Maxon: 2023年の振り返り
今年も残りわずかです。今年1年でMaxon製品にどのような進化があったか紹介したいと思います。
サブスクリプションのおかげで、こまめなアップデートの提供が行えるようになり、新機能やパフォーマンスの改善を素早く皆様にお届けできるようになりました。
なお、2023年12月29日(金) 〜 2024年1月4日(木)まで、Maxon日本オフィスは、休業となります。期間中オンラインショップからの購入は可能ですが、販売店経由のご注文やサポートやお問い合わせは1月5日以降の対応になります。ご迷惑をお掛けしますが、ご了承ください。
Cinema 4D
2023年は、Cinema 4Dにとって大きな年でした。全く新しいコアの導入により、驚異的なパフォーマンス向上が実現し、アプリケーション全体の効率と生産性を高まりました。
モデリング
厚み付けジェネレータ
対称ジェネレータ
Phongシェーディングの改善
パターン選択
モデリングブラシの改善
シミュレーション
統一シミュレーションの新しいリジッドボディ
パイロ:ビューポートでライトに対応
パイロ:パーティクルからエミット可能に
パイロ:初期状態の設定
パイロ:新しいキャッシュと高解像度化
ワークフロー
新しいコアによるパフォーマンスの向上
新しいコマンダー:ツールやコマンドだけでなく、アセットにも対応しました。
FBX、OBJで、Redshiftに対応
USDでマテリアルをサポート
glTFでアニメーションをサポート
RedshiftマテリアルでAdobe Substance 3Dノードをサポート
シーンノードの改善
デフォルトシーンの追加とカスタマイズ
Redshiftがデフォルトレンダラーになりました。
キー削減のアルゴリズムが改善されました。
Redshift
ほぼ毎月のように新機能や機能の改善をしています。
Cinema 4Dで日本語をサポートしました。
新しいPRG Clear Skyモデルが加わり、リッチな夕日をシミュレートできます。
新しいフレークシェーダは、カーペイントからラメ入りのスーパーボールまで、あらゆるメタリックなもののレンダリングに最適です。
カメラで背景が指定可能に
Redshift カメラが、HoudiniとBlenderで利用できるようになり、露出、フォーカス距離、モーションブラー、ボケをシンプルに光学系を変更できるようになりました。
ジッターノード:同じマテリアルを適用した多数のオブジェクトに、自動的にカラーバリエーションを適用できます。ほとんどのDCC(Cinema 4D、ZBrush、3dsmax、Maya、Houdini、Katana)で使用できます。さらに、Maxon ノイズを使った3Dディストーションに対応しました。
MatCapシェーダーノード:レンダリングカメラに対して相対的にメッシュ上に画像をマッピングすることで、シンプルなスタイル化されたマテリアルを素早く作成することができます。
CPUのレンダリング性能の改善
テクスチャ・メモリの最適化により、Redshiftでテクスチャを処理する際の全体的なパフォーマンスが向上しました。
Redshift RTの改善
ZBrush
ZBrush 今年は11回のリリースがあり、4つの主要なリリースで合計40以上の新機能が追加されました。また、来年リリース予定のiPad用ZBrushの開発がアナウンスされました。
Proxy Pose:ハイポリオブジェクトの変形を
スライムブリッジ:ZBrushのマスキングシステムを使って複雑な幾何学的に接続し、2つのサーフェス間にスライムの粘液のようなものを簡単に作成できます。
Sculptris Proの改善
ダイナミックシンメトリ:ローカルシンメトリは、ZBrush内のギズモを利用し、モデルを中心軸からずらしながらZBrushワークスペース内でシンメトリを保つ方法を提供。
マスク領域:自動領域のおかげで、複雑な形状を簡単にマスクすることができます。
最後の操作を適用:全サブツールに最後の操作を適用機能が追加。
Zリメッシャー リトライ / ポリペイントを保持: 業界最高の自動リトポロジーは、異なる設定の結果を保存して比較できるオプションによって、さらに改善されました。
クリースエッジ UVアンラップ: UVマップ生成のためにUVシームを配置すべき最も効率的なハードエッジと「クリース(折り目)」を自動的に検出します。
プロキシポーズ:プロキシポーズを実行すると、瞬時にポリゴン密度を下げ、アーティストはZBrushモデルを迅速かつ効率的に操作し、その結果を高密度のメッシュに戻すことができます。
ドロップ3D:Sculptris Proの技術とZBrushキャンバスの2.5D機能を組み合わせて、創造性を高める新しいワークフローを生み出します。
革新的なAnchors ブラシ:サーフェスをマスキングすることなくブラシを使用できるようになりました。
Knife ブラシ:拡張され切り離したパーツを保持できるようになりました。
ギズモとトランスポーズツール:トポロジーマスキングの改良とマスキング領域の中心にスナップする機能を追加しました。
Maxonノイズのサポート:ZBrushのサーフェスノイズで利用可能になりました。
