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Feel bad

3日坊主になっていたnoteをいつか再開したいと目論んでいたら、2か月以上がたってしまった。思えば2か月以上前、文章訓練のためにnoteを始めたのだが、始めて間もなく毎日文章を書くほどネタがないことに気づく。仕事で外出するのは週に1~2回、それ以外はひたすらSOHOで家にこもって仕事をしているかヨガに行っているかのどちらかだ。

毎日書けるネタを捻出するとなれば、読んでいる本か見た映画、ドラマの話をするしかあるまい。ということで今後は読んだ本や見た映画で学んだ英語のフレーズを紹介していきたいと思う。

以前、The Japan Newsという読売系の英字新聞に新作映画のコラムを書いていた。英語学習者向けの内容で、新作映画を見て気の利いたセリフを紹介する、というお決まりのフォーマット。ただし、本業は翻訳なので、このnoteには翻訳を切り口に他人様が書いたセリフやその訳を紹介していきたいと思う。著作権侵害にならないよう、引用程度に…。

今回は、前回紹介したノーラ・エフロンのエッセイ「I Feel Bad About My Neck」より、冒頭の表現を拝借する。訳はもちろん、尊敬する阿川佐和子氏である。

I feel bad about my neck. Truly I do.  If you saw my neck, you might feel bad about it, too. 

首のことを考えるとつくづく厭になる。私の首を見たら誰だって「うわっ、シワシワ」と思うに決まっている。

見事としか言いようがない。原文のニュアンスがそのまま伝わってくる完璧な訳(あくまで個人的意見です)。feel badを「うわっ、シワシワ」で表現するなんて天才的! 日本でこの翻訳版が発刊されたのはノーラが亡くなったあとだった。原因は、阿川さんが翻訳を先延ばしにしていたからだと、阿川さん本人が日本語版の前書きに書いている。しかし、阿川さんの振り切った訳がなければ、ノーラの知的なユーモアがそのままの形で日本人に届けられることはなかったのではないかと思う。

ちなみに「I Feel Bad About My Neck」はエッセイ(およびこの本)のタイトルでもあるのだけれど、それには「首のたるみが気になるの」という訳がついていて、エッセイの書き出しとは違う訳がついている。I feel bad about my neck.と Truly I do.  を一体としてとらえ、一文で表現するテクニックにも注目したい。

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