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食事の話。

夫の好きなところで
「夫と食べるご飯は美味しい」というのがある。


昔、友達に
「最後の一口を譲ってくれる男の人は優しい」と話したら
「分からん。」と言われた。
みんなはそう思わないんだ!とキョトンとした覚えがある。


私は、好きなものを最後に残して食べる派で
例えば、ショートケーキの上に乗っている苺は
分かりやすく最後に食べる。
だから、最後の一口を譲ってくれるなんて
とっても優しいなあ!と思っていた。

というか、夫は最後の一口だろうが
最初の一口だろうが、美味しいところは私に譲る。

私が好きであろう
一番チーズがたっぷりかかったピザの一切れも
なるべく脂身が少ない赤みのお肉も
苦味の少ない焼き魚のお腹部分も
全部くれる。

魚をほぐすのが苦手な私のために、魚をほぐして端に集めたり
エビの殻ごと食べようとする私にエビを剥いておいたり
レア過ぎる肉が苦手な私の為に焼き過ぎず、生過ぎずの絶妙な肉を焼いたり
(ちょっと、私のレベル低すぎ?笑)


なにかSNSで読んだことがあるが
「大皿で出すと、夫が先に全部食べてしまって、
自分が食べる時はおかずがなくなってしまっている」
という投稿を見たことがある。

我が家も大皿提供タイプだし
夫の方が食べるのが早い。
しかし見事に、どの大皿にも残り一口分が残されている。笑
私がどのおかずをお供にご飯を食べるのか分からないから
一応、最後の一切れには手をつけず、残されていて
私は私のペースでおいしくご飯を食べる。


また、私は少食でもあり
残してくれていても「もう、大丈夫。あげる~」って言いだす。
(私って奴は・・・)
その為に、夫の茶碗にもご飯一口分が残されているのである。笑
私がいらないと言ったおかずとご飯を美味しく食べるために。
なんて、健気なんだろう。


前の投稿に、家族と食べる食卓は美味しくなかったと書いたが
私は本当に食が細く、好き嫌いも多くて
よく両親に怒られていた。
そこにプラスで、嫁姑の口喧嘩が始まると
胃がキュウっとなって
食べたくても食べれず、拒食症となってしまった。
でも、食べないと大声で怒鳴って怒られる。
悪循環で思春期は食べることに苦労した。

でも、どんどん世界が広がり
好きな人と好きなものを食べると
素直に「美味しいなあ」と思えるようになった。

特に、夫と食べるご飯は美味しい。
夫は私に怒鳴らない。
残しても咎めない。
安心して食べられるから、尚美味しい。

それどころか、私がハンバーガーが好きだから
バンズから手作りして
パティも研究し
着々とハンバーガーの腕を上げている。

夫と暮らしてから
ジビエ料理も好きになったし
トルティーヤも食べるようになった。

夫はなんでも作れるから
お友達を招待して、家でホームパーティーをすることもある。
人が家に来てくれると嬉しい。
私は料理が上手くはないので
主にテーブルセッティングや掃除で張り切る。
人と食べるご飯が楽しくて、美味しいことを覚えた。

美味しいものが増えると色んなところに行きたくなるね。

でも結局、外食するよりも
夫のご飯が美味しくて
ゆっくりご飯を食べて、晩酌することが幸せで
家に居てしまうけど。

夫との暮らしはとても楽しい^^



ちなみに・・・
私の父は、昔と比べてだいぶ丸くなった。
若い時は怒ると、怒鳴るし、手を上げるしで
だいぶ暴れん坊だったが、さすがにもうそんな事はない。
父のことは怖いと思っていたが、昔から嫌いじゃなかった。

母が病気になってからは、父が料理をしてくれたこともあった。
父は決して料理上手ではないし、レパートリーは少ないが
父の料理はおいしかった。

社会人になって働き始めた当初は
私は帰宅が遅い仕事をしていたにも関わらず
いつも帰宅に合わせて、熱々のお鍋を用意してくれた。

キムチ鍋が美味しいと話すと、毎回キムチ鍋。
塩やきそばが美味しいと話すと、毎回塩やきそば。

私が一度でも「美味しい」「好きだ」と話した食品は
何度も何度も買ってくるのだ。
私が喜ぶと嬉しいから、何度でも買ってくる。


父は不器用な人だけど、そういうところに愛情を感じる。
夫もそんな父によく似ていると思う。