頼みたくなる絵師さん~SKIMA編
前回の記事に💗やコメントくださった方々、ありがとうございます!😊
私自身は絵心ゼロの完全文系人間ですが(それだって怪しいもんですが💧)、2年間の創作活動を通して、それまでの人生ではほとんど接点のなかった絵師さんと関わる機会をもつことができました。
また、自分もフリーランスをしていることから、絵(お仕事)を頼みたくなる人はどんな人かという目線で絵師さんを見ることもありました。
とくに初めての依頼だと、「その人の仕事(絵)の実力」もさることながら、それと同じくらいに気になるし知りたいのが「その人の人となり」だったりします。
理想を言えば、絵が上手で人あたりの良い人に依頼したい。
これが絵を依頼するみなさんの本音ではないでしょうか。
そこで今回は、絵が欲しい人にとっての「頼みたくなる絵師さん」について、自分自身の経験もまじえてお話ししたいと思います。
今後、絵のお仕事を本業にしようという方や、イラスト収入を増やしたいとお考えの方にとって、少しでも参考になれば幸いです。
信頼関係ゼロからのスタート 個人間売買の難しさ
1度も会ったことのない人から仕事をいただくことは、フリーランスの世界では全然珍しいことではありません。
それでも多くの場合、クライアントと実際に仕事をする人(作業者)の間に仲介役を担う人(会社)が存在します。
その人たち(会社)が架け橋になって両者を繋ぐことで、クライアントと作業者の面識がゼロであっても、問題なく安心して取引ができるのです。
私の話で恐縮ですが、フリーになって約20年。クライアントからいただく仕事はすべて所属している校正会社を通じてもらっています。
そのため、こちらからクライアントに自己PRをする必要はありません。
つまり、相手は私のことをまったく知らなくても(実際、クライアントと面接はおろか、電話する機会もめったにないです)所属先との信頼関係がベースにあるので、それが自動的に私への信頼に繋がるという構図です(だからこそ信用を損なうような仕事はできません)。
しかし、ごく一部ですが、私対クライアント(会社)での取引もあります。
その場合、仕事をもらう際にとても重視したのが職務経歴書とポートフォリオの書き方です。
とくに絵と違って、校正の仕事は実物を見せるのが難しいので(赤字の入った他社のゲラは完全に社外秘なので)、手がけた出版物や詳細な仕事内容など、一読しただけでこちらの実績や熱意が伝わる文章や写真でのPRを心がけました。
(相手も忙しいので、何度も読み直さないとわからない文章はNGです)
本題に戻ります。
上記のような組織対個人の取引と違って、個人の絵師さんに仕事(絵)をお願いする場合は、完全に個人対個人のやりとりになります。
そのため、依頼人が絵師さんに関する情報を集めるには、SKIMAなどのプラットフォームや、noteやXなどのSNSから入手する以外にないのです。
当然、お互いの信頼関係もゼロの状態なので、初めてのメッセージを送るときは、かなりおっかなびっくりだったりします💦
SKIMAなどで仕事を募集している絵師さんの中には、もしかしたら
「絵さえうまければ、ほっといても依頼は来る」
と思っている人もいるかもしれません。
でも実際は、ネットからの依頼だけで生活できている人はごく一握りの様子。
神絵師と呼ばれるレベルの人の中には、
「依頼が殺到してお断りするのが大変💦」
という方もおられますが、長い目で見ていると、それも波があるようです。
コミケや文学フリマなどのイベント時期に依頼が集中し、それ以外は暇になるということもあり、安定した収入の実現は難しいようです。
現在はPCとネット環境さえあれば、だれでも(極端な話、絵の販売実績がゼロでも)簡単に出店できるので(校正にはそういうプラットフォームがないので、羨ましいことです…)、競争相手の数もうなぎ上りに増えています。
この状況は、選ぶ側にとってはありがたいけれど、選ばれる側にはなかなかつらいところかもしれません。
”面識ゼロ”の絵師さんがどんな人かを知るには
SKIMAで実際に絵を依頼するとき、私が重視したのは以下の3点です。
①トップ絵(SKIMAのトップ画面に来るイラスト&キャッチ)
まず何といってもこれです。
