見出し画像

恋愛の話。

「結婚して良かったことは、もう恋愛しなくていいから」
そんな言葉をどこかで見たことがある。

結婚して良かったことは、「私という人間」を受け止めてくれる唯一の人を
得たことかもしれない。


20代の恋愛は、たくさん遠距離をした。
そして、結婚をゴールに据えていた恋愛は、全て上手くいかなかった。
今思えば、幸せでもなかった。

今になって思う。
私が逆の立場でも、「20代の頃の自分」とは付き合いたくない。

「女は我儘でいい!」なんて話を聞けば、
そんな人はいつか振られると本気で思っていた。

私は我儘も言わなかったし、
健気に遠い地まで会いに行く献身的な彼女だった。

もう文面からして重い。しんどい。きつい。
でも、当時は「なぜ結婚できないのか」と本気で思っていた。

さあ、なぜこんな献身的な彼女だったかと言うと、、、
私は昔から自信がなかった。

祖母と同居していたこともあり、下記のことを厳しく言われていた。
「なぜ、女のくせに家事ができない」
「女の子がなぜ、片付けができない」
「女が旅行に行くな」
「女が酒を飲むな」
料理をすれば、「わざわざ軽量カップ使うな」
「同じようなモノ作るな」
「品数が少ない」
・・・・・・・
書いていても、うるさいと感じる。
自分の名誉のために書いておくと、私の部屋は決して汚くない。
脱いだパジャマをベットに置いておくだけでも怒られるのだ。
怒られるから、布団の中に隠しても、発見されるって怖くない?
もう粗を探して、文句言いたいだけだよね?

母はというと、同じように家事・料理が苦手だった。
上記な内容は母も言われ続けていたが、
「おばあちゃんは完璧な人」
「私が至らないだけ」
「だから頑張らないと・・・」
そうやって、頑張って頑張って頑張ってたから

心が壊れた。


周りから見たら、どこにでもある家庭。
日常的にDVを受けている訳でもない。
学校にも行かせてもらえた。
でも、家族で楽しく食卓を囲んだ思い出はない。

母の心が壊れ、
私もストレスが重なり、自律神経失調症になった時は
祖母から「あんたも母親と一緒やな」と言われた。

母親が心を壊してから田舎に療養となると
祖母は私により一層厳しく、家事をするように命じた。
家事をするのはいい。
ただやる事なす事、文句を言われ続けると、さすがに限界。

母に電話して愚痴ると
「私の育て方が間違った」と言われた。

さすがに堪えた。


母が笑っている記憶があまりない。
思い出せない。
食事中も、母、祖母、父の顔色を見て食事をしていたから
美味しいと思ったことはなかった。

母は、私に勉強して良い大学に入ることを強いた。
大して頭も良くないけど、一応、一生懸命勉強していた。
高校の時は、学年10位以内から落ちた事はない。
でも、褒められない。
足りないところを指摘される。

何かを成し遂げても、褒められることはない。
やりたい事に関しては「あなたじゃ、無理でしょ」と言われる。
意を決して、生きづらさを伝えても
「気持ちわる。そんなん考えている人いない」と吐き捨てられる。


褒められたかった。
喜んでほしかった。
私を受け入れてほしかった。

そんな気持ちが全て恋愛にのっていたように思う。

私は幼少期からずっと指摘され続けた事で
自分をポンコツだと思っていたから
彼氏に何か指摘されると、「直さないと」と必死になったし

相手の顔色を無意識に見ていた。
「自分は何も気にしていないです」
「我儘も言いません」と良い子を演じていたから
いつからか自分の扱いが雑になっても、付き合い続けた。

良い子を演じる割には、「なんでここまでやって、報われないの!」って
定期的に爆発していたから
彼氏からしたらめんどくさいよね(苦笑い)

でも、良い子でいないと愛されないと思っていた。
頑張らない自分には価値が無いと思っていたし
我儘を言えば、怒られる。
本当の自分を見せても、愛されないと本気で思っていた。


それが、変わるのが28歳の時。
母が突然死んだ。

母が死んで、母からの1枚の手紙が残されていた。
そこでやっと、母からの愛情を知った。
不器用な人すぎて分からなかったよ。
母は私に、ほんとは何も望んでいなかった。
でも、子供を心配し過ぎるあまり、変な伝え方になっていたね。
母について誤解が消えた。


このままの性格でいたら、自分がおかしくなると思ってからは
他人に任せることをやめようと思った。

私はずっと母に褒められたい人生だったから
自分の人生を自分で生きてはいなかった。

この頃かな、新垣結衣さん主演の「獣になれない私たち」って
ドラマが放送されていて
このセリフが当時の自分に刺さった。


「京谷と別れることはわたしにとって人生を捨てるのと同じだった。捨てたくなくて、しがみつくばっかりで、笑ってごまかして。本当のことなんにも言えてなかった。でもそれってもう、わたしの人生じゃないよね」

獣になれない私たちより

「私は、私の人生を放り投げてた。投げたくない」

獣になれない私たちより


すごく背中を押されたセリフだった。
これを機にズルズル続いてた彼に別れを告げた。

もう、他人に自分を愛してほしいなんて思わない。
自分で自分ことは愛すし、
自分がしたい事は、自分の意志でする。
他人の承諾も必要ない。

結婚してくれない彼氏?
そもそもなんで私の人生なのに、彼氏だけに結婚の決定権があるの?
私の結婚は私が決める。
結婚する気のない人とはあっさり別れた。

相手が会いたかろうが、私が会いたくなければ会わないし
昔は休日を彼氏の為に空けていたけど、
自分のしたいことから優先的に休みを埋めていく。
会える時に会いましょスタンス。

私は今も変わらず、彼氏という存在には我儘を言っていない。
私自身が、私の心の中の姫の我儘を聞くことに忙しいから。

言ってほしかった言葉
してほしかったことは、全部自分で叶える。
すると、どんどん生きやすくなるね。

気がついたら、彼氏の方が
私に合わせるようになっていき
私が食べたいもの、
私が行きたいところ、
私が喜ぶことが一番になっていった。
私ファーストで生きているそうですよ。


自分が自分を愛していないのに
そんな自分を愛してほしいなんて、おかしいよね。

自分が自分を認めていないのに。
自分が自分を許していないのに。

全部、自分で受け入れたら
受け入れてくれる夫に出会った。

人生は本当にシンプルかもしれない。

これからも私は自分ファーストで生きていくから
「女は我儘でいい」
今の私は、この言葉に激しく同意する。