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「編集者の質が落ちてる」は本当だった😑

(今回は出版社の編集者に対する愚痴です、毒舌注意)

足掛け20年以上、出版物の校正の仕事を続けるなかで、先輩諸氏から常々聞いていた、「最近、編集者の質が落ちてる」という話。

つい最近、それを痛感する出来事があり、「もっと真剣に仕事してくれ!」と憤りを感じた。

昨年年末に引き受けた、某社の通信教材のゲラの出来があまりにひどく、当初の予定を大幅にオーバーした時間で校正を仕上げてみると、紙面は見事に真っ赤っ赤

修正の内容は、専門的な知識がないと理解できないレベルのものだけではなく、「明らかに日本語としておかしい」レベルのものも多数。

これって、編集者がしっかり原稿整理をしていれば防げるもの。それが直ってないということは、つまり校正者にすべて丸投げしてるんです。

私が返したゲラがあまりに真っ赤っ赤なので、そのあと当の編集者から緊急の連絡が入り、私と編プロを交えた3者リモート会議を開いて、現状の問題点と今後の解決案のすり合わせをしたいとのこと。

は? 何言ってんのこの人。
そもそも編集の仕事ってなにかわかってる?

私が出した赤字のほとんどは「基本的な日本語の問題」なんだよ。
つまり、編集者たるあなたがゲラをまったく見ないで、こちらに丸投げしたことはわかりきってるんだよ。

「著者からもらった原稿をきちんと整理する」というのは編集者として当然やるべき仕事でしょ。それをやらない編集者ははっきり言っていらない。メールやりとりの事務員(バイト)で済んじゃうんだよ。

また「現状の問題点と今後の解決案のすり合わせ」にしても、それはあなた方出版社の社内で決めることで、外部委託である編プロや私たち校正者はその決められた方針に従う立場なの。
外注先を会議に引っ張り込むことで、あとで「satsukiさんが会議でこう言ったから」とか責任をなすりつけるつもりかもしらんが、いずれにせよそんな話は聞いたことがない。おたくの社名で出す本なんだから、そこは自社内で決着つけなよ。

そんなこともわからない編集者から仕事を請け負うのは、余計な雑務ばかり増えてとっても気が重い……というわけで、新年早々とても憂鬱な気持ちになったのですが。

結局、私がリモート会議を断ったことで3者面談は実現せず、出版社内部での会議の結果、その通信教材の発売は1か月延期することに。
明らかに編集者の怠慢による延期なので、社内でもそれなりの叱責を受けたと思います。

この出来事はかなり極端な例ですが、先輩諸氏の話どおり、やはり出版界全体で編集者の質が落ちていると言わざるを得ません。

私が担当している文芸誌では、編集者や営業が自社刊行の本を読まないらしいです。なので、平気で著者の名前の誤字をそのまま流してくる。作家の名前すら知らない(調べない)編集者も増えています。

あのね、こっちは真剣なんですよ。
真剣に本が好きなんです。その想いだけでこんなめんどくさい仕事を続けてるようなもんなんです。

あなたたち編集者はその川上にいるんだから、さらにさらに真剣に仕事してくださいよ。
それをせずに「本が売れない時代になった」とか嘆いちゃダメでしょ。

ああもうほんと……鬼滅や呪術という超ヒット作を生み出した名編集者・片山達彦氏に、編集者向けの指南書をぜひ書いていただきたい!😭





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