトだったってことだよ
私はパパチのそんなところが好きなんだけどね……
黄金の登場人物はみんな、人間らしさがあって愛しいよ……

99討滅後感想 ゾラージャという孤独な男の話

パパチからの愛情は確かにあったはずなんだよ。
でも受け取る側がそれを実感できなければ、それは”ない”のと同じなんだ。
だから、パパチはぞぴを愛している”つもり”でしかなかったんだよ……

どんなに相手が自分を知ろうと歩み寄っても、自分がそれを拒絶していたら絆は結べない。
例え血を分けた肉親であっても、想いを伝えなければ、心の内を知ってもらおうとしなければ、相手は何もわからないんだよ。
相手を知ろうとせず、自分を知ってもらおうともしなかったぞぴだもの。
たとえどんなに偉大な王であろうと、息子の想いなんてわかってやれるはずもなかったんだ。

以下、「王の素質として武も理もそこまで重要視していなかった」という話のところで言っていた引用。

■継承の儀の真意
思えば継承の儀って、あまりにも有利不利の差が激しい内容だと思わない?
問題を抱えた候補者たちを成長させるための試練にしては
なんだか雑に感じてしまうんだよね
「わかるかもしれないですよ、この試練の隠された目的が」
トーブリのこのセリフから、選者たちはパパチに試練の目的を伝えられた上で
各々で試練の内容を決めていたと思うんだけど
全ての試練がトライヨラ叙事詩の内容に則ったものだったよね
パパチも最初の説明で
「この国を興す前、わしは仲間と各地を旅し
 最期には黄金郷へ至る扉に辿り着いた
 お前たちにも同じことをしてもらう」
と言っていたから、パパチは自分が旅で経験したことを候補者たちにも経験させて
自分の治める国のことを学ばせようとしたと思うんだけど、なんだか釈然としない
前半の試練では、別にその土地に住む人々や文化を知ろうとしなくてもクリア出来るものがあったし
後半の試練では、たとえ知ろうとしても必ず脱落者が出る仕組みのものがある
もし食の試練でぞぴ陣営もラマチたちと同じく
この試練の目的に気がついてショブリト灰戦場を訪れていたら?
早いもの勝ちのこの試練では脱落者が必ず発生するけど、一体なんのために?
友の試練だってそうだ、フルパーティーじゃなければ到底クリアできる内容じゃない
後半のこの2つの試練は一体どんな意図があるのか?

私はそもそもこの試練で、誰も黄金郷を見つけられなくても問題はなかったと思っている
「継承の儀をとおして成長できなければそれまで
 誰にも王位は譲らねえ」
パパチもこう言っていたよね
例え試練を達成したところで成長が出来なければダメなんだよ
王に相応しい者がいないなら、アラミゴのように王制をやめ共和制に移行すればいいだけ
そもそもこのトライヨラという多部族国家は
圧倒的なカリスマを持つ連王が君臨することで成り立っているんだから
王位継承をするというのなら、民に慕われるような者ではないと王は務まらない
それはつまり、全ての部族の長が認めるような者であり
共に王位を巡って対立する相手とも手を取り合えるような者、ということなんだ

そう、食の試練で必ず勝者と敗者が決まるのはこのためだったんだね
そして友の試練では、そんな相手とも手を取り合える力が求められたわけだ
「オレらひとりひとりの力など、たかが知れてる
 互いを知り、手を取り合うことで
 ヴァリガルマンダほどの大きな力にだって対抗できるんだ」
「多部族が手を取り合うことによって生まれる強さ……
 わたくしどもが興そうとしているのは、そういう国なのですよ」
この後半2つの試練は、トライヨラの国家理念を体現したものだったんだね

ラマチは旅の中で人々や文化を知り、絆を結んだ
ずっと対立してた相手を知ることで、手を取り合えた
そして何より、トライヨラのことがもっと好きになった
まさにパパチの認める次代の王へと成長したのだろう
パパチが何よりも重要視した王の素質、子供たちに本当に受け継いで欲しかったもの
それは武でも理でもなく、トライヨラを愛する心なんじゃないかな
多部族国家トライヨラの王たりえる者とは、トライヨラを愛し、トライヨラに愛される者なんだ

99討滅後感想 ゾラージャという孤独な男の話

詩人解釈一致大号泣感謝感激雨霰

メインクエストを終えてまず初めにやったこと……
それは、異邦の詩人にぞぴの解釈を聞きに行くこと。
正直これを聞きたくてメインを頑張って終わらせたまである。

先代連王の第一王子、ゾラージャの最期……か。
決してひとことで「心躍る冒険譚」と括ることのできない、
様々な感情が渦巻く物語だね。
グルージャジャ唯一の実子として、
王位を継ぐ立派な長兄であろうとしたゾラージャ。
彼は、双頭でない自身に負い目を感じてもいたんだろうか。
だから余計に、強大であろうとした。
しかし、その矜持は心の目を曇らせ、他を頼る選択肢を消した……
結果、彼は壁に行き当たった際に道を踏み外してしまった……。
彼がドーム内の30年をどのような失意と怒りのなかで過ごしたか、
僕にはわからない。
わかったところで、彼が多くの命を奪った事実も変わらない。
しかしね、僕はこうも思うんだよ。
最も認められたかったはずの父を殺したとき、
彼の生きる目的もまた、終わってしまったのではないか、と。
これはあくまで僕の推測に過ぎないし、
彼の罪は、決して許されることはないだろう。
しかし、彼もまた人なり……その想いは、いずこに還るのか……。
華々しい継承の儀の物語に落とされた影の一節、
聞かせてくれてありがとう。
多くの人にとって、彼は親しい人の命を奪った憎き相手だ。
しかし、決してそれだけで終わらせてはならないようにも思う……
この物語は、慎重に、そして大切に語らせてもらうとするよ。

異邦の詩人

ありがとう異邦の詩人
本当に……本当に……『ありがとう』…それしか言う言葉がみつからない…
他人の感想を読んでしまうとやっぱり引っ張られちゃうから、ちゃんと自分の言葉で書きたくって、ミュート自衛したり、ふせったーやpixivも絶っていたんだよね。
だからここで他人の解釈を初めて浴びて、体中の細胞が歓喜に沸いたよ……

「しかし、彼もまた人なり……その想いは、いずこに還るのか……。」
このセリフって多分7.1以降のストーリーに関係しているんだろうね。
その想い……それはぐるちゃに受け継がれたもののことだろうね。

俺はお前を、どうとも呼ばない……
どうあれとも願わない……
ただ、俺が生き、勝ち得たものは置いていく。
受け継ぐなり、見捨てていくなりするがいい……。

ゾラージャ

父さんから受け継いだもの……。
僕はこの力を、正しいことに使うよ……!

グルージャ

ぞぴは「奇跡の子」という肩書に苦しんだからこそ、ぐるちゃには何ものにも縛られない、ただひとりの人間として自由に生きて欲しいということを伝えたかったんだろうね。
そして、己の後継者として武王の権限を息子に移譲したのは、それがぞぴなりの愛情だったんだと思うよ。
私はね……この想いは、パパチも持っていたものだと思うんだ……
パパチはさ、生まれたときから「奇跡の子」として、トライヨラ連王国第一王子として生きてきたぞぴに、王位を継ぐという以外の路も選択肢として残してあげたかったんだよ……
息子の人生を、未来を縛りたくなかった、どうか自由に生きて欲しいという想いを、父親となったぞぴと同じように持っていたと思うんだ。
これは継承の儀を執り行った理由の内のひとつだと、私は考えているよ。
パパチもまた、双頭として……「祝福の兄弟」という肩書を持って生まれてきた人生だからね。
「祝福の兄弟」として、マムークの王としてあの村で生きてきたパパチが、ケテンラムと出会って旅に出ることで世界の広さを知り、同時に自分の生きていた世界がとても狭いものだったと知った。
だからこそ、継承の儀の説明時にパパチがバクージャジャの一挙一動にやたらと反応して顔をしかめるようなカットがあったのは、単純に彼の態度が悪いことだけではなく、「双血の教え」のもとでシュバラール族と部族間抗争をしていた頃の、世間知らずだった過去の自分と重なったからなんじゃないかと私は思っている。

それでも、ぞぴにとっては生きる目的だった「奇跡の子」の証明……
つまり父親に承認されるということの最上が、後継者に選ばれることだったんだろう。
父親に次期連王として認められ、父親の座す、あのヴォロク連王宮の玉座に自分も座ることがぞぴの夢だったんだよ……
そう、ぞぴは人としても、王としても、父親としても間違っていたけど、自分が父親にして欲しかったことを、最期の最期に自分の息子にしてあげたんだね……

父から受け継いだ王権をどう使うか
それは成長したグルージャ自身が いつか決断することだろう
願わくは――
小さき王の歩む路が 家族の愛で照らされんことを

エレンヴィル

クリア後、トライヨラの民は新たな武王と理王であるラマチとコーナを信頼して、皆で前へ進もうとしている。
一方アレクサンドリアでは、王権が幼いぐるちゃに継承され、後見人にラマチが名乗り上げたことに不安がる人々がそれなりにいる。

……いま、この国の今後について話してたところだよ
グルージャ様が王権を継ぎ、ウクラマト様が後見人になるってね
いろいろ言う人もいるけど、正直あたしは何も心配していないんだ
故郷、トラルの……グルージャジャ様の意思を継いだ
あのウクラマト様なら、きっと悪いようにはならないさ

オシュケ

グルージャ様が王権を継承したのは良いけれど、
先行きは不透明で、不安になるのも仕方ないと思うわ。
でもね、私はあんまり心配していないの。
だって、トライヨラであの継承式を見たから
ウクラマト様が手を貸してくれるなら、私たちはひとつになって
新しい未来に進んでいける、そんな熱を感じているのよ。

ナフウェニ

それでも、トライヨラが故郷のNPCたちはこうやって、ラマチのことを信頼しているから前向きな意見を見せてくれる。
トライヨラと違って、アレクサンドリアの復興は難しいものになるだろう。
きっと、幼いぐるちゃにとって辛い経験もするだろう……
それでも、きっと大丈夫だよ。
「願わくは――
 小さき王の歩む路が 家族の愛で照らされんことを」
エレンヴィルがこう語っていたように、ぐるちゃは独りぼっちじゃない。
そう、家族がいるから……受け継いだものがあるから……
ぐるちゃはきっと、迷わずに路を進んでいけるよ。


金星と渡り鳥の人々

羽を持つ蛇

トライヨラって鳥とか翼って付く地名が多いよね、地形も空を飛ぶ鳥のような形をしているし……

© SQUARE ENIX

トライヨラの国旗も双頭の蛇に翼が生えている……
パパチって大羽根背負ってるから翼は分かるけど、足はどこにいった?
翼の生えた蛇……もしかしてこれってケツァルコアトルを意識したデザインじゃないか?いや、ヴァリガルマンダかもしれない。
ということで早速いろいろ調べてみたんだけど……

© SQUARE ENIX

ケツァルコアトルは、アステカ神話の文化神・農耕神である。また、風の神とも考えられた。

古くは水や農耕に関わる蛇神であったが、後に文明一般を人類に授けた文化神と考られるようになり、ギリシア神話におけるプロメテウスのように、人類に火をもたらした神ともされた。

神話では平和の神とされ、人々に人身供犠をやめさせたという。それ故に、人身供犠を好むテスカトリポカの恨みを買い、呪いのかけられた酒・プルケをそうとは知らずに勧められるまま飲み、気分が荒んだ挙句自分の妹・ケツァルペトラトルと肉体関係を結んでしまい、トゥーラ(又はアステカ)の地を追われた。この際、自分の宮殿を焼き払って財宝を埋めた後自ら生贄となり、火葬された灰が何羽もの美しい鳥となって空へ舞い上がったとも、虹の彼方に消えていったとも、金星に姿を変えて天に逃れたとも言われ、ケツァルコアトルは金星の神ともされるようになった。

その名は古代ナワトル語で「羽毛ある蛇」(ケツァルが鳥の名前、コアトルが蛇の意)を意味し、宗教画などでもしばしばその様な姿で描かれる。

ウィキペディアの執筆者. “ケツァルコアトル”. ウィキペディア日本語版. 2024-07-12. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%82%B1%E3%83%84%E3%82%A1%E3%83%AB%E3%82%B3%E3%82%A2%E3%83%88%E3%83%AB&oldid=101061948, (参照 2024-10-06).

平和の神とか文化神とか、なんだかパパチっぽいことが書いてあるね。
そしてアステカの神話と言えばケツァルコアトルとテスカトリポカの二神だけど……

テスカトリポカは、アステカ神話における主要な神の一つである。大熊座の神であり、夜空の神であり、アステカ民族の神殿に祀られた。

神々の中で最も大きな力を持つとされ、キリスト教の宣教師たちによって悪魔とされた。

その神性は、夜の空、夜の風、北の方角、大地、黒耀石、敵意、不和、支配、予言、誘惑、魔術、美、戦争や争いといった幅広い概念と関連付けられている。

テスカトリポカのナワルはジャガーであり、神性のジャガー的な側面が Tepeyollotl (テペヨロトル、山の心臓)という神とされる。

ケツァルコアトルとテスカトリポカの対立関係は、テスカトリポカがケツァルコアトルを騙し、トゥーラの支配者の地位から追いやったトピルツィン・ケツァルコアトルの伝説においても語られている。しかし、興味深いことはケツァルコアトルとテスカトリポカは共同で異なるものを創造し、両者とも生命の創造に関与したと見られることである。


ウィキペディアの執筆者. “テスカトリポカ”. ウィキペディア日本語版. 2024-08-23. https://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E3%83%86%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%9D%E3%82%AB&oldid=101575754, (参照 2024-10-06).

