大学3年の夏休みを台湾で過ごした話⑥~真っ直ぐな感情表現をする、受け止める~
*この台湾シリーズは私が2014年の夏に台湾で実施した教育インターンシップの記録を、当時の日記やSNSへの投稿を見ながらまとめたものです。マガジン「台湾日和」で一覧が見られます。
1回目のお引越しが昨日ありまして、ホストファミリーが変わりました!3つのホストファミリーを回るので今回が2つ目!可愛い可愛い教え子のAngelaのおうちにお世話になっています。
さて、前回は台湾の生活文化について私のホームステイ先での暮らしを振り返っていきましたがこの週末(8/16,17)で別のホームステイ先に引っ越して、初めてバスに乗ったり(!)して高雄市(都会!)にお出かけしたりしたのでその様子を書いていこうと思います。
今日は朝からバスに乗って高雄市の中心地にお出かけ。来週からのホストファミリーの子も一緒です!
元々最寄り駅まで遠い所に住んでいて日常的にバスを使う生活に慣れ親しんでいるので、バス好きなんですよね。二軒目のホームステイ先の家が、色んな路線の始発になっている大きなバスターミナルから歩いて10分くらいのところにあったので「明日はバス乗るよ~」と言われてワクワクしていました。滞在していた地域も最寄り駅まではバスに30分くらい揺られないと行けないところだったので、そういう意味では地元に似ていたんだなあ。
一時間くらいバス乗るのかな?「車酔いしない?」と心配してくれるホストマザーの優しさisプライスレス。昨夜も前回のホストマザーから「I miss you」ってLINE来てて本当に温かい気持ちになりました。お母さんって偉大ですね。
いや、なんというか。昨日会った他人じゃないですか。言葉も通じないことの方が多い。でもいつも気にかけて声をかけてくれる。すごいなー。沢山迷惑かけてるはずなのにいつも笑顔で接してくれる。
私はそれに応えられているだろうか。
個人的に将来家をもつならホームステイの受け入れ出来るような家がいいなーって最近思います。大変だと思うけどやってみたいなー。
バスに揺られながら、身の回りの人たちについて考えていました。なんで優しいんだろうか、とか私は何ができるんだろう、とか。そういうこと。この時は1軒目のホームステイ先とは違って、1人部屋ではなかったのであまり考え事をする時間がなかった思い出。
MRT(地下鉄)やバスに乗る時に便利なのがこの悠遊カード。日本でいうSuicaみたいなプリペイド式乗車券。これがあると運賃の計算をしなくて済むので便利ですよね。台湾に長いこと滞在していたのは2014年のことですが、2013年に台北へ旅行に行ったのが私の台湾デビューでした。その時に台湾の雑多感と人の温かな雰囲気を好きになってしまったのですが、当時台湾のツアーを申し込むとこのカードがもらえたんですよね。こういった情報は台湾観光協会のHPから確認できるのですが、今はやってないみたいですね…。まあ普通に駅で買えるとは思うのですが。
台北で重宝していたのがMRTとバスの一日乗車券。台北のMRTは夜市から淡水まで有名どころの観光スポットには大体連れていってくれるので「今日一日で台北を満喫するぞ!」って時はこれが1枚あると便利だと思います。ちなみに私はフランスの地下鉄が複雑すぎて半泣きになったことがあるのですが、MRTはもっとシンプルですのでご安心ください(笑)
話がそれましたが、やって来たのは高雄ドリーム・モール(現地表記:夢時代)。大観覧車が目印の巨大ショッピングモール。お土産屋さんから日本料理屋さんまで豊富にあるので、観光利用でも、長期滞在でちょっと疲れた時に利用するのも良いと思います。私も回転寿司店に行って癒されてきましたよ~。
ちなみにこの写真は大観覧車からの眺め。チケットもばっちり残っていました。お値段100台湾ドル!今日のレートが1台湾ドル=3.23円だったので大体300円。台湾は物価が安くて、タピオカミルクティーも50ドルくらいでたっぷり飲めます。台北行った時、3万円くらい持っていたのですが結構お金余りましたね。
映画館もあったので、観に行ってきました。赤線のところ、お分かりいただけますでしょうか。「電影」は「映画」なのでいいとして、「蠟筆」は「クレヨン」という意味。上にローマ字表記もあるので分かるとは思いますが…
私にも分かるようにクレヨンしんちゃん選んでくれました。ロボとーちゃん!さすがしんちゃん。言葉分からなくても内容分かるぞ…!車壊す女警官さん(担々麺警部としか聞こえなかったんだけど多分違う)と局長面白かったー。五木ひろしネタは日本人にしか伝わらないだろと思いつつ笑い堪えるのに必死でした(笑)日本帰ったらまた観たい!
