今年の目標

ノーラ・エフロンのオーディオブック「I FEEL BAD ABOUT MY NECK」をヘビロテで聴いている。理由は2019年中にこの本を丸ごと一冊暗記するのが目標だからだ。このように無謀な計画を立てた理由は2つある。1つは、昨年末に野口悠紀雄の『「超」独学法 AI時代の新しい働き方へ』を読んだことだ。外国語学習について書かれた章に、言語は単語を1つずつ覚えるのではなく、文章の丸暗記が効果的、とあった。もう1つは去年通った通訳学校での学びだった。

昨年の4月から5か月間、通訳学校に通っていた。英語から日本語は普段の仕事で慣れているため、英語のスピーキング力を養う入門クラスに通った。そのクラスでは通訳の勉強は一切なく、大学受験などで使われるDuo3.0という学習書の(長くても20ワード程度の)短文をひたすら覚えさせられた。短文の総数は560あった。ほとんどが知っている単語なのだが、知っている単語と使える単語は別物だ。暗記をしてみると、知っているだけの単語が、使える単語に変わった。これは衝撃だった。

この4年ほど、地道にスカイプ英会話を続けていて、1日に25分、フィリピン人教師とニュース記事についてのディスカッションをしている。このようなアウトプットの機会がなければ、Duoのすごさに気づけなかったかもしれない。何しろ、覚えた単語が様々な文脈で自然に出てくるのだ。これがほとんど無意識の領域で、「覚えた単語を使ってやろう」なんて魂胆はまるでないにも関わらず、勝手に口が動いているのだ。

そのクラスでは暗記だけでなくとにかく速くしゃべることも訓練した。日本語の文を黙読し、その対訳を発話する、ということを5分間集中してやり、その5分で何文言えるかを記録しながら、Fluencyの上達をはかるのだ。これを毎日暇さえあれば続けていた。クラスメイトという良きライバルがいたので、競争心も手伝って楽しく学習できた。あの頃は、外を歩いているときも常にぶつぶつとスマホに入れた付属CDの音源を使って、シャドウイングしていた。

秋になるころには仕事が忙しくなり、本格的な通訳のクラスには通わずじまいになったが、英語は独学で学べることが身に染みてわかったため、本の丸暗記に挑戦することにした。どうせなら好きなライターの本にしようと「I FEEL BAD ABOUT MY NECK」を選んだのだ。今年も残すところあと10か月。聴いたりシャドウイングしたりしているだけでは全く覚えられないので、3月からやり方を変えようと思う。さて、方法は…

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