平和の神ケツァルコアトルと対立した混沌の神、軍神がモチーフの人物と言われたら、私はぞぴのことを真っ先に思い出すよ……
そしてジャガーで思い出したのがぞぴのふわふわ毛皮パンツだよ。

なんでマムージャで一人だけそんなパンツ穿いてるの?みんな前張りしかしてないのに……ってずっと言ってたけど、これのためなの?
正確にはジャガーの柄じゃないけど、テスカトリポカのモチーフで穿いてるとかだったら笑う。デリケートゾーンで主張すな!

双子の英雄

正直ぞぴはちょっと怪しいけど、パパチがケツァルコアトルを意識してるのはかなりあると思うよ。
平和を愛し、人々に火やトウモロコシの種、暦などの生活技術や文化を与えた神って、まるでトライヨラ叙事詩の中のパパチみたいだよ。
図書館に行ってメソアメリカ文明や神話関係の本を片っ端から借りてきたからいろいろ読み漁ってたんだけど、双子の概念がかなり出てくるんだよね。

羽をもつ蛇あるいは水=鳥=蛇というケツァルコアトルの名は、二次的な意味として高貴な双子の意味をもっていた。この神の神話的な双子の、ショロトル(神話学的には、明けの明星としての金星)と呼ばれる犬は、もとは、同じ名をもつチチメカの探検者で王であった者に由来したのかもしれない。しかし、双子の主題のもつ意味は、おそらく、別の考え方によるもので、それは、明け方とタ方に二度出てくる金星と、至高二重神として万神殿のなかで最高の二重性をもった者とに関係があるのだろう。

アイリーン・ニコルソン.マヤ・アステカの神話.松田幸雄 訳.青土社,1992,p.200

双子というと、メソアメリカではさながら奇形のように、不吉で縁起の悪いものとして恐れられる傾向がある。現に、犬の姿をしたメキシコ中央部のショロトルは、双子の神であると同時に奇形の神でもある。ドミニコ会士だったバルトロメ・デ・ラス・カサスによれば、アステカでは双子は両親の命とりになると考えられていたことから、双子が生まれると一人はその場で殺されてしまったという。しかし、双子の存在がことのほか恐れられたのは、親の幸福にかかわるためばかりではなかった。彼らは、創世神話の時代の象徴でもあった。アステカ、マヤを間わず、メソアメリカの諸部族の創世神話にひろく登場する双子は、多くの場合、怪物を退治したり人間が生きるための環境や物をつくる文化英雄として描かれている。しかし彼らは秩序をもたらす反面、実は争いや変化の象徴でもあったのである。

カール・タウベ.アステカ・マヤの神話.藤田美砂子 訳.丸善出版,1996,p.17

メキシコ中央部では、文化英雄のケツァルコアトルが双子の片われとされており、彼の名の”コアトル”も、ナワトル語で「双子」と「蛇」の両方の意味をもつ。ケツァルコアトルは、アステカの創世神話ではショロトルかテスカトリポカと対で描かれれることが多く、『ポポル・ヴフ』のフンアフプとシュバランケのように、はっきりそうと書かれているわけではないものの、この場合も双子の英雄という概念はうかがえる。双子はメソアメリカのみならず、中央アメリカ、南アメリカの低地、アメリカ南西部など周辺地域の創世神話にも登場することから、双子の英雄が新世界の太古からのモチーフであったことは間違いないだろう。

カール・タウベ.アステカ・マヤの神話.藤田美砂子 訳.丸善出版,1996,p.18


双子の英雄……双頭の英雄……連王グルージャジャ……
中の人たちがどこまで意図しているのかは分からないけど、こうやって資料を漁って、関連性を嗅ぎ当て、自分勝手に妄想して……そうして時間が溶けていく時が1番楽しいんだ……(オタクの聞いて、感じて、考えて)
でも、こういう神話ネタは考え始めたらキリがないので、一旦この話はここで終わり。
じゃあ次に行くね。

ふたつの大空

© SQUARE ENIX
© SQUARE ENIX

コンテンツファインダーに書かれている、ゾラージャ戦と極ゾラージャ戦の概要文。
もうこの文章たちだけでもエモなんだけど、Nぞぴ戦に「行き場のない大空の下に追い詰められたのだ。」と書かれてあるよね。
エバーキープ最上層(実際は11層)は雷雲の上に存在するから周りには青空が広がっている。
だけどこの空は障壁で囲われているから、遠くへ飛んでいくことは出来ないんだ。
ぞぴが欲しかったのは、あのどこまでも開かれた空の下にあったトライヨラの玉座なのにね……
黄金のレガシーの主題歌タイトルが「Open Sky - The Theme from Dawntrail」なのも皮肉だよ……
私はぞぴがトライヨラを去って脱ぎ捨ててしまった、あの羽根の付いた冠のことを翼のメタファーだと思っている。
だから、ぞぴはトライヨラを捨て、翼を捨て、そうして辿り着いた先があの閉じ込められた籠の中行き場のない大空の下だったんだろうね。

死の間際、大空に向かって手を伸ばすも……
最後まで……その手が天に届くことはなかったんだ。

旅する渡り鳥

エレネッシパの名前の由来はマガモ。
スペイン語でグルージャ(grulla)は鶴。
……どちらも渡り鳥。
グルージャのゲーム内でのスペルは Gulool Ja だからこじつけかもしれないけど、エレネッシパもグルージャもそれぞれ受け継いだものを抱えて前へ進み始めた。
Gulool Ja Ja として考えても良いね。どちらも、トラル大陸を、世界を旅する者たちという共通点がある。
Zoraal Ja も何か名前に意味があるのかな?と思っていろいろ調べてみたけれど、それらしいものは見つからなかった……
FF11が元ネタのキャラクターらしいから仕方ないのかもしれない。
それでも、またぞぴにだけ無いものが見つかってしまって、私は悲しくなったよ……
最初からぞぴには世界を渡る翼がなかったんだ……

金星の者たち

名前の由来の話で、今回の主人公であるウクラマトという名前には、絶対に何らかの意味が込められていると考えている。
Wuk Lamat ……
Lamat はツォルキン(マヤの儀式暦)に全く同じスペル、同じ読み方のラマトっていう日があるんだよね。
そしてマヤの人々は、生まれた日の神聖歴名称をそのまま名前につける習慣があったらしいんだ。

両者はいずれも日の名称であるが、インディオたちには生まれた日の名称をその名前としてつける習慣があった。そしてこのフン・フンアフプー Hun-Hunahpú の hun- は数字の1を、ヴクブ・フンアフプー Vucub-Hunahpú の vucub- は7を意味するが、これは日の名称には必ず数字を前置する習慣であったからである。すなわち、マヤ暦(キチェー暦もトルテックの暦も同じであった)には儀式暦(聖暦または宗教暦)と年暦の二つがあり、この儀式暦はマヤ語ではツォルキン tzolkin' キチェー語ではチョルキフ cholquih' メキシコ語ではトタルポフアリ totalpohualli とよばれ、二〇日間を一三度繰り返すことよりなる二六〇日(20×13)をもって一聖年としていた。

この聖暦は、マヤ文化(キチェーも含む)において最も重要視されていたもので、彼らの誕生日はこの生まれた日の名称をもって表わされ、その日の神が彼らの守護神とされ、グアテマラの内部地方では、この日の名称がそのまま名前としてつけられていたようである。

A.レシーノス.ポポル・ヴフ.林屋永吉 訳.中公文庫,1977,pp.211-212

ということは、ウク・ラマト(Wuk-Lamat)で、ウクは1から13までのいずれかの数字を表しているということ。
そして古典マヤ語では数字の7が wuk で、読みもスペルも同じだ。
Wuk-Lamat はツォルキンで128日目の日に生まれた子ということになる。
このことから、ウクラマトはツォルキン由来の名前ということが考えられるね。
第七霊災、第七星暦、七大天竜、七天七獄伝承、トールダン7世……
7はこの世界でよく使われている重要な数字だ。
ラマチの7は、どういった意味が込められているんだろう……
パッチ7.0、黄金のレガシーの主人公であることを表しているのかな……?
ちなみに Lamat という日には金星が関連付けられている。
金星ってさっきも出てきたよね、そう……ケツァルコアトルも金星の神だ。
そしてFF14で金星と言えば、ヴェーネスが思いつく。
ヴェーネス(Venas)の由来はハーデスやヘルメスと同じくギリシャ神話に登場する神、金星を象徴するアフロディーテ(ローマ神話:Venus ヴィーナス)だろう。
金星の異名でもある「明けの明星」……
それは明け方、まだ暗い空に太陽よりも先にのぼって輝く金星のこと。
つまり、太陽を連れてくる星……太陽の道筋を照らす星……
旅先で見つけたアゼムを連れてきたヴェーネス、そしてずっとヒカセンの旅を導いてくれたハイデリンにぴったりな星じゃないか。

■アゼムの系譜
「お前は冒険者として多くの土地を歩き、
 そこに生きる人々や文化を知り、愛し、愛されてきただろう
 お前が思うやり方でいい
 先達としてラマチと共に同じ路を歩き、
 ときに導き、ときに背中を押してやってほしい」
こうして直接会ってまでパパチがヒカセンに頼んできたのは
パパチが次代の王に求めていた精神を、ヒカセンが持っていたからではないかな
「私は、誰かに、何かに会いたくなって、思わず飛び出した
 この瞬間に輝く世界を、見て、聞いて、感じて、
 もっともっと知りたいと考えたのです
(中略)
 それらの合間に、人の営みが明かりを灯し、言の葉を響かせる
 そんな光景に胸が暖かくなった
 何より、出会う人そのものが、たまらなく好きだった」
この精神は先代アゼムであるヴェーネスとも似ているよね
ラマチ、パパチ、ヴェーネス、ヒカセン(アゼム)はみんな似たもの同士なんだろうね

99討滅後感想 ゾラージャという孤独な男の話

FF14で金星が関係する人物たちはみんな、愛に溢れている。
トライヨラの民を愛し、愛されるウクラマト(7-Venus)はその名の通り、7.0でのヒカセンの旅を、そしてトラル大陸に生きる人々を導く金星なんだね。


無告のヴィランズ

アレクサンドリアの連王

お互いの護りたいものが相容れないとき、
どうやって解決すべきか……キミならきっとわかるよね?

スフェーン

リビングメモリーでのスフェーンのこの問い……
その答えをヒカセンは知っているよ。
だって第一世界でエメトセルクに教えてもらったよね……

どうあっても意見が異なる……いくら話しても納得できない……
そんな相手との決着のつけ方を、知ってるか?
簡単なのは、カで打ちのめして、相手の主張を葬ることだ。
アラグでもガレマールでも、結局大勢はそれを支持したし、
事実、手っ取り早く繁栄をもたらした。
一方、戦いの末に、勝者の願いが優先されることになっても、
敗者もまた尊重され、ある種の和解に至ることがある。
そういう決着にもっていくのは、とても難しい……。
勝者が敗者を見下さず、憐れまず、敗者が勝者を仇としない。
その両方が必要だからだ。

エメトセルク

平和に話し合いで解決することが不可能な場合……
もう力で決着をつけるしかないんだよ……

だからここでの選択肢はもちろん……

「決着をつけよう」を選んだよ。
さあ、拳で話し合おうか……スフェーン……
ヒカセンはそういうの得意だからさ……

そしていよいよエターナルクイーン戦。
戦いの直前に、ヒカセンがスフェーンを回想するこのシーン。

回想ではこの先の言葉はノイズが入って語られなかったけど、これはヘリテージファウンドで初めてスフェーンと出会った時のセリフだ。

じゃあ、もしものときは……
キミが私を、助けてくれる?

スフェーン

だからこの先は、おそらく「助けてくれる?」と言っているのだろうね。
「止めてくれる?」とも「殺してくれる?」とも取れる流れだけど、どちらにせよ、彼女はもう立ち止まることの出来ないところまで来てしまった……どうか、そんな自分を止めてほしい……と伝えたかったのだろうね。
でも、彼女は最後まで「助けて」と言えなかったし、言わなかった。
だってスフェーンの願いは、みんなの笑顔を護ること。
そして、その”みんな”とはスフェーンにとっての家族、アレクサンドリアの民のことだ。

私は、旧アレクサンドリア王の記憶を受け継ぎし者。
愛する家族である民を護りたいという願いは、
どんな願いにも勝る!
家族を護るためなら……どんな犠牲も厭わない!