新しい”類似パーツに繰返す”機能:アーティストは編集中のソースメッシュから変更を繰り返し、同一トポロジーのターゲットメッシュに変更を適用できます。
マスク機能に”全て拡張”と”全て縮小”が追加:よりダイナミックな制御とデザインの可能性が増加しました。
DragStamp:新しいストロークオプションを追加。
”UMクリース”と”UMクリース解除”:という2つの新しいボタンを追加。
インサートメッシュブラシ:ストロークメニューオプションに対応し、従来のDragRect以外にも、Sprayなどのストロークと合わせて利用できるようになりました。
Forger
今年、直感的な彫刻とモデリングツールを拡充し、重要なアップデートを提供しました。サブディビジョンサーフェス表示と対称性を追加し、完全なポリゴナルモデリングツールキットを提供しました。複雑な形状を作成するために、新しいSweep、Lathe、Fit Circle、Set Flow、Sketch Meshツールが導入されました。
ZBrushからZRemesherが導入され、モバイルで最も強力なトポロジーツールが提供されました。
照明も強化され、方向、点、スポットライトが影を落とすようになりました。エリアライトとIESライトも導入されました。作成物の芸術的な見た目を制御するために、新しい表示設定が追加されました。これには、SSAO、被写界深度、ブルーム、色収差、グレイン&ビネッティングが含まれます。
Red Giant
今年は、日本語版と中国版のリリースがされました。
Trapcode
Particularのライトエミッターのパフォーマンスが大幅に改善され、レンダリング時間が最大で3倍速くなりました。
最適化された新しいワークフローにより、AEコンプでエミッターを任意の3Dレイヤーにリンクさせることができ、パーティクルシステムのセットアップがより効率的になりました。
アニメーションしたPhysics Time Factorを使用する際のパフォーマンスも最適化され、Formパーティクルのメモリ管理も改善されました。
新しく内蔵されたバウンスグランド平面は、独自の高さと回転コントロールを持つ追加のバウンスサーフェイスとして機能します。
子システムは、誕生時に親システムからパーティクルタイプ、サイズ、不透明度の値を継承できるようになりました。
既存のRGBモデルに加え、新たに3つのグラデーション補間モデルを搭載しました。
新しいカーブミラーモード:完全に対称なカーブを作成できます。
Particular DesignerはOSのデフォルトカラーピッカーではなく、After Effectsのカラーピッカーを呼び出すようになりました。
3D Stroke とSound Keysは、Particularで実装されたものと同じ色とカーブのUIアップデートを受け継ぎました。
Particularで燃焼シミュレーションに対応
エミッタータイプに、「親からストローク」という軌跡を描くエミッタータイプが追加。
Universe
新しいカプセルと新しいSymbol Mapperエフェクトを追加。
VFX
Real Lens Flares
アナモフィックレンズを導入。
Premiere Proもサポート。
2D位置+距離機能により、アーティストはZ空間内の光源の距離を変えることでシーンに立体感を加えることができます。
AEライトに基づいて3Dトラッキングされたシーンにフレアを正確に配置できます。
リングプロジェクションで、1970年代と80年代のクールなフレアスタイルを追加。
シュムッツ:レンズに付いた水滴や汚れによるフレアの再現。
Supercompで、調整レイヤーをサポート。
Magic Bullet
各ツールの強弱スライダーが新しくなり、より簡単にルックをコントロールできるようになりました。
Looksの新しいプリセットセットでは、ACESへの対応がさらに改善。
フィルムルック、ミュージックビデオ、ファッションフィルム、Vログなど、30以上の新しいプリセットを追加。
Cineware
Cineware for Unrealは、Cinema 4DファイルをUnreal Engineにインポートする機能が改善され、サブサーフェススキャッタリングを持つRedshiftマテリアルがサポートされるようになりました。インポート前にテクスチャサイズを調整できるため、テクスチャ品質を管理する際の柔軟性が向上しています。
Cinema 4D用のDatasmith Direct Linkプラグインが搭載されており、C4Dシーンを直接保存してロードする必要がなくなりました。データはローカルキャッシュを使用してUnreal Engineに直接転送され、アーティストはほぼ瞬時に変更を確認できます。
カプセル
毎月Cinema 4D用に高品質なマテリアルや樹木のモデルデータが追加されています。さらに、過去のアセットのRedshift対応が進んでおり、マテリアルの変更だけでなく、デザインやメッシュも見直されています。
他にも、Rocket Lassoによるスプラインに様々効果を与えるモディファイアも追加されています。
こうしてみると、今年も様々な新機能や改善が行われました。来年はZBrush for iPadも控えています。どんな機能や製品が出てくるか楽しみにしていてください。