ここで自分の小説の作風に合った絵を選び、その絵師さんのページにアクセスします。
ちなみに、SKIMAの「イラストコーナー」に出店している絵師さんは現在6万人ほどいますが、もちろんぜんぶ見切れるわけがありません💦
やはり検索上位の絵が見られやすいと思いますが、SKIMAの場合は「新着表示機能」として、商品を出品すると新着商品としてトップに掲載され、多くの利用者がその商品を見ることとなります。
絵の販売実績数順とかではなく、単純に新しく登録した順なんですね。
しかし、絵を依頼する側としては、絵師さんが「SKIMAに登録したのがいつか」なんて正直どうでもいい話です。
かといって「商品実績順」や「クリエイターランク順」に変えればいいかというと、そうとも限りません。
なのでぶっちゃけ、自分の作品のイメージに合う絵師さん以外は検索避けしたいんですが、イメージって言語化できない曖昧なものなので、好みの絵師さんを探し出すまで延々とページ送りをしなくてはならず、時間がかかってとてももどかしいです💦
②ギャラリー
やはり決め手はこれです。
ここで直感的にビビッと来た絵が見つかれば、もうほかの絵を見に行くことはありません。
あとは「予算内に収まりそうか」「絵師さんのスケジュールはどうか」だけですね。
(しかし私がビビっと来る絵師さんの場合、人気があって料金も高めで、スケジュールぎっしりな方も多いので、そこで頓挫した経験もあります……)
では、ユーザーの目を引くギャラリーとはどんなものでしょうか。
これは描いてもらう絵の種類(オリジナル小説か二次創作か、立ち絵かアイコンかなど)によっても話が違ってくると思うのですが……
ギャラリーに載せる絵は、いろいろなパターンがごちゃ混ぜになっているほうが、1点勝負だったり、似たような絵を並べるよりいいかなぁと思います。
なかには「どうしてもこの絵しか描きたくない」という無言のメッセージを感じる絵師さんもいますが、それだと「その手の絵を欲しがる人」しか見てくれないので、6万人もの絵師さんがひしめくサイト内では、みずから商機を失う自滅行為にもなりかねません。
もし、SKIMAに出品しているけれど、なかなか受注に繋がらないという方は、いま一度ご自分のギャラリーを見直したり、他の方のギャラリーを参照してもよいかもしれません。
「店の品ぞろえの見直しが商売繁盛に繋がった」好例を紹介します。
私が留学していた中国の四川大学構内に、似たような雑貨店が立ち並ぶ商店街がありました。
その中で1軒だけ、大繁盛していた店がありました。
その店の店主は(一般の中国人が距離をおく)留学生たちとも積極的に交流し、「こんな商品を置いてほしい」というニーズを聞き出すと、すぐにその商品を仕入れていました。
その噂が口コミで広まり、留学生の固定客やリピーターを次々に獲得して大繁盛。儲けたお金で店舗面積を拡大し、さらに品ぞろえを増やして、売上は雪だるま式に増えていきました。
これに対し、周囲の「似たような店」の店主は、やっかみからの暴言を吐いたり、店の商品を壊して営業妨害する輩もいましたが、そんなことをしてもなんの意味もないことは明らかです。
ビジネス=「自分が売りたいものを店に並べる」ではなく、「お客が欲しいと思うものを並べる」
常にその視点で店の品ぞろえを眺めることが、商売繁盛への近道かもしれません。
③商品の内容
ここに書かれている内容も重要です。
まず最初の挨拶文が大事です。ビジネスでは基本的なことですが、
「閲覧ありがとうございます」
「気持ちの良いお取引を心がけております」
などの一言があるのとないのとでは、初見のユーザーが受ける印象はずいぶん違います。
つぎに、自分が得意とする絵や実績のある絵の説明文ですが、
①イラストの初心者でも理解できる言葉で
②「ギャラリーの中ではこれが該当します」のように具体的に
説明されていると、ユーザーへの訴求力が高まります。
ここも挨拶文と同じく、文面から人柄を推察されるところです。
とはいえ、変にかしこまったり、過剰に”盛る”必要はありませんが、
「絵画制作を通じて、あなたのお役に立てれば幸いです!」
という気持ちが感じられるような文だと、依頼する側も安心してお願いしたくなるものです。
つぎにイラストの代金、納期について。
ここは実際に取引するうえでの最重要ポイントです。