スフェーン

ところで、この宣言後に頭上にあったゲートが閉じられ、リビングメモリーとエバーキープの繋がりが断ち切られてしまったけど……
スフェーンのいう”みんな”に生きている民は入っていなかったの?
ええっエバーキープの生者たち見捨てちゃうのォ!?と思ったけど、「鍵」があるからまた繋ぐことも出来るし、単純にこのときはラマチたちの追手を撒くために閉じただけの可能性はある。
もしくは、コードブラッドによる虐殺を目にすることで極限状態となり、「永久人を護り続ける」という絶対的な使命が強く働くことによって、生者より永久人を優先する思考に陥っていたのかもしれない。
でもね……使命によるものか、自分の意思によるもの、どちらにせよ……
最初からスフェーンはわかっていたはずだよ。
自分の進もうとする路は、誰かを犠牲にする路だということを。
そして、こんな選択しか出来ない、誰かを傷つけようとする弱い自分を止めて欲しい……そんな想いが、スフェーンの心の奥底に残っていたんだろう。
だから初対面のあのとき、
「じゃあ、もしものときは……」(私がもう止まれなくなったときは)
「キミが私を、助けてくれる?」(キミが私を、止めてくれる?)
……と”問いかけて”きたんだろうね。
それでも……スフェーンには護りたいものがあった。
絶対に、譲れないものがあった。
だから彼女は引けないし、引くつもりもなかった。
だから……彼女は「助けて」と言わなかったんだ。

そして、スフェーンと同じく誰かに助けを求めなかったのが……
もう一人の連王、武王ゾラージャだ。

俺の路も、ここまでか……。
I walked a path of ruin...
(俺は破滅の路を歩んだ……)

()内は英文を翻訳したもの

ぞぴだって、自分の進もうとした路が正しくないとわかっていたんだ。
それでも、奇跡を証明したい……生きる理由を見つけたい……
父親に認められたい……という想いは、本物だったんだよ。
その想いの強さこそが、ヤースラニ荒野とアレクサンドリアを繋げたんだ。
「鍵」がその想いに答えて世界を繋げる力を発動させたことが……
そう、証明よ。
※「鍵」についての私の考えは後述します
じゃあその想いが本物なら、どうしてトライヨラを襲撃したとき、ぞぴは連王であるラマチとコナチを殺さなかったのか?
それは良心を捨てきれなかったからなんじゃないかな……?と前回の感想文で書いたよね。
でもメインをクリアした後だと、ぞぴもスフェーンと同じように自分を止めて欲しかったからなんじゃないかと思うようになったんだ。

■捨てきれなかった良心
トライヨラでは、建物そのものには大きな被害がなく
「本気で攻めて来てたら被害はこんなもんじゃない」とアリゼーが言っていたし
ソリューションナインでは、コマースセクターはほとんど無傷で経済が止まる心配はなく
食料プラントも無事で、食べ物に困ることはないというサブクエもあった
ぞぴがガチれば確実にトライヨラは落ちていたし、ソリューションナインだって壊滅出来たはず
なぜ重要箇所の攻撃だけは避けるような中途半端な攻め方をしたのか?
トライヨラに関してはわかるよ、後に占領するつもりだったとしたら全てを破壊するのは愚行だもの
ではソリューションナインは?住人から全ての魂を回収するというのなら
徹底的に破壊し尽くしても問題はなかっただろう
それに「奇跡の子」の証明をしたい、父親を超えたいというのなら
パパチを殺した時、あの場でラマチとコナチも同時に殺しても良かったのに
「この首を打ち取り、武王に相応しき器だと証明してみせよ」と言って引き下がったのはなぜ?
少なくともトライヨラを攻め落とすことが出来れば、ぞぴの作り上げた新生アレクサンドリア軍は
軍事力でトライヨラに勝っていたという証明にならないか?なぜそうしなかった?

……答えはおそらく、良心が残っていたから
私はね、ぞぴって完全に人の心を捨てきれていないんだろうなと思っている
サレージャのときは「もはや、お前は不要だ」ってためらいなく殺したのに
グルちゃのときは「お前は用済みだ、俺の前から消えろ」と何度も見逃し、殺さなかったよね
最後まで自分の子を殺せなかったのは、ぞぴにも良心の一欠片くらいは残っていたからだと思っている
そこには同時に、ぞぴの狡さ、甘さ、弱さなんかも含まれているけどね
たとえ石くれだろうと、命は等しく重いということを忘れてはいけないよ

それにぞぴって民に全く関心のない冷血漢って感じの描写ばかりだけど
モブリンのところで突然、落石の片付けの手伝いをしているんだよね
片付けから戻ってきたところしか描写されていないから詳細は分からないけれど
ラマチだってレディロクに直接手伝いを頼まれたわけじゃないから
ぞぴだってモブリンたちに頼まれたりなんてしていないだろう
試練開始まで待っていても良かったのに、なぜわざわざそんなことを?
尺の都合で削られたんだろうなって思う箇所が沢山ある中で
このシーンが削られなかったということは、おそらく何か意味があるはずなんだよね

落石を片付けてくれたことへの感謝と、「奇跡の子」への媚び、そして壺匠の下賜を願い出るために
ぞぴの側にかけ寄ってきたモブリンたちの前を、ぞぴがフルシカトして通り過ぎるこのシーン
ここから読み取れることは、ぞぴの民への無関心さ、民の「奇跡の子」への期待と下心
そして、目の前で困っている民がいれば
手を差し伸べてやるくらいの良心を、ぞぴも少しくらいは持っていた……ということだろう
サンクレッドが「己の目的にしか、興味がないものだと思っていたが」と意外そうにしたり
コナチがぞぴの行動を訝しむ様子を見せるのがまた良いよね
つまりみんな、ぞぴがなんの見返りもなく民に優しくするような奴だと思ってないってことだよ
愛い愛い、かわいそうな男だよ、本当に……(ペルペル族)

99討滅後感想 ゾラージャという孤独な男の話

路を誤った自分を止めてほしいと思うということは、良心……倫理……理性……そういった人の心を持ち得なければ考えつかないものだと思う。
だから、ぞぴはラマチやスフェーンのように民を愛することはなかったけれど、人の心を持っていなかったとは決して言えないんだ。
だからこそ、ぞぴはあんなに苦しんでいたんだろうね。
ゼノスのように虐殺を「狩り」として愉しみ、自分の愉しみの邪魔になると判断すれば平然と親殺しをするような狂人だったら、ここまで悩むこともなかったのに。
ぞぴはあまりにも、普通の人すぎたんだ……
王の実子として生まれ、誰にも自分を理解されず孤独に生きてきた両者。
だけどゼノスは、アリゼーの助言を聞き入れた。
他者の言葉を素直に受け入れたから、ゼノスは最後に戦いを愉しむことができたんだよ。
ぞぴにはそれが出来なかったから、最後まで満たされなかったんだ……

証明という引導

アレクサンドリアの連王たちは、誰かに自分を止めて欲しかった。
もう……自分では立ち止まることが出来なかったから。
似たような相手と、ヒカセンたちは以前にも戦ったことがあるよね。
たくさんの記憶と、託された想いを背負い込んで、自分の”役”から降りられなくなってしまった人……

そう、アシエン・エメトセルク。
彼もまた、護りたいものがあった。
諦めることなんて、絶対に出来なかった。

というか……根が真面目な彼のことだ、
厭だ厭だと言いながら、背負ったものを、
誰にも託せなくなっているんだろう。
……残酷な役回りだよ、本当にね。

ヒュトロダエウス

彼は己の役目を果たそうと、最後まで戦い続けてきた。
それでも、真なる人であったエメトセルクでさえ、1万2千年の時の中で少しずつ擦り切れてゆき、たった2人の運命を共にする仲間たちも記憶や人格が崩れていったんだ。

……私はそろそろ見つけたいんだ。
今ひとときの痛みに耐えてでも、より悲劇の少ない道を選べる、
そんな強さを持つ相手を。

エメトセルク

誰にも頼ることなど出来ず、永遠のような孤独の中で、彼はひそかに考えていたんだろう。
新しい人類に、この星の未来を託すという路を。
そして裁定のため、第一世界でヒカセンたちに罪喰い討伐をさせたのだったよね。

お前たちは、私にとって裁定の材料だった。
今の人類の精神性や強さ、可能性を知るための。
だから興味があったのは事実、教えたことも事実。
結果によっては、味方として取り込むに値するとも思っていた。
ただし、合格の最低条件は、
こいつがすべての光を飲み込んだ上で、
それを自在に制御できるようになることだった。
それくらいでなければ、価値がない。
手を取るほどの強者とは、認められない。

エメトセルク

結果は不合格。
そこで見限ってしまえばいいものを、なぜかエメトセルクはヒカセンたちを自らの根城に招き入れようとした。

なまじ知性が残って、堪えがたくなったら、
私のもとに来るがいい。
せめて嗤って、すべてを見届けてやろう。
テンペストと呼ばれる、黒き海の底。
その暗がりに、私の根城がある……。
ではな、化け物…………。

エメトセルク

エルピスでこの話を聞かされたエメトセルクが「自ら計画失敗の要因を作ったようなものじゃないか。」と憤っていたよね。
でも彼は……1万2千年もの時間を孤独に戦ってきたエメトセルクは、この星の未来を託しても大丈夫だと思える相手が現れることを、ずっと期待していたんだ。
だから、エメトセルクは何度もチャンスをくれたんだよ。

未来へ継がれることを望んでいるのは……
あなたも同じではないのですか?

ウリエンジェ

ときに、闇を奉ずる「夜の民」たちの間では、
真の名を明かすことが、特別な行為であるのを知っているかい?
契りのとき、そして葬列において……。
その理屈を持ち出すなら、彼がエメトセルクではなく、
ハーデスの名を掲げて対峙したことにも、
意味を見いだせるかもしれないね……。

異世界の詩人

最後の戦いの前、彼は自らの真名を名乗った。
異世界の詩人が語るように、きっとエメトセルクはここで終わるつもりだったんだ。

同じでなど、あるものか。
お前たちのような「なりそこない」より、
生きるべきは、完全なる者だ……。
違うと言うなら、証明してみろ。
お前たちが私たちよりも強く、残るべき存在であると。

エメトセルク

「証明してみろ。」
きっとその言葉に含まれる意味は、自分を打ち負かしてみろ、自分を納得させてみろ……そして、自分を終わらせろ……と言っていたのだろうね。

ところで、これを直球に伝えてきた人がいたよね。
自分の首を討ち取ってみろ……と。
そう、ぞぴだよ。

武王ウクラマト。
お前が持つ最大の力を以てして、
「我が国」に攻め入ってこい。
そして俺が先代にしたように、この首を打ち取り、
武王に相応しき器だと証明してみせよ。

ゾラージャ

みんな、みんな、自分を止めてほしい……終わらせてほしい……
そんな想いを心に秘めていたんだ。
苦しみながら、悩みながら、それでも自分の使命や願いを諦めることは絶対に出来ないと、誰かに助けを求めることも出来ず、ずっと孤独にあがき続けてきた人たちなんだ……
最高だよ……みんな、なんて味わい深いヴィランズなんだ……

・余談
さすが真なる人というか……
エメトセルクって向こうから歩み寄ってきて、こちらに彼らを知る機会を与えてくれているんだよね。

エメトセルク:
協力関係を結ぼう。
お前たちの大罪喰い討伐を邪魔しないし、
必要であれば、知恵も力も、もちろん貸そう。

アルフィノ:
何を言っている……!?
君たちは、すでに何度も霊災を……世界統合を起こしてきた。
今だって、そのために動いているはず……!

エメトセルク:
もちろん、それは私たちの宿願だ。
だが、なぜそれを望むのか、お前たちは知らないだろう?
互いを知らないまま殴り合い続けることほど、
野蛮で不毛なこともあるまい。
一度くらいは、冷静に歩み寄ってみるべきじゃないか?

幸か不幸か、私は「不滅なる者」。
やる気さえあれば、計画は何度でも立て直せる。
その前に、向き合ってやってもいいかなと思ったのさ。
当世の英雄が、何を願い、何を為し……
本当に私たちと相いれないのか。
だからお前たちも、向き合えよ。
謂れも知らず忌み続けてきた、私たちアシエンに。
その果てに、案外……
わかりあって手を取り合う道も、あるかもしれないぞ?

