フリークスで障害者の就労を考える
カルト映画で有名な「フリークス」
あるサーカス団に所属している小人症のハンスが花形のブランコ乗りであるクレオパトラに騙され、陰でバカにされていたのを知り仲間である障害を抱えたサーカスの一員はこっそりと復讐を企てる…という映画。
これを見て思ったのがフリークス達は障害の種類に関係なく現在で言う「オープン雇用」で働いている超エリート集団だという事。
福祉の「ふ」の字も無かった時代に自力で稼いでしっかりと生活をしている。
テトラアメリア症候群で生まれつき手足がない代わりに口でマッチを擦りタバコに点火するランディアン王子、小頭症で知能は低いが世話係の協力を得てパフォーマンスをする3人のピンヘッドなど皆努力と特性を上手く活かして働いている様は羨ましく思ってしまう。
しかし五体満足なサーカス団員達のフリークスに対する風当たりは非常にきつい。差別意識は今以上に高い。
クレオパトラの恋人である怪力男ヘラクレスもハンスを「チビ猿」呼ばわりしハンス毒殺を共謀する。
クレオパトラとハンスの(建前)結婚式パーティーでフリークスたちは「私達は貴方をを受け入れます」と盃を交わす儀式を行うが「あんたらバケモノとは違う!」とクレオパトラは露骨に嫌悪感を顕す。
さらにワインに毒を盛られたハンスがブトマイン中毒で倒れてしまった。
この一件でフリークス達は「私達を蔑ろにした奴らに仕返ししてやる」と団結。
復讐は成功しヘラクレスは物陰から小人に刺殺され、クレオパトラは大火傷でかつての美貌を失った異形の姿となり逆に怪奇の目で見られる立場になった。
見せ物小屋やミゼットプロレスは人権侵害だから廃止する声が上がった時当事者達は「私達の仕事を奪うな」と抗議する声もあった。
昔から障害のある人々が働くのはセンシティブな課題である。