お金のやりとりが発生するビジネスである以上、絵師さん側にはここに明記した内容は絶対に守ってほしいと思いますし、依頼する側も書かれている内容をしっかり読み込んで、曖昧なところやわからないところは、事前にしっかり確認したほうがいいと思います。
実は、私もイラスト代金や納期のことでトラブルになり、依頼をキャンセルした経験が1回だけあります。
具体的な理由は2つ。
①イラスト料金
「商品紹介欄」に書かれていた基本セットを元に、その範囲内に収まるイラストを依頼したところ、当初のメッセージで了承されたにもかかわらず、後になって、
「その金額ではお受けできません。追加料金を支払うか、構図の変更(全身からバストアップへ)してください」
と言われました。
(追加料金は「基本セット」とほぼ同じ金額だったのですが、その時点ではその絵師さんにお願いしたい気持ちが強かったので了解し、代金を振り込みました)
おそらく、先方とこちらで「基本セット」に関する認識の相違があったのだと思います。
しかし先方の「商品紹介欄」で私のように誤解した人は相当数いたようで、私とのトラブルの後、その絵師さんの「商品紹介欄」は内容が若干変わっていました。
②納期
これが依頼キャンセルの決定打でした。
結論から言うと、先方からはっきりとした制作スケジュールを知らされず、またその後の連絡も途絶えたため、不信感が募った私から依頼キャンセルを申し出たのです。
そのときのやりとりは以下のような感じです。
絵師:「ただいま他の依頼を進めているので、目処が経ったらこちらからご連絡します」
その後、翌月になっても連絡なし。なので、こちらから連絡すると、
絵師:「こちらから連絡すると言ったはずですが」
私:「それからひと月経つので、おおよその目処だけでも教えていただきたくて」
絵師:「現状でははっきりお伝えできません」
私:「わかりました。こちらもイベントに合わせたスケジュールがありますので、そういうことであればキャンセルさせてください」
キャンセルと聞いて、絵師さんは初めて慌てた様子を見せました(笑)評価に傷がつくのを恐れたのでしょうか?
(納期を延期したり、連絡を待たせることは平気だったみたいです😅)
絵師:「来月の初めからでしたら着手できますけど、いかがでしょうか?」
私:「いえ、けっこうです。こちらからはキャンセル手続きはできないので、そちらでしていただけますか。理由はお任せします。SKIMAで受理されれば、お支払いした代金は返金されますので」
絵師:「了解しました。では、そのようにさせていただきます」
その後2週間で商談キャンセルが成立し、返金も無事になされました。
念のため、私は別に怒ってはいません。
仕事でもスケジュール遅延は「あるある」ですから、それ自体は諦めがつくのです。
ただ、料金トラブルのこともあるし、これ以上この絵師さんとやりとりするのは不安だなと思ったのです。
そしてその絵師さんからは、最後まで謝罪の言葉はありませんでした。
結び~「頼みたくなる絵師さん」
ここまで、長々ととりとめのない文章をお読みいただき、ありがとうございました。
私自身がSKIMAを使った経験談や、そこで感じたことのほかに、これまでのフリーランス歴20年の中で、「指名され、リピートされる人材」になるために、自分自身が心がけてきたことも含めて、お話しさせていただきました。
今後、絵のお仕事を本業にしようという方や、イラスト収入を増やしたいとお考えの方にとって、少しでも参考になれば幸いです✨
一度きりの単発バイトではなく、体力や視力の許す限りずっとイラストの仕事をしていくのは、想像以上に大変で、やらなくてはならないことも多いと思います。
前回の記事にも書いたように、私にとっての「頼みやすい絵師さん」は、画力と人柄、そして事務連絡のきめ細やかさが群を抜いていて、8回にわたる取引の中で一度も私の期待や信頼を裏切ることはありませんでした。
上に挙げた「効果的なPR」も大事ですが、いただいた一つひとつのお仕事を懇切丁寧に仕上げることが一番大事です。
その積み重ねが、次の仕事や、さらに大きな仕事を呼び込むのです✨
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