漆黒のヴィランズ メインクエスト「運命はまた廻る」

パパチのあの言葉、「無知ゆえに争い、知りて絆を結ぶ」じゃないか……
「お前が聞く耳さえ持つことができたなら、私はいつでも、真実の淵から語りかける。」と言っていたように、エメトセルクはヒントトークでもこちらから質問することは何でも丁寧に教えてくれたよね。
この人、漆黒の時点で黄金のテーマのひとつを先取りしているよ。
エメトセルク……本当に恐ろしく魅力的な男だよ……


散りばめられた謎

アゼムの「鍵」

今回登場した重要アイテム、「鍵」と呼ばれるアーティファクト。
「鍵」と言うけど、ずいぶんと形状が聖杯だね?
聖杯といえば、魔女の大鍋とか奇跡をもたらす魔法の器とか、そういった特別な意味を持つアイテムだ。
「世界を繋ぐ力」を持つそうだけど、きっとそれ以上にすごい力を秘めているんだろう……なんたって聖杯だもの。
そして、この「鍵」を長年研究してきたプリザベーションでさえ、完全に仕組みを解明することは出来なかったらしい。
改造を施すことで、 扉を開閉させられるまでしか彼らには出来なかったというけれど、ぞぴもスフェーンも「鍵」を使って世界を繋げてみせたよね。
プリザベーションについては、まだまだ謎が多いからこれからのパッチで語られるんだろうなと思うけれど、連王たちが「鍵」で見事に世界を繋げたのに、プリザベーションは「鍵」が使えなかったのだろうか?
そもそもロボルたちミララ族が「鍵」を使って帰郷を試みたが、出来なかったというのも謎だ。
というのも、私はこの「鍵」の発動に使うエネルギーはアゼムのクリスタルと同じく「想いが動かす力」……つまりデュナミスだと考えている。

アレクサンドリアにはこんな伝承がある。
はるか、はるか遠い昔……別の世界から厄災を逃れるために、
特別な力を使ってやってきた一族がいると……。
その力を発動させるための「鍵」は、
人々の強い願いに呼応するとされ……
ときに様々な場面で奇跡を起こしてきたという。

スフェーン

このスフェーンのセリフから、デュナミスが関係していると予想できる。
きっと「鍵」はアゼムのクリスタルに込められている「しかるべき星を喚び寄せる」術が由来のものなんだろうね。
けれど、それなら……なぜプリザベーションやロボルたちには使えず、スフェーンやぞぴが使えたのか?という話になる。
彼らは想いの強さが足りなかった?いや、そんなことはないはずだ……
他にも謎はある。
「鍵」にアゼムのマークがあるのに、エメトセルクやハイデリンが「鍵」の存在を言及しなかったということは、「鍵」を知らなかった?
(追加設定だとかメタな話は極力考えずにいきたい)
だとすれば、アゼムは十四人委員会を離脱し、ヴェーネス派の勧誘にも応じずに終末は何をしていたのかというと、一人で「鍵」を創っていたのでは?
ではなぜ、古代人であるアゼムがエーテルではなくデュナミスを「鍵」のエネルギーとしたのだろう?
ヒカセンがエルピスへやって来ることをアゼムが予言した、とテミスが言っていたから、もしかしたらアゼムは未来視が出来たのかも知れない。
アゼムの真名がアポロンだとすれば、元ネタから考えると、アゼムに予言が出来ることは何もおかしくない。
そう考えるとアゼムはエーテルの薄い、分かたれた未来の人類向けに、あえてデュナミスで作動するように創ったのかも知れない。
でも……「鍵」は一体何に使うことを目的として創られたのだろう?

もしかして君は、 人を元気づけるために創られた使い魔なのかな……?
アゼム様ならそんな子も創りそうな気がするよ。

カルミオン

未来の人類に笑顔や希望をもたらすようなものを創りたかったんだろうか……?
いや……そもそも、十四人委員会とヴェーネス派のどちらにも属さないということは、どちらのやり方もアゼムには納得出来ないものだったのでは?
ゾディアークはエリディブスを、ハイデリンはヴェーネスを核とし、多くの人の命を生贄にするやり方を、アゼムは良しとしないだろう。
少なくともヒカセンはそんな選択肢を選ばないと思う。
……なんて言ったら暁月のストーリーを否定することになるかな。
十四人委員会の真名の法則が、ギリシャ神話に基づく太陽系天体だとは言い切れないけど……
私は太陽に近ければ近い星ほどアゼムに似ているんじゃないかと思っている。
つまりヘルメス、次いでヴェーネスがアゼムに近い感性……つまり古代人らしくない人であって、逆に1番遠いハーデスが、アゼムとはかけ離れた人(古代人らしい人)だと妄想しているんだよね。
だから、ヘルメスの持つ、命に対する疑問を……
ヴェーネスの考える、生きる強さというものを……
アゼムはどちらも共感することが出来たんじゃないかな。
そしてアゼムが未来視の力で、暁月の結末を知っていたとしたら……?
アゼムが姿を消したのは、十四人委員会やヴェーネス派のように、終末の危機を乗り越えるという目的のためではなかったのかもしれない。
終末を超えた、もっとその先……
未来を歩みゆく人類に向けて、第十四の座として……
困難を解決しようとした、人々を繋ごうとした……ということだろうか?
うーん……漠然としすぎている。
多分、世界中の人々と手を取り合えるようにってことなんだろうけど……
でもヤシュトラが「世界を繋ぐ力」を「私には、そんな都合のいい代物には視えなかったけれど。」と言っていたのが怖いよ。
「世界を繋ぐ力」って、一体何なんだ……

あと、もうひとつ気になること。
エターナルクイーン戦のフェーズ2で、フィールドが黄金に変わったよね。

そしてロケーション名が次元黄道。
黄道とは、一年をかけて太陽がゆっくりと星座間を移動する道。
そしてこの星座というのが、黄道13星座……十四人委員会のモチーフだね。

命のかぎり歩み 地上の星々を繋がんとした
親愛なる者の記録をここに
お前が手繰れば 運命は集うだろう
たとえ今は天地に隔たれ 心隔たれていようとも
第十四の座――その名を アゼム

エメトセルク

地上の星々を繋がんとしたっていうのは、人々や運命の比喩表現だと思うけど、もし……「鍵」によって宇宙の星々をも繋ごうとしていたら?

……アーテリスは、エーテルが特別に濃い星だ。
それこそ、名の由来になるほどに。
だが、宇宙全体でみれば……
計算上、すべての質量とエネルギーの68.3%を、
デュナミスが占めると考えられている。

天を、宇宙を翔ぶものを、創りたかった。
そのために、星外では補給しにくくなるエーテルではなく、
別の力を利用できるようにしてはどうかと考えたんだ……。

ヘルメス

宇宙をも繋げるなら、メーティオンのようにデュナミスをエネルギーにしたほうが都合がいい。
暁月やヒルディブランドでは星外生命が登場したし、ヤクテル樹海の隕石の謎も残されている……
もしかして「鍵」は別次元、別宇宙をも繋ぐ代物なのでは?
となると……アーテリスに生きる生命だけではなく、オメガとか聖天使アルテマとかの星外生命たちとも繋がれるってこと?
規模がデカすぎる……

あともうひとつ、ミララ族は「世界を繋ぐ力」で、黄金の路を渡ってアレクサンドリアにやってきたらしいけど、それって……次元黄道のことかな?

ミララ族には、古くから受け継がれてきた「秘宝」がありました。
それは莫大な力を秘めた結晶でしたが、
いつどのようにもたらされたのか、由来は伝わっていません。
彼らの島に「氷の災厄」が訪れた際、
神子たちは「秘宝」に救いを求め、祈り続けました。
そして祈りの果てに、彼らの前に路が現れました。
かくしてミララ族は暁光の如き輝きを放つ黄金の路を渡り、
新たな土地へと逃れることができたのです。

弐の章

でも黄金郷の扉を通ったときは、そんなシーンなかったよね……
あれは「鍵」の力で開いたゲートじゃないのかな?
でもヤシュトラが「歪みが一切感じられず、正しく世界の接点が生じている。」って言ってたから、やっぱり「鍵」の「世界を繋ぐ力」で繋がれたものだと思うんだけどな……
うーん……何もわからない……

黄金郷の夢

サカ・トラル出征の少し前のことだ。
祖先たちは、夢の中で黄金に輝く国を視たという。
永遠を生きる人々が、争いも貧しさもなく、
ただ幸せのうちに暮らす理想の世界だ……。
この夢を視たのがひとりなら、ただの笑い話で終わっただろう。
だが、同時期に数十、数百の祖先たちが同じ夢を視たことで、
当時の祭司たちは、神からの啓示だと考えた。

グーフールー

ヴォーポーローさんから聞いた話を覚えている?
かつてヤクテル樹海に住んでいたヨカフイ族だけが、
黄金郷の夢を視たってこと。
強いエーテルを帯びた存在が、
魔法的な才がある者の精神に影響を及ぼして、
ビジョンを視させることは、稀にある現象なのよ。
グーフールーさんの戦いぶりから察するに、
ヨカフイ族には、資質を持つものが少なくなかった。
そして彼らは受け取ったんだわ……
ここヤクテル樹海のどこかにある黄金郷……そのヴィジョンを。

クルル

多くの人々が一斉に幻視するといえば……流星雨。
流星雨はハイデリンが視せていた幻影だ。
眷属を求めて……特に霊災が差し迫った時ほど、彼女は幻影の星を降らせていた。
でもヨカフイ族たちが視たのは流星雨じゃない。
黄金郷……リビングメモリーの光景だ。

ヴォーポーロー:
黄金に輝く国の夢か……
たしかに、サカ・トラルへの進出の直前に、
そのような夢を視たという記録が残っている。
一面が黄金に輝く、天上に創られし国。
そこでは、まるで神々のように永遠の時を生きる人々が、
悩むことも争うこともなく、幸せのうちに暮らしているという。
宮殿と見紛うほど壮麗な建造物が並び、
その中央には、ヨカフイ族すら仰ぎ見なければならぬほど、
巨大な女神の像が鎮座していたそうだ。
その夢を視た者たちは、取り憑かれたように、
黄金の国を探すことに躍起になり……
多くがサカ・トラルへの出征で命を落とすことになった。

クルル:
ウケブさんが教えてくれた、
「黄金郷を探しにいった者は、生きて帰ってはこない」って話……
この歴史的な事件を発端としているのかも。

ヴォーポーロー:
さあな、真実がどこにあるのかはわからん。
祖先があの森を去ったころから、黄金郷の夢を視る者も、
いなくなったというからな……。
そもそも件の夢を視たのは、
ヤクテル樹海で採石に携わっていた者たちだと聞く。
だが、風土病と出生の減少により、勢力を後退させたことで、
かの森からも去らねばならなくなった。
こうして根拠地たるオルコ・パチャに退いてからというもの、
我らも黄金の国の夢を視ることはなくなったのだ。

黄金のレガシー メインクエスト「封の試練」

この夢を視た者たちは、取り憑かれたように黄金郷を探すことに躍起になった……
ねえ……これってさ……テンパード化されてない?
ちなみに探検手帳に、ジャティーカ央森は「眷族の森」を意味すると書いてある。
眷属……つまりテンパードの森ってコト!?こわ……
じゃあ元凶の蛮神はどこにいるのかというと、あの隕石な気もするけど……黄金郷の扉の向こうにいる存在という可能性もある。
暗黒クエの話をした時に私言ったよね……スフェーンは蛮神みたいだって。

だれか……える……!?

……やっと繋がった!

扉の先から響く声

ぞぴが黄金郷への扉を開こうとした時のこのスフェーンのセリフ……
まるで、ずっとこちら側へ呼びかけをしていたような反応だよね。
まあ……扉の異変を察知して、飛んできたという可能性もあるけど。
でも、エーテルが足りず蛮神として弱体化していた可能性を考慮しても、ぞぴ1人くらいならテンパ化させて対処できそうだし、本当に蛮神ならヤシュトラが何か気付きそうだし……
正直スフェーン蛮神説は、穴だらけで確信は持てない。

隕石原因説は結構強いんだけど、それだと黄金郷を探すことに取り憑かれるってのがわからない……
ビジョンを視るだけなら、そんなことにはならない気がするんだけどな……

磁鉄鉱がくっついただろ。
つまり、その岩には鉄が含まれてるってことだ。
一説では、大昔に天から降り注いだ隕石らしい……。
しかも、この隕石は、
今なお異質なエーテルを放射してるらしくてな。
周辺の植物が、青く発光する原因になってるそうだ。

エレンヴィル

ただ、あの隕石は異質なエーテルを放出している。
その影響で、ジャティーカ央林の環境は特殊なものになっているって説明されたよね。
環境を変えてしまうくらいの異質なエーテルってなんだろう。
植物が巨大化とかしてるから星極性のエーテルとかだと思うんだけど……?
でも、◯◯属性のエーテルじゃなくて、”異質な”エーテルなんだよね……
謎が尽きないよ……
そもそもテンパ化しても、信仰対象がいなくないか?
黄金郷が信仰対象?じゃあ黄金郷が何らかのエーテルを放ったとでもいうのか?
もしくは単純に、星極性化することでアシエンたちのように陽キャに傾いて積極性を増した結果、ビジョンでみた黄金郷を探すことに躍起になった?
うーん、もしかしてこれってスフェーンの想いと隕石エーテルの相乗効果とかだったりするのかな……
でも隕石にも原因があるのなら、マムークに生きる人たちの体は大丈夫なの?となる。
……たしか、黄金郷のビジョンを視たのは、採石に携わっていたヨカフイ族だったよね。
天深きセノーテのフィールドは、
1ボスまでが、壺が沈められた兄弟たちの墓
2ボスまでが、ヨカフイ族の石切場
3ボスまでが、エレクトロープが混じったヨカフイ族の遺跡
となっている。
ヨカフイ族が撤退してから、天深きセノーテは封印されていた。
だから黄金郷の夢を視る者がいなくなったんだろうね。
やはり、黄金郷からも何かしらのエーテルが放射されているのでは……?