担々麺と聞こえていたのは、段々原というキャラクターでした。全然違った…(武井咲さんがゲスト声優を務めていたキャラ)
これまた余談ですが、自己紹介の時に漢字と地図を見せながら「埼玉出身」と伝えると、「小新と一緒だ!」と神のような扱いを受けました。いや、本当に。埼玉出身の方、ぜひお試しあれ。
お昼は「しゃっせー」と店員さんが元気に言ってくれる回転寿司店へ。前のホストファミリーにお世話になってた時も回転寿司行って「台湾来たんだから台湾のもの食べたいな」と思ったのだけど愛情表現だなって最近気付いて断るのを辞めました。(ちなみに前回回転寿司に連れてきてもらった時は私の不注意で私物の電子辞書と日記を水没させて超絶落ち込んでいた時でした。電子辞書は一度タッチパネルが反応しなくなってしまいましたがドライヤーで乾かしたら復活しました。)
ペットボトルのキャップがちゃんとしまっていなくて、鞄の中が水浸しになって凹んだこともありました。多分あの時回転寿司を食べに連れていってくれたのも、私がずっと落ち込んでいたからだろうなあ…。
今回のホームステイ先はどこも「受入は初めて」という家庭。本当に常に気にかけてもらい、細かいところまで気を遣っていただきました。だからこそ息苦しく感じることもあって、でも言葉ではそれを上手く伝えられなくて、悩んだこともあります。でも、台湾の家庭に入り込んで同じものを食べて、同じ時間に寝て起きて、一緒に暮らす中で気付いたことがありました。それは多くの人の感情表現が真っ直ぐだということ。嫌なものは嫌、良いものは良いとはっきり言う人たち。語気が強くて最初は怖かったけれど、それだけ全力でぶつかってきてくれるということ。そこには感情の裏表なんてなくて、だから私も変に勘ぐらないで、本当に嫌なことを嫌と言う以外はちゃんと受け止めようと思えるようになったのが、この頃でした。
その代わり美味しくお寿司を頂く!生徒の二人が授業で教えた表現を使っていつも尋ねてくれます。
「おいしいですか?」
これに「おいしいよ!」と応える瞬間が最高に幸せですね。
日常で自然に遣える言葉を教える、と試行錯誤してきた結果がふいに実ってくれたので、自己流でどんなに不安でも続けるということの大切さを教えてもらったような気がします。
台湾の人は朝ごはんとかお昼ご飯を買って済ませる傾向が強くてその代わりに夕食をとても大事にするから美味しかったら「おいしい」としっかり伝えるのが特に大切なんだと最近思います。私が伝えたことが少しでも彼女たちの助けとなりますように。明日からまた授業。頑張るぞ!
こうして振り返ってみると、日本語を教えるという形でずっと前に与えたものが、時間差で私の活力として戻ってきたような週末でしたね。
冒頭でも触れたように、この時はAngelaの部屋に私がお邪魔して、毎日一緒に寝起きしていたのでそれこそ眠る直前まで互いに拙い日本語・台湾語・英語で会話をしていました。その日の授業の復習のように「せんせー、これは○○ですか?」「うーん、ちょっと違うなあ」とか話しながら、気付いたら眠っている。そんな生活。
今思うのは、ごくごく当たり前のことなのかもしれないのですが、自分がいて、受け手がどんどん吸収・変化しながら色々返してくれるから、また頑張れるのだなということ。リアクションの応酬、その繰り返し。友達の誕生日プレゼントを選ぶ時に、なんとなく自分が欲しいと思えるものを選んでいるように、自分が求めるものをまず相手に与えるというのは、自分が今いるところより前に進むためにとても重要なことなのだと思います。
私は日本語教員としての経験が欲しかったのではなくて、日本に興味を持ってもらえたり、直球勝負の感情表現の中で認めてもらえることが嬉しかった。常に真っ直ぐで全力な人たちに囲まれていると、余計な部分がそぎ落とされて世界がシンプルに見えるようになってくるのかも。そんな魅力も、台湾にはあるような。あー、また久々に行きたくなってきました…!
次回は生活環境も変わり、反省点も沢山出てきた三週目の授業の話から。
それでは、また~。
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