ところで、エレクトロープとヨカフイ族の遺跡が混じっているのは何なのだろう……ゴーレムにもエレクトロープが混じっているんだよね……
こちらの世界と繋がった時に、融合した?
うわあ、何もわからない……
そもそもあの隕石、一体なんなんだ……
……多分元ネタは、恐竜を絶滅させた隕石だと思うけどね。
セノーテといえばユカタン半島。
ユカタン半島で隕石といえば、巨大隕石チクシュルーブ。
恐竜大好きキッズで良かった。ありがとうトリケラトプス。
そして隕石衝突時に舞い上がった塵によって、急激な寒冷化が地球を襲ったとされる……

……寒冷化?
もしかして、第五霊災?大氷雪時代?

事の始まりは……
私たちミララ族が先祖より語り継いできた、ひとつの伝承にある。
はるか昔のこと、ミララ族は異なる世界で生きてきた。
そこは一年を通じて美しい花が咲き誇る、
常夏の理想郷であったという。
だが、災いが起こって海が凍りつき、
多くの犠牲が出るなかで、先祖たちは秘宝に救いを求めた。
そして、その力により路を拓き、世界を渡ったのだ。

ロボル

アロアロ島のララフェルが「世界を繋ぐ力」でアレクサンドリアに逃げる羽目になった、氷の災厄の原初世界側での原因はこれだったりする?
ヤクテル樹海に落ちた隕石マジででかいもんな……

© SQUARE ENIX

この見事なクレーターよ……
まあどっちかっていうと、窪んだ部分の周囲がやたら突出している気もするけど。

ところでこのトラル大陸の地図で気になるのがもうひとつあって……
それが、ヨカ・トラルとサカ・トラルの間にある亀裂。
そう……大瀑布。

なんで海に大瀑布があるんだ!?
どうなってんだこの星は……まあ、雲海とかもあるしな……
地震起きたらやばいところにトライヨラ建ってるけど、イシュガルドも相当やばいところにあるもんな……
それにしてもこれ、底はどうなっているんだろう……
いや……そんなことよりもこの裂け目にゾーゴー永結橋を架けたヨカフイ族がすごいよ……
彼ら、ゴーレムみたいなの造ってたし……それでなんとか工事したのかな……
ちなみに、ラマチがこの橋の紹介をしてくれたとき、数百年前にヨカフイ族が造ったらしいと説明してくれたけど、この橋って多分千年前にはあると思うんだよね。
1000年以上前、この頃がヨカフイ族の隆盛期で、ヨカ・トラルを支配した。
そして1000年前、彼らがサカ・トラルへ出征した。
ヨカ・トラル支配後に、さらなる勢力の拡大を狙って北を目指したこと。
そして、橋の完成に100年の歳月がかかったことから、ヨカフイ族がヨカ・トラルを支配したのは、少なくとも1100年以上前の話になる。
黄金郷の夢を視た者たちは、取り憑かれたように黄金郷を探すことに躍起になったとあるから、それで頑張って橋を架けたのかな?と思ったんだけど、夢を視たのが出征の直前らしいからな……
ゾーゴー永結橋はヨカフイ族がシラフで造ったんだね。すごいや。
ところで、ラマチは王宮で真面目に座学受けてなかったんか?(煽り)
ずるいずるいずるい!私も理王から勉強教えてもらいたいよ。
ラマチとコナチが死ぬほど羨ましいよ~ッ!
なんとかしてパパチの養子にしてくれないか?(夢子供)
自分、養子やれます。やらせてください。

話が逸れた……ゾーゴー永結橋の話に戻ろう。

トラル大陸は、厳密にはふたつの大陸に分かれてる。
トライヨラの街がある母なる南部大陸「ヨカ・トラル」と、
橋の先に広がる父なる北部大陸「サカ・トラル」だな。
神話では、もともとひとつの大陸だったそうだ。
太古の昔に二柱の神が戦ったとき、一方の神が倒れた衝撃で、
大地に亀裂が入って、ふたつに分かれたって伝えられてる。

ウクラマト

ラマチが橋の紹介をしてくれたときに語ったこの神話。
「なんだか、ハイデリンとゾディアークの関係を思い起こさせる、壮大な神話ね。」ってクルルも言ってたけど、本当にその通りだよ。
この亀裂って、世界を分かつハイデリンキックの衝撃で出来たものだったりしない?
じゃあ相当深い亀裂が入ってても、おかしくないよね?
それこそ地脈や……星海まで達している可能性だってある。
トライヨラが終末の被害を受けなかったのは、この地域の天脈が濃いからだと思っていたけど、もしかしたら……
この亀裂からエーテルが放出されていたとか?
ちなみにこの亀裂、西の方が大きくなっているよね。
おそらく南方大陸メラシディア……オーストラリアのあたりでハイデリンキックが炸裂したんだろうか。
エメトセルクの宿題にも、メラシディアの今を知っているか?とあったから、いずれ訪れることになるんだろうね。
この亀裂からエーテルが放出されているのが真だとしたら、メラシディアも終末の被害を受けなかったし、過去にアラグ帝国に蹂躙されたとはいえ、現在はトラル大陸以上に自然豊かな大地なのかもしれないね。

エーテルの話で思い出したけど……オルコ・パチャにいるブラッドサッカー。

案内役がブラッドサッカーになって、お客人を襲った……?
そんな、まさか……
す、すまぬ、あまりに衝撃的で言葉を失った。
ブラッドサッカーがのように擬態するなど、聞いたことがない。
かつて理王は、近年になって出現したブラッドサッカーのことを、
別の世界からきた「妖異」なる存在だろうと語っていた。
一方で、星の彼方からやってきた「宙人そらびと」だと、
異なる説を唱える者もいたな……。
いずれの説も半信半疑で聞いていたのだが、まさか……。

ダバーガー

あいつって妖異とか星外生命の可能性があると言われているけど、黄金郷の扉があるのも、隕石が落ちたのも、それはヤクテル樹海でのことだよね。
なんでこんなに遠く離れた山の上にいるんだ?
私はこれ、ウケブが教えてくれた「黄金郷を探しにいった者は、生きて帰ってはこない」って話と繋がってる可能性をみている。
サカ・トラル出征で多くの犠牲が出たことである説も、もちろんアリなんだけど……
……第一世界でタドリクが、人を魔物化させていたよね。
エーテルを活性化させて、その成れ果てが魔物となった。
隕石のエーテルを浴びすぎて、エーテルが星極性……つまり活性化しすぎた結果、採石場で働いていたヨカフイ族が一部魔物に転じたのでは?
そして、故郷のオルコ・パチャに戻ってきた……?
サブクエでヒカセンを襲ったブラッドサッカーは片言で喋っていた。
タドリクによって魔物化したソールディアも片言で喋っていたよね。
それに見た目も、みんなヴォイドの妖異みたいだった。
うーん、考えすぎかも。
でもヨカフイ族の集落、ウォーラーの残響のすぐ側にブラッドサッカーがいるってのが気になるんだよね……
謎だね……

それにしてもヨカフイ族、でかいし強いし優秀だしで古代人みたいだよね。
昔はみんなグーフールー並の大きさだったそうだし。

そもそも、私たちが戦い続けていたのは、
このオルコ・パチャの平和を護るためだったのです。
遙か昔、ヨカフイ族の始祖は、この大陸に我らとは違う見た目、
違う考え方を持った部族がいると知りました。
いつか彼らが、私たちのもとへ攻めてくると考えた。
故に、先にこちらから打って出ることにしたのです。
ですが、そうして戦い続ければ戦い続けるほど、
本当に欲しかった平和は遠ざかっていった……。
そして、サカ・トラル出征が失敗に終わって故郷に戻ったとき、
祖先たちは……ようやく気づいたのです。
私たちが望んだものは、始めからここにあったのだ、と。
生まれ育った場所で、記憶を石に刻みながら生きる。
それこそが私たちにとっての真の平和だったのです。

実直なヨカフイ族

これなんか、暁月の青い鳥メーティオンの話を思い出すよね。
あと、ヨカフイ族の死生観ってなんだか……永久人と似ているところがあるよね。

そもそも我らが考える「死」は、君たちのそれとは異なる。
人が死ぬのは、心臓が止まったときではない。
自己の存在が、すべての人々の心から消え去ったときだ。

穏やかなヨカフイ族

お前たち……ヨカフイ族の墓は見たな……?
わしは……あいつらの考えが好きでな……。

肉体はいつか終わりを迎えても……
忘れられぬ限り、真の死には至らない……
わしの想いを、お前たちが受け継ぐ限り……
連王グルージャジャは死んだことにはならんのだ……

武のグルージャジャ

このヨカフイ族の死生観っていつ頃から現れたものなのかわからないけど、もしかしたら黄金郷の夢を視たあとの話だったりするのかな……?
だとしたら、彼らは永久人を知るほどの詳細なビジョンを視たことになるんだろうね。

……そっか、キミたちは彼らのことを知らないから、
永久人を「死者」だなんて思っちゃうんだ。
でも、彼らは死んでない。
誰かが憶えている限り、命に終わりはないんだよ。
キミならわかるよね?
そこにいるカフキワさんが、命なき空っぽの存在で、
消えてもいい人だなんて、私は絶対に思えない!

スフェーン

それにしても永久人って難しい存在だよね。
永久人は記憶から再現された故人。
肉体も魂も必要なく、記憶だけにその人の同一性を求めているんだ。
永久人の存在を現代的に言うと、故人AIかもね。
もっと先の未来で、AIの技術が進んだら故人AIの問題って大きくなるんだろうなあ……
めちゃくちゃ精巧な故人AIロボとか出てきたらと思うと怖いよ。
手塚治虫の未来の世界が現実になってくるって、ちょっとドキドキするね。
というか、永久人をAIだと捉えると、スフェーンという管理者AIが、AIのAIによるAIのための楽園を維持するために、生者を殺戮しようとする話なんだよな……
なんかそう考えると熱いよね。そういう映画ありそう。
あとは、同一性問題の思考実験とか面白いんだけど考え始めると終わりがないから、ここでは触れない。
でも我々と違って、古代人たちは魂に対して個人の同一性を見出していたは面白いよね。
記憶のクリスタルで転生組のアシエンを量産していたし、記憶はあんまり重要視されていないんだろうね。
同じアゼムの魂を持つヒカセンのことを、我々プレイヤーが思っているよりもずっと強く、同じ人だと……あなたはアゼムだと古代人たちは認識していたのかもね。

アロアロ島の秘宝

アロアロ島の神子像のある場所も黄金色なんだよな……
ところで、アロアロ島の宝玉……これは秘宝とはまた別のものなのかな?
赤い玉……太陽……アゼム玉?

数千年前、忽然と姿を消したとされる「忘れられた人々」……
島には、彼らが遺したとされる大いなる神子像と、
これを祀る祭祀場がございます。
その像に据えられた宝玉が持つ「自然を育む力」によって、
島には豊かな環境がつくりだされているのです!
後世に島へ渡ってきたヒトも、その恩恵を受けておりました。

カリカ

「自然を育む力」……?「世界を繋ぐ力」とはまた違った力なのかな?
自然を育むといえば、環境エーテル。
環境エーテルが濃い土地ほど、人や生物の住みやすい環境となり、多くの生命が生まれる傾向にある。
この宝玉は、環境エーテルを整えたり増やしたりする力があるのかな?
じゃあ、もし……「世界を繋ぐ力」と「自然を育む力」が、どちらもアゼムによって創られた術なのだとしたら?

生きる者を失くした星に……悲しみに荒れた大地に……
いつかまた、命が巡って芽吹くよう……。
雨として降り注ぎ、風として舞い上がる、希望の唄を……!

メーティオン

星々に命が満ちるようにと、メーティオンは希望を謳った。
もしかして、アゼムはメーティオンと同じようなことをしようとした?
もしそうだとしたら、アゼム……希望を運ぶ青い鳥……ならぬ、希望を運ぶ渡り鳥だな……


小ネタ集

どこかに入れるつもりで書いてたけど、入れる場所がなかった没ネタとかのまとめだよ。

例の決意表明ポーズ

だったら……
おふくろの夢は俺が継いでやる!
こいつらと出会って、ここまで来れた。
悔しいけど、あんたの言うとおり世界が広がったんだ。
だから、あんたが行けなかった場所まで旅をする……
あんたの……おふくろの夢は、俺が叶える……必ず!

エレンヴィル

これ見た瞬間、アーモロートのエメトセルクが浮かんだ。

私を見ろ……!
ほかの誰よりも長く、お前たちに交じって生きてきた!
ともに飯を食らい、戦い、患い、老いもした。
傍らで死を見送り、ときには子を成したことさえある。
そうして幾度も測り、その度に判じてきたのだ!
お前たちは愚かで、弱く、この星を護って生きていくには足りないと!

エメトセルク

エバーキープ最上層でのスフェーンもそれっぽかったけど、手の動きが逆なんだよね。
エレンヴィルはカメラワークまで似てて、これは意図してるなと感じた。

紅蓮と黄金

私はFFシリーズってFF14しかやったことないから過去作品ネタはわからないし、そうでなくても私のメインストーリー展開予想は毎回外れる。
でもこうやって深堀りしたり妄想したりするのが楽しいから、今後の下地作りとして、謎がいっぱい出てきた黄金のストーリーはワクワクしちゃうね。
謎の多さやストーリーの内容的にも、紅蓮を思い出すよ……
暁月はもちろん、漆黒も物語のフィナーレに向けて走り出していたから結構謎は回収されてしまっていて、こうやってあれこれと妄想できるところが紅蓮よりも少なめだったんだよね。
じゃあここで、好きな紅蓮のセリフ発表ドラゴン。

アンタたちを襲った奴らは確かにこの集落の若者だろう。
あの子たちはね、帝国支配下で生まれて、
犬畜生みたいに扱われてきたんだ。
何度も何度も殴られて屈服させられて、
飢えの中でエサを与えられれば、犬のように従う者も出てきちまう。
圧倒的な暴力の前には、抗う心を抱く隙すらないんだ。
特にラジアタは、帝国軍からの雇用に依存してきた村だ。
そんな場所で生まれ、育てられた子どもたちが生き残るために、
帝国の犬になったとしても、アタシには責められない。
それをクソだと言い切る奴らは、きっと問答無用で殴られて、
生き方を強制されたこともなければ、
死の匂いを感じるほどの飢餓を経験したこともないはずだ。
この村の大部分の者たちは、
解放を喜び、心の底からアンタたちに感謝している。
ただ、心の底に恐怖が染みついちまった連中もいるってこと、
許さなくてもいいから、覚えておいてくれ……。

スターク・ウォード

これは解放運動に参加するヒカセンとリセを帝国に売って、市民権を得ようと目論んだラジアタの住人に襲われるというクエストのセリフだ。
私たちはアラミゴ解放のために命がけで戦ったのに!と憤るメ・ナーゴに対して、スターク・ウォードさんがこう言ったんだよ。
アラミゴやドマの現実を正直に表した、辛くてやりきれないセリフだね……
これは紅蓮の中で一番印象に残っているよ。
そして、このセリフに対する返答がこれ。

アタシはもう迷わないよ。今すぐにはわかりあえなくても……
たとえ憎まれることがあっても、帝国の奴らを追い出す。
そして、少しずつ変わっていけるようにするんだ。

リセ

なんだかラマチみたいだよね……
リセはアラガーナで募兵活動をしていた頃と違って、現実を知った。
ラマチもトライヨラしか知らない頃と違って、世界の広さを知った。
二人は旅の中で、様々な人と出会って、様々な考えに触れて、そうして自分の答えを見つけたんだよ。
現実を知らず、悩んだり、行き詰まることもあった……そうして未熟だった彼女たちが成長していく物語が、紅蓮と黄金なんだよね。
そして、どちらも主役は彼女たちで、ヒカセンは一歩引いた立場だ。
でも、黄金って紅蓮に比べて全体的にマイルドなんだよね。
黄金の政治劇、戦争劇要素は薄くてさらっとしている。
NPCがあんまり死なない。
人間の醜い、難しい部分がほとんど描かれない。
前半の王位争奪戦もヒリついたものではなく、各地を旅して成長する物語だったし、後半の国と国同士の争いも、感覚的にはトライヨラとアレクサンドリアというより、ラマチとスフェーンの争いという感じだった。
これは多分、紅蓮の陰惨なストーリーがあんまりプレイヤーにウケなかったからこうなったんだろうなと思っている。
物語の序盤では民衆の支持率トップはぞぴだったのに、継承式ではなんの疑いもなく、彼らはラマチの即位を祝っている。
あとは、トライヨラが襲撃されたときに少なくない被害が出ているはずなに、敵の息子であるぐるちゃを恨む描写が少なく、民の物わかりが良すぎる。
これ、紅蓮だったらぐるちゃはモブに刺されてると思うんだよ。
尺の問題だとか、トライヨラの民の連王への絶対的な信頼だとか、色々と考えられる要素はあるけれど、おそらくは紅蓮のように人間の現実リアルを描写すると重苦しくなっちゃうから、ちょっとファンタジーの入った軽い表現になったんだろうね。
SNSとか見てる感じだと、やっぱり多くの人はヒカセンが主体で活躍する、王道な冒険ファンタジーを求めているんだよ。
じゃあ、なんで黄金はまた、国が絡んだ物語だったんだろう?
私は、今後の展開が「鍵」で繋がった別次元、別宇宙の生命とも手を取り合い歩んでゆく……みたいな話だと予想しているから、まずはアーテリスに存在する国のトップたち全員とのコネをヒカセンが持っておくことが必要だったんだと思ってるよ。
もし「世界を繋ぐ力」で、オメガみたいなのがアーテリスを襲ってきたらまずいもんね。
いまのうちに世界同盟とか結んどかないとね。
……まあ、私の妄想でしかないんだけど。

戦の愚かさ、平和の尊さ

平和を願う心は、いくさなくして生まれはせん。
世界をひとつにするためには、人々に教える必要がある。
戦の愚かさをな。

ゾラージャ

戦いの痛みが平和を願う心を生む。
それ自体は間違っていない……
ただ、ぞぴのこの言い分は結局、建前でしかなかったんだよね。
ぞぴの本当の目的は、父親に認められること。
「人々に戦の愚かさを知らしめ、平和を願う心を育むことで、世界をひとつに束ねるのだ。」なんて言っていたけど……
そんなこと、これっぽっちも望んでなんかいなかったんだろうね。
なのに、皮肉にも公約をしっかり実現しているんだよ……

平和は当たり前のものなんかじゃないって、
あの襲撃があったからこそ、身に染みて理解した。
俺たちが自分の手で平和を守っていくんだ……そう、思えたよ。

モベージャ

此度の襲撃で、思い知らされたよ。
これまで私が見ようとしてこなかった、平和の尊さを。

ゼレージャ

いろいろ起きた今も、私はこうして創作活動を続けられている……
それ自体が恵まれたことなんだと、日々感謝しているよ。

カーヘ

ぞぴは真の目的をついには果たせず、失意の底で散っていったのに……
こんな……名目だけで掲げた目標だけは達成しただなんて……
本当に黄金のライターは人の心がない……(大好き)

叶わなかった三連王制

このぞぴが完全に心を折られたシーン、いつ見てもつらい。何度も見てる。
そしてラマチ、継承式までの間に一度でいいから、ぞぴについて言及して欲しかったな……
なんでメインキャラクターたちは、誰もぞぴの安否について触れなかったんだろう……
ラマチやコナチは、あの強く勇ましかった長兄の惨めで見るに耐えない姿を目の当たりにして、少なからずショックを受けただろうし、しばらくは彼のプライドのためにもそっとしておいたほうがいいと判断したのかな……?
養子の二人が、実子である自分でさえ超えられなかった連王グルージャジャの試練を乗り越え、彼に認められて即位するぞぴがずっとずっと目指していたことだなんて……ぞぴの心はもう粉々に砕け散っただろうよ……
……ぞぴはきっと継承式になんて呼ばれても来るわけがないよ。
それでも、家族じゃなかったのか?

いつもそうだ……。
あんたは、アタシやコーナ兄さんにさえ、
心の内を見せてくれねぇ。
家族じゃねぇのかよ、アタシたち……。

ウクラマト

心が繋がっていなくても……家族だなんて思っていなくても……
それでも、こうやって除け者にされたら寂しいと思うよ。

私としては……三兄弟で仲良く連王やって欲しかったよ。
でも、それは絶対に無理だったんだよね。
だって……ぞぴは継承の儀の中で、自分の思想を変えることはついになかったんだもの。

戦い続けるかぎり、
目の前の平和に気づくことができない……。

壁画の語り部が言ってたよな。
戦い続ければ戦い続けるほど、本当に欲しかった平和は、
遠ざかっていった……ってさ。
ゾラージャ兄さんも「墓の試練」に挑んでるなら、
きっと同じ話を聞いてるはずだよな。
だったら、戦を以て、人々に平和の価値を思い起こさせる……
なんて考えは、思い直してくれねぇかなぁ。

ウクラマト

ラマチも、ぞぴに思い直して欲しいと言ってたよね。
彼らが対立するのは、その思想が相容れないものだったからだ。
ぞぴが改心すれば、きっとコナチのように手を取り合えただろう……
少なくとも、ラマチはぞぴに手を差し伸べたと思うよ……
だけど、そうはならなかった。
外征タカ派と穏健ハト派の人間が、連王として共に君臨することはどう考えても難しいだろう……衝突しか起こらないと誰でも予想できる。
だから、ラマチが連王としてコナチだけを指名したのは、理にかなっているんだよね……

ここでグロいのは、ぞぴの掲げた思想は建前でしかなかったことだよ。
これはぞぴの本心じゃない。
外征以外の、もっと平和的手段で奇跡の証明をする方法……父親に認められる方法があればそれで良かったんだ。
偉大なる連王グルージャジャだって果たせなかったことはある。
例えば、「双血の教え」に囚われたマムークの開放。
マムークとイクブラーシャの真の関係改善。
コザマル・カの盗賊問題や、チーワグー塩田のヨカフイ族のことだって手つかずのままだ。
そういった問題を解決するという方法じゃダメだったんだろうか……?
……ダメだったのかもしれないね。
きっと、ぞぴは何をやったって満足することはなかっただろうから。
双頭コンプ、父親コンプ……これを克服しない限り、難しいことなんだろう。
そして、不運(?)なことに、トライヨラは平和だった。
アシエンも来なければ、終末も起きない……大きな脅威がなかったんだ。
父親を超えたと胸を張れるほど解決しがいのある、ぞぴの鍛え上げた武を存分に振るえるほどの、インパクトがある事件がなにも起きなかった。
もちろんそんなことは起きない方が良いのだけど、それがあればぞぴは多少……救われていたんじゃないかとも思う。
ぞぴ……本当に不運で不遇で、哀れで惨めで、愛おしいキャラだよ……

なお、ウクラマトは。

戦がないことが平和なんじゃない。
みんなが笑顔で暮らすことができることこそが、
アタシがオヤジから継承し、護るべき平和なんだって。
コザマル・カの盗賊や、チーワグー塩田のヨカフイ族だって、
いつかは笑顔で暮らしていけるようにしてみせる。
それが、武王の座に着いたアタシの責務だ。

ウクラマト

ああ……スフェーンを止めなきゃならねぇ。
あいつは、自国の民を生かすためにトライヨラを襲撃した……。
それを聞いて許せねぇって思ったとき、気づいたんだ。
アタシは、トライヨラの民さえ無事なら、
アレクサンドリアがどうなってもいいなんて言っちゃダメだって。
そんなのは、部族同士で争い合っていた時代と同じだって。
アレクサンドリアの未来に笑顔をもたらすためには……
あいつらが、破滅の路へと進むのを止めるためには……
過ちを犯したスフェーンを止めるしかねぇんだ。

ウクラマト

あまりにも王の器すぎる……
敵わないよ……

ただ、やっぱり残念だよ。
だってせっかくトライヨラは蛮族(キャラメイクで選択できる種族以外)の統治する国家だったのに、結果的にロスガルとミコッテの国になっちゃったもんね……
あの二人の間にぞぴが立っていたら、まさしくトライヨラという多民族国家を象徴する絵になっていたはずなのに……
残念だ……

サボテンダーバレーの遺跡

第一世界にあったはずの古代ロンカ文明によく似た遺跡が出てきたというエキルレ。
ゼイキハンとかいうおもしれー男がおもしれーこと言ってるからもう全部そのまま書いていい?書くね。

ゼイキハン:
ヨカフイ文明の遺跡の奥に、異なる様式の遺跡が続き、
その最奥で大蛇……らしき生物と出会い、戦ったとは……!
サカ・トラル史にとって重要な発見であることは、
すでに間違いがないと言えるだろう。
キミは遺跡の奥で目撃したものについて、どう思ったかね?
→「大蛇様こそ、荒野の聖詩に記されし存在ッ!」
ヨカフイの導師が記したとされる伝説の碑文を知っているのか!?
まだ解読は進んでいないが、56章3節の存在が大蛇であれば……
しかし、キミの知見の広さにはまったく恐れ入るよ!
実に興味深い……ッ!!
ヨカフイ族は、大いなる力を秘めた存在を目にし、
畏れ、敬い、敬意を以て遺跡を覆うように神殿を築いたのだろう。
これは、かねてよりの私の仮説を証明する機会となるかもしれん!
すなわち「鏡像世界間における文明近似発展説」を、
裏付けていくことができるとしたら……!
私も魔法大学の教授だからな。
我々が住まう原初世界と、分かたれた鏡像世界の関係、
そこに生じた文明についての「暁」の報告書は読ませてもらった。
それによれば、世界分割で人類は獣の如くに知性が低下し、
かつての優れた文明は忘れられてしまったそうだな。
そして鏡像世界は独自の道を歩み、各個に文明が生まれた……と。
だがそれらの文明は、まるで共通点のない別物と言えるだろうか?
我々が古代世界から分かたれた同一の存在であれば、
文明の推移、文化の発想に類似性があるほうが、むしろ自然では?
つまりだな、ヨカフイ族が栄えるより遥かに昔……
鏡像世界の古代ロンカと共通要素を持つ文明が生じたとしても、
有り得ないことではないと、私はそう訴えたいのだよ!
無論、さながら別世界に生まれた双子とも呼べるふたつの文明が、
異なる環境下でどう発展したか、より調査の必要はあるだろう。
だが今回の発見を以て、私の仮説を補強していくには申し分ない!

祭拝殿の語り部:
その昔、北の大地に進出したヨカフイの一派が、
とある谷の奥深くにて、太古の昔に築かれた遺跡を発見した。
すでに住む者はなく、
いったい何者が何のために築いたのかすらわからぬ。
その遺跡の最奥にて、祖先は眠れる大蛇と出会ったという。
蛇とは、世界の果てを司ると考えられた神聖な獣……。
眠れる大蛇から、大いなる力を感じ取った祖先たちは、
加護を求め、古き遺跡を囲うよう地上に神殿を築いたのだ。
しかしその後、ヨカフイ族を病が襲った。
祖先たちは壺深くで眠り続ける大蛇に救いを求めたが、
いかに祈りを捧げようとも、目覚めることはなし。
やがて、ヨカフイの主流派は北の大地からの撤退を決める。
大蛇を信仰する一派だけが、かの地に残り続けるも、
最後には葬列にも似た撤退の道に加わったという……。

ゼイキハン:
ふむ……遺跡の一派は大蛇の目覚めを乞い続けたが、
当の大蛇といえばグースカと寝続け、救いなど与えなかったと。
しかし、なぜ今になって目覚めたのだ?
その上キミの話では、随分荒ぶる様子だったとか……
寝起きで機嫌を損ねでもしていたか、他の意味合いがあったのか。

祭拝殿の語り部:
かつての、かの神殿を築いたヨカフイたちの思想では、
『聖なる蛇が目覚めるとき、世界は広がる』と考えられたという。
大蛇の発見こそ、北進に正当性を与えるものと当て嵌めた訳だ。
だが、彼らの祈りには瞼すら開かず、
我らが恩人の前では覚醒したとは……実に興味深い。
此度、遭遇したとの存在が、まことに聖なる蛇なのであれば……
貴殿にこそ、その加護が与えられるのかもしれぬな。

ゼイキハン:
ふむ、異世界を渡り歩く冒険者が、
世界の果てを司る存在に祝福されたと考えれば、
遺跡の一派が掲げた解釈ともピタリと一致するが、はてさて……!
ともかくだ、◯◯くんの証言と、
ヨカフイ族に伝わる伝承は、非常に重要な要素となりそうだ。
我が新説を検証していく上で、欠かせぬことだろう。
次元をまたいだ、ふたつの文明の共通点を証明し、
「鏡像世界間における文明近似発展説」を確立できれば……
より広い視野での世界史を、切り拓いていけるだろうとも!
加えて文明発生過程も、世界分割から間もなく発展が近似したか、
ヴォイドクラックのような局所的な異世界との繋がりがあったか、
はたまた、異能の夢見師的存在が異なる世界を覗いたのか……
何が世界の隔たりを超えて我々を繋いだのか、
考えるだけで胸が高鳴るというものだ。
実にッ……実に興味深いことだよ、キミたち!!

黄金のレガシー サブクエスト「荒野秘境サボテンダーバレー」

第一世界で見たロンカの遺跡のさらに奥に、ハイデリンキックの壁画があったよね。
そしてトライヨラにはハイデリンとゾディアークのことだと思われる神話が残っていて、あの大瀑布はハイデリンキックによって出来たものだと予想することが出来る。
ということは、少なくとも1000年前には既にロンカっぽい文明が滅んでいて、それよりも古い時代から大瀑布の神話は存在していたってことかな?
ロンカっぽい文明は分からないけど、神話はもっともっと昔の話だろうね。
だってエオルゼアで言ったら1000年前ってトールダンが裏切って竜詩戦争が始まった頃でしょ。
イシュガルドなんて国として1200年も前から存在しているんだもんね。
アラグ帝国はさらに昔、5000年以上前に興った文明なんだからすごいよ。
プレイしててヨカフイ族の歴史とか聞いてるときは遠い昔って感じがしたけど、実際はそんなに古くないんだよね。
トラル大陸って他に文明の痕跡とかないんだろうか?
終末の影響がなかったくらいにエーテルが濃い地域なんだから、絶対に栄えてたはずなんだよ……
アタシはトラル大陸の歴史を、もっと知りてぇんだ!
期待してるぞ……

あと、『聖なる蛇が目覚めるとき、世界は広がる』って言い伝え……メタ的な考え方で申し訳ないんだけど、このゲームでキャラがこういうこと言うのは基本的に真実なので、やっぱりヒカセンはこれから世界を渡って冒険していくんだろうね。
ハイゾディ編よりスケールのデカい冒険になるのかな?楽しみだね。

スフェーンの王冠

このスフェーンの特別仕様レギュレーターが最後に映ったの怖いんだよね。
スフェーンという人間の死を表現していたのか、それとも7.0で何も語られなかったこの特別仕様レギュレーターが、今後の展開に関係してくるということなのか……

……生き返ったりしないよね?
ゼノスのときもそうだったけど、生き返るのは冷めるからやめてくれ~
最初はスフェーンのこと、なんだこの合掌しながら前後に揺れまくる女は?
ハ~?ぞぴと30年王様やってただァ~!?嫉妬嫉妬嫉妬!って感情しかなかったんだよね。
でも最後にラマチとの己の信念を賭けた熱いぶつかり合いを見せつけられて、その後は穏やかな和解を目の当たりにし、側で見ていた私は激しく頷きながらラマチとセットで好きになっちまった……

今度はラマチがトライヨラの案内をスフェーンにしてあげて、三人で海を眺めたり、タコスを食べたり、街の人々と交流をしたり……そんな優しい時間を過ごしたかったよ。
でもね……スフェーンの罪は消えないんだよ。
ぞぴもスフェーンも、トライヨラの民の命を奪った。
彼らはもう一線を越えてしまったんだよ。
あのムービーを見た時点で、ぞぴには死しか残されていないなと思ったし、スフェーンもそうだと思う。
ところが、バクージャジャの場合は許されていたよね。
彼の行いは咎められるべきものだったけれど、幸いにも死者が出ていないことと、心を入れ替えたこと、そしてラマチと和解できたことは大きい。
アレクサンドリアの連王たちとの違いはそこだね。
彼は今後、贖罪として勇連隊で真面目に務めるんだろうけど……7.1以降でそのあたりのお話もされるといいね。


おわりに

7.1が怖い

9月29日にあったPLLで、7.1のメインストーリーでぞぴの掘り下げが来ると言われて二重の意味で泣いた。
推しの追加供給はマジで嬉しいんだけどね!
でも、ぞぴは誰にも理解されないまま独りで死んだんだよ……
今更追加エピソードを与えられても、もう遅いんだよ。もう居ないんだよ。
そうして孤独に、誰の記憶にも残らず風化してゆき、ヨカフイ族の言う本当の”死”を迎えるのがぞぴの運命なんだと思っていたところあるからさ……
嬉しいけど、怖い。複雑な気持ちだ……

私だってぞぴが生きているうちに掘り下げして欲しかったよ……
まあこれは、キャラの死後の掘り下げがあんまり好きじゃないという個人的な好みの問題であって、私が勝手に抵抗を感じているだけなのでね……
素直に考えたらぞぴというキャラクターの場合、掘り下げるタイミングがもう死後しかないんだよね……
だって最後まで家族であるラマチもコナチも、ぞぴのことが分からなかったんだよ。
ぞぴの死後、ぐるちゃの言葉でようやく……兄のことを少し知ったんだよ。
外野のヒカセンがわかるわけないじゃん。
もしここで過去視してラマチに「ぞぴは内心こう思ってるよ」とか助言してたらマジで興ざめすぎるから、超える力は発動しなくて本当に良かったと思っている。
そもそも家族であるパパチやラマチを差し置いて、ヒカセンの方がより深くぞぴを知るだなんて、おこがましすぎる。
だってこれはラマチの物語なんだからね……

思えば敵キャラの掘り下げタイミングが拡張パッチ後だったのって、ヨツユと同じだよね。
ぞぴもヨツユみたいに、あとから掘り下げる予定だったのかもしれない。
決められた尺に全てを詰め込むのってすごく難しいんだろうな~……
私には無理だよ……見てよこの推敲を完全に怠りひたすら思ったことをただ書いているだけの冗長な駄文を……

ついでに、ぞぴの描写不足に対する自己解釈を置いておく。
もう要約するのすら面倒なのでそのまま貼り付けちゃうね。

前書いた99討滅後感想にリプとか引用貰ってウレチ♥して読んでたらやっぱゾラージャの描写少ないとか分かりづらいとかあって「確かに~」となった
私だってもっと公式から推しの供給が欲しいけど、でもこの描写の少なさこそが、ぞぴというキャラクターの表現としての”正解”なんだと思ってる(続く↓)

黄金ってずっと相手を「知る」ことの大切さを伝えていたよね、なのにラマチは家族であるぞぴのことを知ろうとしなかった、対話なんて望んでいないと決めつけていた
だからラマチもコナチも最後までぞぴが分からなかったし、家族の誰もがぞぴを知らなかった
ラマチも、コナチも、おそらくパパチも……

でもぞぴに家族にして貰えなかったグルちゃだけは、ぞぴのことを知りたくて、聞いて、感じて、考えてみたんだよ
父さんを知りたいと一歩踏み出したグルちゃだけが、父さんは自分を証明したかったんだと、自分なりの考えを見つけたんだ

そして、それを聞いてようやくラマチとコナチはぞぴのことをほんの少しだけ知ることが出来たんだよ
つまりね……ぞぴを知ろうとしなかった2人は最後まで、自力でその答えにたどり着くことは出来なかったということだよ

そしてこれは私たちプレイヤーにも言えることだと思う
私たちが知ろうとしなければ、ぞぴという人間は見えてこない
私たち自身が聞いて、感じて、考えて、彼を知ろうと一歩踏み込まなければ何も分からない

この物語の主人公であるラマチ(ヒカセン)がぞぴを知ろうとしなかったから、作中にぞぴの直接的な心情描写はなかったけれど、それでもひとつひとつ拾い集めていけば、彼の想いを感じて、考えることは出来る
明確な答えが提示されている訳ではないから、所詮妄想だと言われても仕方ないけどね

それに、元からぞぴは誰かに自分を知ってもらおうとしなかった
だから彼に関する描写が少ないのは当たり前だと思う、だって彼自身がそれを拒絶しているんだから
それでも私たちプレイヤーが彼を知りたいと思って踏み込めば、わずかにでも彼の想いは感じられるし、考えることもできる

逆に主人公たちのように彼を知ろうと踏み込まなければ、あいつは何をしたいのか分からない悪役でした、で終わるのだろうね
すごく作り込まれたストーリーだよ、まるでプレイヤーである私たちも物語の登場人物みたいだ
プレイヤーの行動次第で、ラマチ√にもグルちゃ√にも進めるんだよ……

黄金のレガシー、めちゃくちゃ面白いよ……
ついに明日でメインクエストが終わってしまうのかと思うと寂しい……もっともっと冒険していたい……
楽しい、面白い、悲しい、苦しいよ……

X

今、私は7.1と黄金秘話に期待と恐れを抱きながら生きている……
心がふたつある~

ここが良かった・悪かった

黄金のストーリーが賛否両論だったのはSNSやってたら嫌でもわかるんだけど、私は好きだよ。
まあ正直に言うとぞぴという爆萌え性癖ドンピシャキャラが居たからってのは大きいよ。
ストーリーに関して言うと、私は楽しかったと感じている。
具体的に言うとヨカフイ族~ヤクテル樹海のあたりが一番ワクワクしながら進めてた。
ストーリー的には壁画見ながら歴史を聞いたり、継承候補者が一時休戦して共闘したりするところが好きで、あとは新エリアに行ったときの景色……特にオルコ・パチャの広い空と壮大なウォーコー・ゾーモーと、ヤクテル樹海のジャティーカ央森に入った瞬間のあの青く光る森が良くってさ……ずっと眺めてたな……
あとどっちもフィールドBGMが良かったよね。早くサントラ届かないかな。
他には……その土地で使われている移動手段、アルパカやロネークに乗って目的地へ移動するついでに仲間と雑談してたのはすごく良かったな。
あの手のイベントでカメラを強制移動させて風景の解説をされるのもいいんだけど、私はキャラたちが雑談しててヒカセンがそれを聞いているっていうのが一番好き。
移動中にキャラの掛け合いを聞くのって、なんであんなに没入感があるんだろうね?
ムービーじゃなくて、フィールド上で会話しているっていうのがなんか……やたら効くんだよなぁ。
だからヒントトークとかも好きで全部回収しちゃう。
漆黒でエメトセルクにヒントトークで選択肢があったのがすごく好きだったから、あれ復活して欲しいな。
キャラクターに話しかけまくりたいし、こういった地味な交流でキャラに対する好感度とか親しみってやっぱ増えていくからね。
なお、ぞぴはヴァリガルマンダ戦前に唯一話しかけられるタイミングがあったけど、「馴れ合うつもりはない。」しか喋らない。塩過ぎ!それが良い。

残念だったなと思うところは、やっぱりあのクソでかい橋を自分の足で歩いて渡りたかったことだなぁ。
橋の上はイシュガルド防衛戦やギルガメッシュ戦みたいにインスタンスエリアで実装されるんだろうか……
でも私は……サカ・トラルへの冒険の第一歩として、エレンヴィルと一緒に「橋クソでかいね」とか言いながらてくてく歩きたかったんだよ。
あとは列車に乗りたかったな〜片道切符の爆弾列車には乗ったけど……
シグマ1層の魔列車みたいに車内がちゃんとあって、目的地到着までエレンヴィルと雑談したり、車内を歩き回ったり出来たら最高だったな。
それを言ったら気球にだってちゃんと乗りたかったよ……いや、乗ったんだけどさ!
暗転して次のエリアじゃ味気ないんだよ……
三国の飛空挺みたいな、スキップできる短いムービーでもあったらもっと冒険してる感あったと思うんだよね。
新生の頃、初めて飛空挺に乗った時めちゃくちゃワクワクしたでしょ?私はした。
あの搭乗シーンだけでもいいからムービーか、ロネークみたいな移動会話イベが欲しかったよ。
みんなで空からトライヨラを眺めて綺麗だねとか言ってる中、ラマチは後ろで紫色になりながら地上に向かってゲロ吐いてるところとか見たかったよ。
せっかく……7.0の冒険ターン(継承の儀)ではヒカセンが世界の命運だとか人々の命だとか、そういった重責を担うことなく気楽に旅が出来たんだよ。
英雄という肩書を背負うことなく、自由な冒険者でいられるトラル大陸の地で、真っさらな冒険が出来たからこそ……その辺は凝って欲しかったなぁ。

なんでこんなにキャラとのふれあいに関して突くんだって思われるかもしれないけど、これ結構重要なことだと思うんだ。
私は黄金おもしろいと思ったけど、なんとなく……私みたいなのは少数派なんだろうな……ってのは感じている。悲しいことにね。
なんでなんだろうなって個人的に考えてみたんだけど、多分……黄金には多くのプレイヤーにとって好きになれる、推しになれるポテンシャルを秘めたキャラがいなかったことが原因のひとつなんじゃないかなと思っている。
ぶっちゃけると、魅力的なキャラクターがいないってこと。
拡張タイトル毎にある、あのメインキャラたちが描かれた縦長イラスト……
今回だったら一番上にスフェーンが描かれているあれね。
あそこに載ってるキャラたちって、毎回誰か一人くらいはすごい人気キャラになってるよね。
今回の黄金のイラストを見てみよう……SNSで爆発的に人気になっているキャラ……いる?
まあ、ぞぴとパパチは私のTLでは大人気キャラなんですけどね。
でも蒼の竜騎士やガレマール帝国初代皇帝のように、幅広くファンがついているとは言えないんだ……
……私もこんなこと言いたくないんだけどね、本当に黄金が好きだから!
でも……多くのヒカセンに広く愛されてるメインキャラって、黄金にいる?
ネタとか軽くじゃなく、本気で、好き!!って言えるようなキャラはいる?
……ネットで擦れた下劣なオタクなもんで、自分がキャラ人気を指標に物事を測っているという自覚はあるよ。
でもね、これは自説なんだけど……好きになったキャラがいるかどうかで、受け取る情報の面白さは変わってくると思うんだよね……

他にも要因となるものはあると思う。
キャラクターの意図や心情の難解さもそうだろうね。
どうしてこのキャラはこんな行動をしたのか?真意はなんだったのか?
これが結構難しかったと思う……私もなんでだろうな~って考えて後から「ああ、そういうことか」って納得することが今回のお話では多かった。
しかもこの「そういうことか」は厳密に言うと「そういうことなんだろう」なんだよね。
本編で正解を提示されていないんだよ。
でも物語の中で散りばめられた要素を拾い集めていくと、なんとなく真実が見えてくる……そんな描き方なんだよね。
良く言うと、想像の余地がある。
悪く言うと、描写不足。
私は行間を読んでありもしないことを考えるのが趣味だから、黄金の描かれ方ってのは私の好みにあってたんだろうね。
でもこれは、どちらかと言えば万人受けしないのかもしれない。
昔インターネットのどこかで見ただけの、ふわふわした記憶を持ってきて申し訳ないんだけど……あの社会現象を起こすほどの人気作品となった鬼滅がここまでヒットした要因は何なのか?って話で、それは王道のストーリーと話のわかりやすさだって書いてあったんだよね。
(黄金コソコソ噂話:私の鬼滅の推しはもちろん黒死牟。当たり前すぎ。)
わかりやすさ……これはまあ、黄金は逆を行っている。
じゃあ王道ストーリー……前半は王道寄りじゃない?と感じたけど、いや……そもそもFF14の王道ストーリーって何?って思っちゃったんだよね。
多分さぁ、私たちヒカセンが求めるFF14の本当の王道ストーリーってのは、ヒカセンが主体的に動いて問題を解決するお話だと思うんだよ。
そう考えると、黄金って人を選ぶような構成をしているな~って思う。
そもそも紅蓮でリセという主人公を置いて、ヒカセンを一歩引いた立ち位置にしたのが不評だったのに、なんでまた同じことをしたんだろうね?
ヒカセン、動かしにくい存在なんだろうな~とは思うよ。
ヒカセンに対する独自のキャラ付けとか自己投影の度合いとか様々だし、プレイヤーキャラクターだから絶対に死なないし……
他に主人公を置いた方が、もっと色々なことが出来るんだろうなとは思う。
思うけど……我々が普段フィールドやバトルで操作しているキャラクターはヒカセンなのもあって、やっぱりヒカセンが主人公というイメージが強いんだよ。
その辺のユーザーの要望をうまいこと拾いつつ、新しいこともやっていって欲しいな……と思っている。(漠然)

あと紅蓮と比較してばっかりでごめんなんだけど、前半のトライヨラ編と後半のアレクサンドリア編の間にあった、シャーローニ荒野のストーリー。
個人的には、あの西部劇はちょっとシャバいなと思った。
あの辺のお話は紅蓮で言うと、アジムステップのポジションだよね。
胸糞な展開もあり、終始重苦しかった紅蓮の清涼剤的役割を果たしていたし、当時はアジムステップのストーリーだけは好きって言ってた人が結構居た記憶があるよ。
マグナイやサドゥといった魅力的なキャラクターも居たし、国家間の直接的な争いから一旦離れて、ヒカセンがのびのびと大暴れ出来る環境があった。
あの時と同じように、うんこ拾いはしたのに……
まあ、エレンヴィルはリセみたいに一緒に拾ってはくれなかったけどね。

でもこういうテキストは良かったよ。あと選択肢もね。
ここじゃないけど選択肢でアルフィノに説明丸投げ出来たのは良かったな。

でも、もっとなんか爽快感があったり、熱くなれるようなイベントが欲しかったな。
今までヒカセンは大人しくしてたしね。
みんなで爆弾列車に魔改造するところは熱かったかもしれないが……
でもごめん。私的な問題なんだけど……
その頃はパパチが死んだショックであんまり記憶がない。
後半は基本ずっと気分が落ちてて、熱くなれたところってないかも。
推しの断罪が確定してしまっているから、鬱々としながら進めていたよ……

というか、荒野の掟とかラマチはちゃんと知ってるのかな?
ここの文化を知るために、ラマチも来たほうが良かったんじゃない?
いや、そもそもサカ・トラルはなんで継承の儀の舞台じゃなかったんだ?
トライヨラ叙事詩はパパチがトライヨラを興すまでに辿った旅路が描かれてるとラマチは言っていたけど、ヨカ・トラルのことしか描かれていないのはなぜ?

そういえばさ、大昔のヤースラニ荒野では、
トナワータ族とシャトナ族は仲が悪かったんだって。
それが、なんとかジャジャっていう王様の尽力で誤解が解けて、
ここで一緒に暮らし始めることになったみたい。
おばちゃんもまだ生まれてなかったって話だから、何年前だろね。

シャローキ

サブクエでヤースラニ荒野でのパパチの活躍が語られているけど、これはパパチの旅路での出来事ではなかったんだろうか?
でもトライヨラを興したのはトラル大陸を統一してからだし……
パパチのPTメンバーに居た種族の後継者代表が選者になっていることだし、サカ・トラル方面での選者が居なかったってだけかもしれないけど……
わからない……なにか見落としているのかも……
7.1で黄金の強くてニューゲームが開放されるらしいから、早くそれで2周目やりたいなあ……

こうして書くと、当たり前だけど黄金のストーリーって良いところも、悪いところも沢山あったんだよね。
でも、この感想文を読んでもらえば分かるように、私は全力で黄金を楽しんでいたんだよ。
だからストーリーの総合評価として考えると、私は良かったと言えるんだ。

真面目な要望

メインクエ「血の涙を拭って」のトライヨラの惨憺たる状況の中、クラフター達が死体の横でジャキーン!ってモノづくりしている様子は流石に雰囲気ブチ壊しだなと思った。
でもまず間違いなくプレイヤーは悪くないんだよね。
こちらの画面では悪夢のような光景が広がっていても、他人にとっては何事もない平和な街だったりするんだから。
結構前から思っていることなんだけど、完全に自分以外のPCを非表示にしてチャットもブロック出来るようなソロゲーモード的なものって実装出来ないんだろうか?
クエスト進行中にNPCの周りのPCが消えるシステムが追加されたのは嬉しいけど、私は完全にソロでメインストーリーを楽しみたいんだよ。
MMORPGプレイヤーとして矛盾したことを言っている自覚はある。
でも私はFF14のお話が好きだからこのゲームを10年以上続けていると言ってもいい……マジのガチの本気でストーリーに対して夢中になりたいし、他人に邪魔されず、深くまでこの世界に浸りたいんだよ。
そのために悩んだけど、今回はいつメンからの固定の誘いも断ったんだよ。
なんでここで固定の話が出てくるのかって?
それはね、極やレイドはメインストーリーをクリアしないと開放されないからだよ……

© SQUARE ENIX

これは暁月のとき、固定集合日までにレイドが開放出来てなくてメンテ開始ギリギリまでメインクエをやってたら固定のリーダーが心配してチャット送ってきたけど、返信してる場合じゃなくてガン無視で走る私。
(なお間に合わなかった)
NPCのセリフの変化を全部回収するために、ある程度物語が進んだら各地を飛び回って人々に話しかけたりなんかしてたら、もう本当に時間が溶ける。
でもそんなことをしていたら極に出遅れるんだよね。
このゲームでエンドコンテンツに野良で挑戦する場合、出遅れるとだいたい地獄を見ることになる。
紅蓮の時とか、一生スサノオでPT火力が足りずにクリアできなくて、高火力フレに泣きついた思い出があるよ……
だからメインストーリーを全力で楽しみたいなら、エンドコンテンツを諦めないといけない。
拡張パッチがくるとストーリーとバトル、どちらを優先するか?の二択を迫られるんだよね。
いや、まあ私の進め方が異常にトロいだけっていうのはあるけど……
単純にエンドの実装時期を延ばすとかじゃなくて、1ジョブでもレベルをカンストさせて、ある程度物語を進めていたらメイン未完走でも極やレイドに挑戦出来るようになったら嬉しいんだけどね……
まあ、暁月のあのギリギリまでメインを走った思い出も悪くはなかったよ。
朝、窓の外で鳥がチュンチュン鳴き始めるのを聞きながら見たウルティマ・トゥーレの大宇宙と、やさしく響く Close in the Distance は疲労困憊の脳に染み渡ったよ。
いや嘘!普通にしんどかったから、メインを全力で楽しんでる人間もエンドコンテンツの旬を楽しめる良い解決策が欲しいよ、本当に。
どうか、どうか、よろしくお願いします。

ありがとう黄金のレガシー

私、本当は黄金をやる予定がなかったんだよ。
新生cβからプレイしてもう11年。流石に10年やったし暁月でそろそろ潮時かな……とFF14を引退するつもりだったから、天獄消化後はもう休止してたし、黄金の事前情報は何も入れていなかったし、ハイゾディ編を超えることはないだろう……と失礼ながらストーリーにも全く期待をしていなかったんだよね。
ただフレに強く誘われたからメインストーリーだけでも触るか……と予約したら、こんなになっちゃった……
何~この長文?55000字あるんですけど。私の卒論より文字数ある……
頭割りの原稿マジで何も進んでないのに馬鹿すぎる。
でもね……ただひたすら長いだけでまとまりも何もない文章だけど、少なくとも私にここまで文字を打ち込ませるほどの熱意と情熱を、黄金は与えてくれたわけだよ。
黄金のレガシー、ありがとう。
そして何より、私をここまで狂わせることになった最大の要因……
ゾラージャという最強の萌えキャラを生んでくれて、本当にありがとう。
黄金をプレイして本当に、本当に良かった。

最後まで読んでくれてありがとう。
人様に読ませるような文章じゃないけど……
これが、私が黄金をプレイして感じた”想い”です。

覚束ない言葉だとしても、私も自分の持つ”想い”を、
これを読んでくれる誰かに伝えることが出来ているといいな。


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